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Photo byyadokari5hiki1

「安全に」が口に馴染むまで

    私には、家族を送り出す時に続けてきた小さな習慣がある。

    それまでは、
    「いってらっしゃい。気をつけて」
    が当たり前だった。

    しかし、友人が教えてくれた話から、言葉を変えている。

    それは、「人は意識を向けた方向へ、引っ張られることがある」という話だった。例えば、自転車などに乗っている時、ぶつかりたくない障害物をジッと見ていると、避けたいはずなのに、そちらへ寄ってしまうことがあるようだ。だから、「気をつけて」と危険に注意を向けず、「安全に」意識を向けることがいいんじゃないかと、友人が話してくれた。

    それを聞いた日から
    「いってらっしゃい。安全に」
    と送り出している。

    コレが、初めは気恥ずかしかった。誰にも聞こえないような、口の中でモゴモゴ言っている程度の声だった。
    だって、安全とは当たり前にあるモノだから。
    そこを意識するのは、バカげているように思えた。
    それでも、友人の説明に深く共感する自分が居る。
    だったら、その共感に従って、無事でいる方向へ言葉を向けようと思った。

    「いってらっしゃい。安全に」

    そう言い続け、10年ぐらいたったように思う。今では社会人に成長した息子達は、出勤にはマイカーを使っている。道ゆく人の耳に入るぐらい「安全に」まで、大きな声で送り出せている。

    ある日、次男と三男が言った。
    「母ちゃんは、運が強いね。」
    「俺たちが、生きるか?死ぬか?の二分の一を、必ず望みどおり取っている」

    とても極端な例えで、笑った。
    でも、真実だと思えた。
    健やかに送り出し、健やかに帰ってくる。
    安全に生きる当たり前は、なんて幸せなんだろう。

    「安全に」の声かけ

    「安全に」が口に馴染んだ頃から、この幸せを多くの方に届けたくなった。
    だから、チュー福光へお越しのお客様が会計をした後、その背中に向けて、こう声をかける事がある。

    「ありがとうございました。どうぞ、ご安全に」

    そう声をかけられた方々は、高い確率で振り返り、笑顔で
    「ありがとう」
    と言ってくださる。

    その笑顔に、私も嬉しくなる。楽しい食事の余韻のまま、どうか帰っていただきたい。

    当たり前に「安全」の中で生きる。
    とても幸せなことだ。

    今日も、どうぞご安全に。

     
     
     
    富山県南砺市 JR城端線福光駅前 昭和41年創業。半世紀超えの町中華 中華菜館チュー福光店2代目です。 厨房、接客、販促、SNS、…100年先に続く町中華であるように、頑張るぞ!今は、生成AIと思考言語化を特訓中です。

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