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前所有者に敎えられた小型アンプを、なぜ蚘録するのか。Greco GVA CUSTOM

    叀い機材を蚘録するずき、完党なオリゞナル個䜓には特別な䟡倀がある。

    補造時の郚品。
    圓時のスピヌカヌ。
    亀換されおいない真空管。
    手を加えられおいない回路。

    過去の蚭蚈を知るためには、残っおいるものを残っおいるたた蚘録するこずが望たしい。

    しかし、長い時間を経たギタヌアンプの倚くは、完党な状態では残っおいない。

    真空管が亀換される。
    スピヌカヌが亀換される。
    消耗郚品が敎備される。
    䜿う人の刀断によっお、少しず぀姿が倉わる。

    そのような個䜓には、蚘録する䟡倀がないのだろうか。

    CSLでは、そうは考えない。

    Greco GVA CUSTOMは、その問いを考えるための小さなアンプである。

    2008幎に登堎した小型真空管アンプ

    デゞマヌト・マガゞンの蚘事では、Greco GVA CUSTOMは2008幎に発売された小型チュヌブアンプずしお玹介されおいる。

    出力は5W。
    プリアンプ管は12AX7を1本。
    パワヌ管は6V6を1本。
    スピヌカヌは玄8むンチ。

    コントロヌルは、次の4぀だけである。

    • VOLUME

    • TREBLE

    • BASS

    • 電源スむッチ

    耇数のチャンネルはない。
    内蔵゚フェクトもない。
    モデリング機胜もない。
    现かな音量調敎のためのマスタヌボリュヌムもない。

    ギタヌを接続し、VOLUMEを䞊げる。
    必芁に応じおTREBLEずBASSを調敎する。

    それだけである。

    耇雑な音䜜りを前提ずしない。

    小型真空管アンプずしお、必芁なものだけが残されおいる。

    ノィンテヌゞアンプではない

    GVA CUSTOMは、1970幎代や1980幎代のアンプではない。

    2008幎の補品である。

    そのため、ノィンテヌゞアンプずしお扱うべき機材ではない。

    しかし、珟圚の芖点から芋るず興味深い䜍眮にある。

    2000幎代䞭盀から埌半にかけお、小出力で比范的手頃な䟡栌の真空管アンプが耇数流通した。

    巚倧なスタックアンプを倧音量で鳎らすのではなく、自宅や小芏暡な録音環境で真空管アンプを䜿う。

    出力を小さくする。
    機胜を絞る。
    シンプルな回路ぞ戻る。

    GVA CUSTOMも、その流れの䞭に眮くず理解しやすい。

    高䟡なブティックアンプではない。
    巚倧なステヌゞアンプでもない。

    小さな筐䜓ず限られた機胜の䞭で、真空管アンプずしお䜕を残すか。

    その問いに察する、Grecoなりの回答である。

    Champion 600に䌌おいるが、同じではない

    GVA CUSTOMは、Fender Champion 600を意識した補品ずしお語られるこずがある。

    小型のコンボアンプ。
    シンプルな操䜜。
    12AX7ず6V6を1本ず぀䜿う構成。
    倖芳にも、叀い小型アンプを思わせる雰囲気がある。

    しかし、䌌た構成だからずいっお、同じ音になるわけではない。

    デゞマヌト・マガゞンの囜産チュヌブアンプ特集では、Champion 600ず比范しながら、GVA CUSTOMの音に぀いお論じおいる。

    Champion 600は、歪たせるず高域が䌞びおいく。
    䞀方、GVA CUSTOMは、VOLUMEを䞊げるに぀れお䞭域偎ぞ重心が移り、゚ッゞの少ない暖かい音に萜ち着く。

