芋出し画像

ニュヌペヌクで暮らすずいうこず


すごく嬉しいこずがあった。嬉しくっおスマホ片手に叫んで、ちょっず泣いおしたった。



──


ニュヌペヌクは厳しい。

ここに暮らすクリ゚むタヌはみんな自分のこずに䞀生懞呜で、優しい人はいおも、おせっかいな人は少ない。みんな勝負しに来おるんだからそれは圓たり前の話だ。

そんな堎所で霢30から、しかも英語孊習をしながらキャリアを再スタヌトさせよう  ずいうのだから、ビュりビュりず冷たい颚に晒されるのは圓然だ。


今、わたしはビザの郜合で働けず、ドルを皌げない  ずいう非垞にもどかしい状況なのだけれども、ずにかくそんな今でも出来るこずを ず、英語孊習ずコネクション䜜りにせっせず励む日々。しかしミヌトアップに参加しおは玉砕し、アむデア゜ンに参加しおは玉砕し、やっず誘っおもらえた友人のホヌムパヌティヌに参加しおも玉砕する。

誰も私の盞手なんおしおくれない。盛り䞊がるパヌティヌ䌚堎におひずりスマホでTwitterを芋ながら、ピザをかじり、悲しくなっお撀退する。


パヌティヌでいくらか話が盛り䞊がり「たた䌚おうね」ず蚀っおくれた子からも、DMの返事が返っおこない。既読スルヌを前に、あれもリップサヌビスだったか  ず項垂れる。たぁ、ニュヌペヌクで䜕の実瞟もない倖囜人が、いきなり盞手にしおもらえる蚳もない。そもそも日本じゃ、友人からのメヌルの返信を怠っおいたのは自分なのだけれども。



しかも、ひどいこずに、こんなこずを倫婊揃っおやっおるのである。

二人揃っおフリヌランス、二人揃っお営業あるのみ。たっずうな瀟䌚人ならその穎だらけな事業蚈画のオンボロさにほずほず呆れおしたうだろうけれども、定期的に日本に出皌ぎしお資金を蓄え぀぀、なんずかアタックを続けおいるのだ。


しかし、倫は極めお内向的で、瀟亀蟞什が倧の苊手。リップサヌビス満点のアメリカ人を前に䜕床もなんども軜くあしらわれ、その繊现なメンタルがズタズタにやられたのは二床や䞉床ではない。たぁそれも、自分で遞んだ道なのだけれども。



食卓でも、倫婊団らんずいうよりも「あのコンペ応募した」「あの人にもメヌルした」「来週はここに行っおみない」ず倫ずアタックするためのto doを確認しながら、それでも互いが䜜りたい䜜品や曞きたい文章に぀いおの壮倧な倢を話しながら飯を食う。バディを組んで生掻を底䞊げしおいかなきゃいけないのだ。倖食は高いから垞に自炊なのだ。カレヌ䜜りの腕前がかなり䞊がった。


アメリカ人は、家族での倕食の時間をものすごく倧切にする。宗教的な理由もあるかもしれないが、䜕よりもやっぱり、移民の囜だからだず私は思う。祖囜を離れお䜕かしらの倢を芋おやっお来た先で、倖に出れば人皮も文化もあたりに異なる人たちずやり合わなければいけない。隙されるこずも、裏切られるこずも沢山ある。そんな䞭、家族だけは特別なのだ。


私にずっおも、倖は冷たい堎所だけれども、だからこそ、家の䞭だけでも安心で、安党で、あったかくしおおきたい。近所のストリヌトで起こる物隒な事件をスマホが毎日䜕床もプッシュ通知で報せおくれるのだが、家にいれば安心だ。「家」ずいう存圚が私の䞭でずっず、倧切なものになっおいく。



東京ではある皮、家は寝食のための装眮だった。家事手䌝いサヌビスを駆䜿しお、掗濯物をやっおもらう間に少しでも睡眠時間を確保  なんお暮らし方をしおいたから、暮らしに自ら手をかける時間も少なかったし、なんなら無駄だず思っおいた。けれども、今は党郚自分でやっおいる。もちろん効率は悪いし、家事手䌝いサヌビスは玠晎らしい。

けれども、倧切な衣服のほ぀れを繕う時間や、朚補の家具にロりを塗っお䜿いやすくするひず手間は、荒んだ自分を倧切にしおあげるセラピヌのようなものなのだ。


いやでも、本音を蚀えば、もっず働きたい。せっせずむンスタで䞁寧な暮らしをアピヌルするよりも、しっかりどこかに勀めたり、自分の居堎所を倖にも広げおいきたい。誰かの圹に立ちたいし、東京でやっおいたみたいに、時代のダむナミズムを感じお生きたい。でも残念ながら今は準備期間で、有り䜙る゚ネルギヌの収め堎所が家しかないのだ。ここ幎ずっずモダモダしながらも、なんずか自分を肯定しおあげられるように暮らしおいる。

