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49歳、はじめてチキンラーメンを食べた日

    皆さまにご報告があります。
    なんと、私、本日49歳にして初めて
    チキンラーメンの美味しさを知りました。

    「え!今まで食べたことなかったの?」
    という声が聞こえてきそうですね。

    はい、食べたことなかったです。
    あれだけテレビCMでその美味しさが発信されているのを知りながら、
    「販売企業はそりゃ、自社製品を絶賛するわよね。」
    と横目で画面を見て、全然信じようとしませんでした。

    私が、企業広告よりも信じていたものは何か。

    「親の声」です。

    私が生まれる前からある定番商品。
    CMでもスーパーでも、いつも見かけていました。

    小さい頃、母と買い物に行った時に私は言いました。
    「お母さん、あれ食べたい。」
    小さな手で、チキンラーメンを指さしていたかどうかは定かではないけれど
    まあ、とにかく食べたいと言ったのは確かです。

    母は何と言ったか。
    「ダメ!お母さん、あれ苦手だから!」
    そう言って、繋いでいた手をグッと引っ張られて
    別の売り場へ連れて行かれました。

    それ以来、私は
    「お母さんが苦手だと言うのだから、きっと美味しくないんだ。」
    と決めつけてしまいました。

    黄色いひよこのキャラクターすら、
    前は可愛いと思っていたのに、その時から興味がなくなってしまいました。

    それから40年以上。
    その商品に対して『無意識』で生きてきてしまいました。

    子供って、親の好き嫌いに敏感です。
    なぜって、小さい子供の小さな世界では、
    「親の価値観」がその子のすべてだから。
    その子の住む王国では、お父さんが王様、お母さんがお妃様。
    王国のルールを決めるのは、その2人です。

    40年も経ったある日、娘が私に言いました。
    「ママ、私、チキンラーメンが食べたい。」
    小さい頃の私と同じで、CMを見て美味しそうだと思ったらしいのです。

    娘はもう小学校高学年。
    自我が形成されていて、『王国』だけでは生きてはいません。

    私は一瞬ひるみました。
    本当に、美味しいのだろうか、と。

    しかし、私はこうも思いました。
    『誰かに言われた一言で、自分の世界を自分で狭めてはいないだろうか。』

    私は思い切ってカゴにラーメンを入れました。
    ほんの少し、他の商品よりも高め。
    それでもいい。
    娘が食べたいと言っているものを、私も試しに食べてみたいから。

    それで、今日食べてみたんです。
    あれ?スープの粉が入ってる袋が見当たらないぞ?
    しばらく袋をガサゴソ探し、
    麺に味が付いてるんだと、初めて知りました。

    食べてみた感想は、
    醤油の味が濃い目で、チキンラーメンと言う名の通り、
    鶏出汁が感じられて美味しかったです。

    思わず、
    「うまっ!」
    と声が出たくらいです。

    何十年も経ってから、「刷り込み」から解放されることって、あるんですね。
    娘からきっかけをもらったけど、
    今日は狭い王国から、また一つ旅立つ日だったのでしょう。

    思い込みは、損をすることがある。
    そして、大人になってからでも、そこから旅立つことはできる。
    ごちそうさまでした。


     
     
    占い師として人の手と心を見てきました。 手相や占いの話に限らず、 感情が揺れた瞬間や、 立ち止まって考えたことを 「言葉の記録」として残しています。 答えを断定するより、 一緒に考えるための言葉を。 書くことで、自分を整え、 誰かが前に進むきっかけになればと思っています。

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