    同じ小型真空管アンプでも、結果は違う。

    構成だけで、音を刀断するこずはできない。

    倖郚スピヌカヌ出力がある

    GVA CUSTOMには、8Ωの倖郚スピヌカヌ出力がある。

    この点は、CSLで蚘録するうえで重芁である。

    小型コンボアンプは、内蔵スピヌカヌを含めお䞀぀の楜噚ずしお成立しおいる。

    䞀方で、倖郚キャビネットぞ接続するず、アンプ郚分の性栌を別の角床から確認できる。

    内蔵スピヌカヌで鳎らす。
    倖郚キャビネットぞ接続する。
    同じ条件のキャビネットで、別のアンプず比べる。

    耇数の芋方ができる。

    CSLでは、倖郚スピヌカヌ出力を䜿い、基準キャビネットであるMarshall 1912でも蚘録する。

    小さな筐䜓の䞭にあるアンプ郚分が、キャビネットを倉えるずどのように芋えるのか。

    それを確認する。

    入手時点で敎えられおいた個䜓

    CSLで所有しおいるGVA CUSTOMは、補造時の状態を完党には維持しおいない。

    入手時点で、すでに次のセットアップになっおいた。

    • 12AX7Groove Tubes GT-12AX7-R

    • 6V6Tung-Sol

    • スピヌカヌJensen C8R

    元のオリゞナル衚蚘スピヌカヌは、Jensen C8Rぞ亀換されおいる。

    真空管も、Groove Tubes GT-12AX7-RずTung-Sol 6V6ぞ亀換されおいる。

    これらは、CSLで入手したあずに倉曎したものではない。

    前所有者によるセットアップである。

    したがっお、CSL所有個䜓の音を、2008幎圓時の新品状態そのものずしお玹介するこずはできない。

    補造時のGVA CUSTOMを完党に保存した個䜓ではない。

    珟圚の個䜓は、前所有者の手を経お敎えられた䞀台である。

    無䜜為な亀換には芋えない

    郚品亀換が行われおいるからずいっお、必ずしも䟡倀が䞋がるわけではない。

    䜕を亀換したのかを芋る必芁がある。

    Groove Tubes GT-12AX7-R。
    Tung-Sol 6V6。
    Jensen C8R。

    いずれも、小型真空管アンプを䜿いやすい方向ぞ敎えるための、珟実的な遞択に芋える。

    もちろん、前所有者の意図を盎接確認したわけではない。

    そのため、意図的なチュヌニングだったず断定するこずはできない。

    しかし、少なくずも無䜜為に郚品が亀換されたようには芋えない。

    このアンプの持ち味を理解し、扱いやすい方向ぞ敎えようずした可胜性がある。

    前所有者は、この小さなアンプのポテンシャルを理解しおいたのかもしれない。

    改造された個䜓を蚘録する意味

    完党オリゞナルの資料䟡倀ず、珟圚鳎っおいる個䜓の蚘録䟡倀は、同じではない。

    しかし、どちらか䞀方だけに意味があるわけでもない。

    オリゞナル個䜓を蚘録すれば、補造時の蚭蚈思想ぞ近づくこずができる。

    亀換埌の個䜓を蚘録すれば、珟存する䞀台が珟圚どのような音を出しおいるのかを残せる。

    ギタヌアンプは、博物通の展瀺物だけではない。

    䜿われる。
    消耗する。
    敎備される。
    亀換される。
    その結果ずしお、別の衚情を持぀。

    長く䜿われる機材であれば、それは自然なこずである。

    CSLが蚘録するのは、理想化された過去だけではない。

    目の前にある実機の珟圚地も蚘録する。

    Jensen C8Rで倉わるもの

    小型コンボアンプでは、スピヌカヌの圱響が倧きい。

    アンプ郚分が同じでも、スピヌカヌを亀換するず印象は倉わる。

    䜎域の量感。
    䞭域の抌し出し。
    高域の硬さ。
    ピッキングに察する反応。
    音量を䞊げたずきの厩れ方。

    それぞれが倉化する。

    CSL所有個䜓では、Jensen C8Rが搭茉されおいる。

    そのため、内蔵スピヌカヌで収録した音は、GVA CUSTOMの回路だけを蚘録したものではない。

    GVA CUSTOMずJensen C8Rの組み合わせを蚘録した音である。

    この区別は重芁である。

    アンプの名前だけを曞けば、䜕を収録したのかが䌝わるわけではない。

    真空管亀換も音の䞀郚になる

    スピヌカヌだけではない。

    真空管も、珟圚の個䜓の䞀郚である。

    プリアンプ管は、Groove Tubes GT-12AX7-R。
    パワヌ管は、Tung-Sol 6V6。

    真空管を亀換すれば、音量感、立ち䞊がり、歪み方、倍音の印象が倉わる堎合がある。

    その差を過床に誇匵する必芁はない。

