いつも握っている積み木
子どもって不思議だ。
こっちの世界にいるようで、違う世界にいるみたいな。
子どもの世界。
もうすぐお昼だよ。
もうすぐお昼寝だよ。
もうすぐ……
長女を見ると、
いつも、積み木を持っている。
どんな時も、持っている。
おんなじ形の積み木を。
円柱型で、長細くて、持ちやすいのかな。
なんで、丸、三角、四角じゃないのかな。
左手には、いつもそれ。
何をするにも、それを持っている。
不思議。
たまに、右脇には絵本を挟んでいることもある。
動きにくそう。
でも、やっぱり離さないでいる。
ふふふっ。
昔、わたしの妹が、おもちゃ全部を紙袋に詰め、三輪車に乗っていた。
4つ分。
ハンドルに2つずつ、引っかけて。
小さいあんよで、よいしょ、よいしょ、って漕ぐ。
邪魔だ。
でも、妹は、きっと何か意味があって、そうしていたのだろう。
ウルトラマン、恐竜、鉄腕アトム、救急車、タクシー、トラック。
そんな男の子が遊ぶようなおもちゃで、袋の中は溢れかえっていた。
出かけるときは、母に言われて、泣いたりしながら。
悩んで、ようやく、ひと袋に絞り、誇らしげに持って歩く。
子どもの世界は不思議。
自分ひとりだけの世界に浸って、その中で生きているみたい。
わたしからは、見えるのだけど、そこの住人にはなれない。
わたしは、長女に、ちょっと意地悪をしてみた。
お気に入りの積み木を、隠してみたのだ。
机の引き出しに。
どこで見ていたのか。
ちゃんと、引き出しを開けて、取り出し、やっぱり左手に握った。
どこで何をしていても、遠くからでも、その存在を確認している。
これは、きっと長女の一部なのだ。
そう知った。
妹の紙袋も、きっと妹の一部だったのだ。
子どもって、かわいい。
握って離さないでいる、積み木。
大事な大事な積み木。
自分の一部。
子どもって不思議だ。
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