
嘘だけど、イタリア旅行に行った話
noteで下書きを作成するとき、入力前の本文中には、「最近やってみたことは?」など様々な提案が表示される。
これらの提案は、記事を作成する上でのヒントになっており、投稿者の背中を押すnoteらしいギミックである。
さて、今回、私が「最近note書いていないし、久しぶりに何か書こうかな」と下書き画面を開いたところ、このような提案がなされたのである。
たのしかった旅行について、書いてみませんか?
私は、旅行なんて最近行けてねーよと思ったが、せっかく提案されたので、全て嘘で書いてみることにした。
念のためお断りしておきたい。
私は、「書いてみませんか?」と言われたので、大変多忙なコーヒータイム中にもかかわらず、重い腰を上げて書いてみることにしたのである。
事実と異なる点がたくさんあると思うが(というか全てそうだが)、私のせいではないので、予めご承知おきいただきたい。
2026年x月x日。
私は、イタリアの地に立っていた。地中海を流れる風が頬に心地よく、照りつける太陽も、日本にいた頃と同じものとは思えないほど、サンサンと私の体に降り注いでいた。
ボンジョルノ・イタリアーノ。
ジャポネーゼから、はるばるやってきたーぜである。
海外経験豊富な読者の中には、「イタリアのどこに行ったのか?」という疑問をお持ちの方もいるかもしれない。
それは、私にもわからない。なにせ、いきなり到着したのであるから。
たぶん、ローマやらナポリあたりを旅行したんだと思う。あと、シチリアにも確かいったはずである。現地で齧ったレモンは、酸味のなかにも仄かな甘味があったことをよく覚えているからだ。品種は確か、「キレート」という名前のレモンであった。
それはともかくとして、なぜイタリアに行くことになったのかを考えたい。いや、思い出したい。
日々の生活に目一杯の私である。当然、イタリア旅行にいくほどのお金はないのである。
しかしながら、最近加入した闇の組織「The Chosen 13」から、「40年近く生きてきたおじさんが、今まで日本から一度も出たことがないのは、社会人経験としてどうなのか。海外で見識を深めてこい。」との指令がきたのである。
資金の出どころは不明であるが、おそらく、同じメンバーの大富豪・M氏からではないかとにらんでいる。
こうして、思わぬ形でイタリアに行くことになった私は、上記の指令目的を果たし、立派なイタおじ(イタリアンおじさん)になるべく、イタリア放浪を開始したのである。
最初にたどり着いた首都・ローマの酒場では、隣の席に座っていたアルマーニ氏とローマ帝国の話で盛り上がった。
アルマーニ氏は、
「俺の国に、カエサルって英雄がいたのは知ってるだろ?やつの親族の女は、すべてユリアって名前なんだ。意味わからないだろ?ハハハ。」
という話を、大げさな身振り手振りとともに陽気にしてくれた。
私は、お礼に彼の両手を握りしめながら、
「日本にきたら、是非サイゼリヤという店に来てほしい。そこには、日本のすべてがある。」
という話を、真剣な眼差しで語ったのである。
熱い友情で結ばれた私たちは、日本での再会を約し、私はローマをあとにしたのである。
次に向かったナポリでは、ナポリタ…ではなく、パスタをいただいた。ナポリタンは日本生まれの食べ物であり、現地にはないのである。危ない危ない。
それはさておき、日本でもパスタは大人気の料理であるが、やはり現地の味とは比較にならなかった。
イタリアの大地と太陽が育てた小麦を食すのである。麺に絡まるオリーブオイルも、地中海の香りに溢れていた。
そして、パスタの上には、その地中海で取れた新鮮なウニとイクラも添えられているのである。まずかろうはずがないのだ。
一口食べるや否や、私は思わず立ち上がり、両の手を何度も叩きながら、
「ボーノ!ボーノ!アケボーノ!!」
と、声を出して称賛したのである。

最後に向かったのが、先述したシチリアである。ここでは、私が所属する組織「The Chosen 13」と、シチリアを本拠地とする「コルレオーネファミリー」との間で、黒い協定を締結したのである。
詳細な内容は、ここではとても語れるものではないが、今後、イタリアを意味する「伊」の字が、「胃」の字に置き換わるようなことがあれば、私の話を思い出していただきたい。全ては、いおろ丸様の御心のままに。
そんなこんなで、あっという間にイタリアを離れる日がやってきた。
私は、この地で成長できたのであろうか。そんな私の心を見透かすように、真実の口が少し微笑んだような気がした。
様々な思い出が頭をよぎる中、「ミラノもイタリアだったかも」ということだけが、心残りであるがやむを得まい。あと、すっかりピザのことも忘れていた。
さらば、イタリア。
また、アドリア海に呼ばれるその日まで。
(完)
いかがであったろうか。
与えられたテーマを、知識もないのに後先考えずに筆を滑らせた結果が、この惨状を招いたのである。
途中、オチのために用意した「イタおじ」を「痛おじ」で〆る伏線も、うっかり使用しないままゴールしてしまった。
これに懲りたら、noteは私への安易な提案をやめるべきなのである。
代わりと言ってはなんだが、「今日投稿してくれたら、300円振り込みますよ?」というような提案であれば、私としてはやぶさかではない。
なお、本旅行の前日譚(?)は以下の記事となるので、併せてご覧いただきたい。
いおろ丸さん、勝手に悪用してすみませんでした🙇