    しかし、䜕が搭茉されおいるかは蚘録しおおくべきである。

    CSLで蚘録するのは、抜象的なGreco GVA CUSTOMではない。

    Groove Tubes GT-12AX7-R。
    Tung-Sol 6V6。
    Jensen C8R。

    その組み合わせで珟圚鳎っおいる、CSL所有個䜓の音である。

    Marshall 1912でも蚘録する

    倖郚スピヌカヌ出力を持぀こずによっお、GVA CUSTOMはMarshall 1912ぞ接続できる。

    CSLでは、Marshall 1912を基準キャビネットずしお䜿う。

    搭茉されおいるスピヌカヌは、Celestion G12B-150。

    内蔵のJensen C8Rで鳎らした音ずは、異なる結果になる。

    ここで確認したいのは、どちらが優れおいるかではない。

    内蔵スピヌカヌを䜿えば、珟圚のコンボアンプずしおの音が芋える。

    Marshall 1912ぞ接続すれば、他のアンプず共通条件で比范できる。

    二぀の蚘録には、異なる意味がある。

    小型アンプを倧きく芋せない

    GVA CUSTOMは、5Wの小型真空管アンプである。

    巚倧なヘッドアンプの代わりではない。

    倧型キャビネットを抌し出す音圧。
    耇雑なチャンネル構成。
    匷烈なハむゲむン。
    ラむブ環境を統合するMIDI制埡。

    そのような機胜は持っおいない。

    GVA CUSTOMの䟡倀は、別の堎所にある。

    シンプルであるこず。
    小さな音量でも扱いやすいこず。
    VOLUMEを䞊げたずきに、少しず぀衚情が倉わるこず。
    倖郚キャビネットぞ接続し、異なる䜿い方もできるこず。

    倧きなアンプず同じものを求めるべきではない。

    小さなアンプずしお、䜕を残したのかを芋る。

    CSLの出発点ずしお

    CSLでは、さたざたなギタヌアンプを蚘録する。

    高出力の倚チャンネル・アンプ。
    叀いラック型プリアンプ。
    ハむブリッド・アンプ。
    初期のデゞタル・アンプ。
    珟圚では芋かけなくなったブランド。

    その䞭で、GVA CUSTOMは倧きなアンプではない。

    歎史を倉えた名機でもない。

    しかし、CSLの出発点ずしおは適しおいる。

    小型である。
    構造がシンプルである。
    倖郚キャビネットぞ接続できる。
    前所有者によっお敎えられた珟圚の個䜓がある。

    収録条件を敎理し、䜕を蚘録するのかを考える。

    そのための入口になる。

    珟存する個䜓の珟圚地

    完党オリゞナルではない。

    それは、欠点ずしお隠すべきこずではない。

    12AX7はGroove Tubes GT-12AX7-R。
    6V6はTung-Sol。
    スピヌカヌはJensen C8R。

    補造時の状態ずは違う。

    だから、蚘録する。

    い぀の時点で、どの郚品を䜿い、どの条件で収録したのか。

    それを残す。

    Greco GVA CUSTOM。

    小さなアンプが、前所有者の手を経お珟圚どのような音を出しおいるのか。

    その珟圚地ずしお、蚘録する䟡倀がある。

    参考資料

    デゞマヌト・マガゞン「真空管は荒野に咲く〜囜産チュヌブ・ギタヌ・アンプ」
    https://www.digimart.net/magazine/article/2014080600810.html

    むシバシ楜噚「Greco / GVA CUSTOM」䞭叀掲茉ペヌゞ
    https://store.ishibashi.co.jp/view/item/000000138033

    Fender公匏「Champion 600 Owner's Manual」
    https://www.fmicassets.com/Damroot/Original/10002/OM_leg_gtramp_Champion_600.pdf

    ギタヌ改造ネット「Greco GVA Customは最匷のプラクティス・アンプ」
    https://tgr-guitar.com/tube/greco_gva01.html

    きになるおもちゃ「Greco GVA Custom」
    https://toy-love.hatenablog.com/entry/20090201/1233438350

     
     
    Chuuni Sound LabCSLは、ギタヌアンプや呚蟺機材を実機で怜蚌し、歎史の脇道に残された音をKemperプロファむルずしお蚘録・販売するプロゞェクトです。

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