
カラオケの話①(B'z編)
私は、高校生のときからカラオケが大好きである。当時のお気に入りはB'zで、ひたすらB'zばかりを歌っていた。
しかし、B'zは高音で歌うのが難しいという問題点があった。高音も出なければ歌うのも下手な私は、段々と一人だけでカラオケに行くようになり、好き勝手に歌うようになっていったのである。
今でこそ珍しくもない一人カラオケであるが、当時はやはり異端であった。受付の人からは、毎度、「この子、友達いないのかしら?」という憐れんだ視線を感じたものである。
しかも、客の人数と時間数に応じてのみ料金が発生する仕組みであったため、私は、たった200円でひと部屋を独占し、二時間歌い続けるのが習慣となっていったのだ。
そんなある日、所属していた図書委員会の打ち上げでカラオケに行くというイベントが発生した。私は気乗りしなかったのであるが、図書委員長を務めていたこともあり、参加することにしたのである。仮にもリーダーを務めていながら、こんなスタンスで過ごしていたのである。
さて、当然、カラオケではB'zを歌うことになる。これまでの一人カラオケで上手くなっていればよいのであるが、そんなことはないのである。
私は何を歌うか迷ったのだが、初期のB'zは比較的歌いやすいの法則により、とある曲を選択した。下手でも何でも「ultra soul」を歌えばよかったのであるが、これが私の見栄っ張りなところである。
選択した曲は、「ROSY」という曲である。遠距離恋愛の悲哀を歌うバラードの名曲なのであるが、おそらく、相当なB'z好きじゃないと知らないであろう。
当然、その場にもこの曲を知るものはなく、全く盛り上がらないまま私は歌い終え、マイクを置いた。
それから数カ月後。今度はクラスの打ち上げということで、カラオケに行くことがあった。こちらも、本来の私は参加しないはずなのであるが、不思議とこのときは参加していたのである。
前回の反省から、私はノリが良い曲を選べば良いというところには気づいたのである。つまり、「ultra soul」を歌えばよかったのである。
しかし、選択したのはアルバム収録曲である「TOKYO DEVIL」という曲である。
歌い終わった私に、クラスメイトの一人が、
「中馬君のおかげで、知らない曲を知ることができてよかったよ。」
と、雰囲気を壊さないまま、今回の私の失敗をやんわりと指摘してくれた。
もちろん、そんな指摘の意味に気づくのは大人になってからのことである。私は、今回は成功したと思っていたため、上機嫌であと数曲のマイナー曲を歌い続けたのだ。できることなら、TOKYO DEVILに当時の私を引き裂いてほしい。
そして、それからまた半年後。今度は、彼女(現・妻)との初デートのときの話である。
このときも、カラオケに行ったのであるが、私が一曲目として選んだのは「LADY-GO-ROUND」という曲である。何度もいうが、「ultra soul」を歌えばよかったのである。
この曲もかなり古い曲であり、初期のB'zは歌いやすいの法則と、ノリの良い曲とすべしの教訓が融合したものと思われる。
しかし、この曲は絶対に選んではいけない曲だったのだ。なぜなら、歌詞が初デートには最悪というくらい合っていないからである。
以下に一部引用するので、是非見ていただきたい。
Lady-Go-Round 女はめぐる 人生これ出会い
(Like)Merry-Go-Round 星の数の恋 すぐに見つけるよ
こひしかるべき round,round,round,round,round
わがなみだかな round,round,round,round,round
何を思って、この曲を選んだのか、当時の私にギリギリchopをお見舞いしてやりたいくらいである。
彼女も、まさかこの男とその後20年以上一緒にいることになるとは思わなかったであろう。