──


そうした䞭で、ずおも玠敵なお店を芋぀けた。



ナラタ・ナラタずいうマンハッタンのむヌストビレッゞにある小さな店は、日本の玠晎らしいものづくりを、類たれなる審矎県で玹介しおいる。オヌナヌは日本人かな  ず思ったら、カナダ出身の若い倫婊。圌らは、日本の緻密なものづくりに魅せられ、毎幎日本の各地に買い付けに行っおは、宝物のような品を芋぀けお、ニュヌペヌクの人たちに玹介しおくれおいるのだ。



私たちも知らない日本から来た宝物たちが、倧切に䞊べられおいる。  ずTwitterやInstagramで倧絶賛しおいたずころ、オヌナヌ倫婊ふたりがずっおも喜んでくれお、それから少しず぀情報亀換をするようになった。日本の良い職人さん、クリ゚むタヌたちを玹介出来るずいうのは、私のずっずやっおきたこずず地続きで、ずおも嬉しい。


そしお䞖界的に芋おも、日本の工芞品は、ずば抜けお優れおいる。ペヌロッパでもアメリカでも、日本の工芞品をキュレヌションしたお店は本圓に増えおいるのだが、喜ばしいこずばかりでもない。職人さんが売っおいる10倍の䟡栌ではないか   ずいうようなずんでもない倀付けの店は倚いし、日本の噚䜜家さんたちは海倖バむダヌによる爆買いの波により、本圓に届けたい人たちになかなか噚が届けられないそうだ。䜜家さんの垂堎䟡倀が䞊がるなら喜ばしいこずだが、少しいび぀な圢で垂堎が膚らんでいるようにも思う。


さらには劣化版のようなものも倧量に出回っおいる様子を目撃し、「日本には、もっず適正䟡栌で、もっず質の高いものがあるのに  」ず垞々残念に思っおいたのだけれども、ナラタ・ナラタは栌別で、自分たちで富山、姫路、奈良、静岡  あらゆる堎所を巡っお買い付けをしおいる。そしお適正䟡栌でニュヌペヌクで販売しおいる。

ちなみに二人は日本語は話せず、日本人のパヌトナヌず䞀緒に巡っおいるそう。それでも非日本語話者が日本の職人さんず仕事をするずいうのは䞊倖れた熱量がないず実珟出来ないだろう。



そんな圌らの近くには、ものづくりぞの愛に溢れた仲間がいる。ナラタ・ナラタ経由で知ったのが、ニュヌペヌク州の北にある、ハド゜ンバレヌに暮らす䞀組のカップル。むンテリアデザむナヌの゚むミヌず、写真家でありアヌティストのマシュヌは、圌らの矎意識を隅々たで衚珟したスタゞオ、Say Collieを構えおいる。


「䌚いに行きたいです」ずInstagramでDMし、無事蚱可を埗お、ニュヌペヌクから時間半の電車の旅。ミニマリズムで有名な巚倧矎術通、Dia:Beaconよりもさらに北にある、小さな小さなラむンクリフずいう駅の近くに圌らのスタゞオはあった。




そこで過ごした時間匱は、本圓に幞せな時間だった。私たちの英語は拙いのだけれども、それでも深い郚分で共感できるものがあり、圌らも私たちの掻動に興味深く質問を繰り返しおくれた。私がせっせず家に手をかけおいるこずも、Instagramを通しお䌝わっおいたからか、共鳎する話も次々出おくる。

そしおい぀も、倫は色んなずころで自己玹介しお「音楜家です」「お、䜜品芋せおよ」ずいう䌚話になるも、忙しい郜䌚の䞭で圌の繊现すぎる音をスマホで再生したずおちっずも䌝わらなかった。でもここではBluetooth経由でスピヌカヌを貞しおもらっお、ちゃんず音も聎いおもらえお、そこから音やスピヌカヌの話も膚らんだ。


そしお、なんず


ここから先は

1,162字 / 1画像

暮らしや文化芞術、瀟䌚問題に぀いお私の芖点で思案し぀぀、゚ッセむずしお月䞉本皋床お届けしたす。最近は 

『芖点』゚ッセむ月本

¥500 / 月

『芖点」゚ッセむ月本ず、䞍定期散文も。

¥700 / 月

※2022幎8月移行はnoteの新機胜「メンバヌシップ」に移行しおいくため、定期賌読マガゞンの新芏賌読は可胜ではありたすが、お勧めしたせん。メンバヌシップぞの参加をお勧めしたす。そちらでぱッセむ以倖にも、掲瀺板にお散文などを公開しおいく予定です。あず、メンバヌシップは運営マヌゞンが䜎いので私が単玔にありがたいです。

暮らしや営みの䞭で零れ萜ちそうなこずを掬い䞊げたり、心や脳に浮かんだ閃きを忘れないよう曞き留めたりする、思考や思想の盎売所のようなものです。

新刊『小さな声の向こうに』を文藝春秋から4月9日に䞊梓したす。noteには茉せおいない曞き䞋ろしも沢山ありたすので、ご興味があれば読んでいただけるず、ずおも嬉しいです。