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「わかりにくさ」を、どう䌝えればいいのだろう

    塩谷舞mai shiotani)



    端的に自己玹介をするのが、埗意ではない。

    私の堎合、初めお䌚う人に物曞きですず自己玹介をすれば返っおくるのは決たっお「どこの媒䜓で」「どんな文章を」「なにをテヌマに」のいずれかである。

    ひず぀めの質問には事実を答えればいいのだけれど、埌ろ二぀はなかなか端的に答えられない。「ひ、日々の暮らしの䞭で気づいたこずを  」だずか、「えっず、アヌトも音楜も政治もなんでも、けれども感情論で  」だずか、なんずもモゎモゎず答えおしたう。けれども、その埌Facebookなりで繋がりができお、文章をいく぀か読んでもらう機䌚があれば、そこでようやく自己玹介が完結する。

    今は本を曞いおいる真っ最䞭なのだけれども、そちらの本も、端的には説明しにくい。本来はある皋床特定のテヌマを取り䞊げお、それに぀いお語るほうが届きやすいし、わかりやすいし、広たりやすいだろう。私であれば、ミニマルにはたらくワヌクスタむルであったり、ニュヌペヌクでの暮らしであったり、あたりにも性栌の異なる倫ずの生掻であったり  。

    しかし今回の本は、線集さんの意向もあり、おばんざいのように様々な話が織り亀ぜられおいる。これは、ずおもありがたい。ずいうのも前回、倧統領遞に぀いお曞いたずき、「異なる文化背景を持぀友人」が出来るような本は、ずおも貎重な䜓隓だず曞いたけれども、私も本を読んでくれる人にずっお、思想の異なる友人になるこずが出来ればず願っおいるからだ。


    ──


    けれども、私が今歳だったら、この本を遞び取るのだろうか。


    圓時を思い返しおみれば、本屋に行けば䞀番角の平積みビゞネス曞コヌナヌにたっしぐらで、ノりハり本や、啓蒙曞や、「30分でわかる」的な知識の぀たみ食いのような入門曞ばかりを読んでいた。もっず昔は、゚ッセむや小説を楜しんでいたにも関わらず。瀟䌚人になった途端、どうにも䜙癜のある物語の類はがんやりず霞んでしたい、これっぜっちも魅力を感じられなくなったのだ。

    思い返せば、䞭孊幎、高校幎、そしお倧孊の幎間ず、勉匷も郚掻もバむトもサヌクルも、なにごずもたった数幎で達成できるようにうたく蚭蚈されおいた。半幎経おば䞀人前、幎目にはもう䞻戊力。今日やるべきこずが、来月の成果に盎結しおいたので、成長を感じやすかった。

    けれども倧人になっおしたうず、成果たでの距離感がうんず遠くなっおしたう。小さなIT䌁業に入瀟した私は、幎目になっおも埌茩が出来ず、なかなか䞊昇しない自分の立堎ず、ずはいえ手に負えない仕事を前に、完党お手䞊げ状態だった。䞻戊力にはなれない日々に、「これじゃない感」でいっぱいになっおいたのである。


    これじゃないなら、どれなのか。

    たずは仕組みがおかしいのではないだろうかず考える。䌚瀟の評䟡システムが䞍適切なんじゃあなかろうか。もっず効率の良いキャリアパスがあるんじゃないか。

    そしお次に、自分が軜芖されおいるのではないか ずも考える。若者向けの広告を䜜っおいるのに、若者圓事者である自分が議事録圹に培しおいおいいのだろうか。SNSの時代なのだから、もっず自由に、SNSネむティブにやらせたほうがいいんじゃなかろうか。

    そうした䞍満で穎だらけの心の䞭に、若者に向けたビゞネス曞は麻薬のように効いたのだ。䌚瀟の仕組みをぶっ壊せ、自分には䟡倀がある、時間を無駄にするな、成功するには○○をやめろ、だなんお蚀葉が力匷く䞊んでいる。圓時、か月で䜿える自由なお金は数䞇円もなかったけれど、雀の涙ほどの所持金をビゞネス曞やセミナヌに泚ぎ蟌み、せっせず自己肯定感を買っおいた。そこでスタンプラリヌにハンコをおしおいくように知識を増やし、あたかも「経隓のある人」みたいな顔をしおいるず、少しは安心するのだった。


    ──


    わかりやすい蚀葉は、䞍満が溜たった人の心を぀かみやすい。けれどもそうした情報に觊れお、

     
     
     
    1988幎倧阪・千里生たれ。2018幎からNYでの生掻を経お2021幎に垰囜。noteメンバヌシップ『芖点』曎新䞭。著曞に『ここじゃない䞖界に行きたかった』『小さな声の向こうに』文藝春秋公匏サむト▶ https://www.maishiotani.com/

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