
履歴書の空白期間は、本当に空白だったのか
就職や転職活動で行われる面接。
そして必ず聞かれる経歴の「空白期間」のこと。
聞かれる理由は理解しているつもりだし、必要なのもわかる。面接官も単なる確認で、そんなに深い意味で聞いているわけではないのも想像できる。
でも、私にとってその「空白期間」は、
今日初めて会ったうえに、今後関わっていくかもまだわからない人に気軽に話して消耗されても良いと思えるほど、「空白」の期間ではなかった。
まわりの人より少しだけ早く結婚して、出産した。
ただそれだけのこと。
でも当時の私にとっては、かなりの勇気と覚悟が必要だったし、手放すものや諦めることも多かった。
初めての子育て。楽しいこと悲しいこと、幸せなこと、不安なこと、たくさんの感情を味わった色鮮やかな1年だった。
だから今でも「空白期間」と表現されることに戸惑ってしまう。
履歴書のなかでは、そう表現するしかないのだろう。働いていなかった期間、という意味では間違っていない。
でも私にとっては全然空白じゃない、振り返れば温かな気持ちが蘇る大切な時間だった。
履歴書には、学歴や経歴を書く欄がある。
何年に卒業して、どこで働いて、いつ辞めたのか。
限られたスペースに、人生を整理して並べていく。
そこに入りきらない時間が、人にはたくさんあるのだと思う。
誰かにとっての「空白期間」は、病気だったり、介護だったり、はたまた夢を追いかけた時間だったかもしれない。
何もできずに立ち止まっていた、と感じてしまっても、そのときそこにあった感情まで「空白」になるわけではない。
「空白期間」という言葉そのものが、
真っ白な何もない時間を想像しがちだけれど、
私にとっては全然白くない。
初めて知る感情がたくさん詰まった色鮮やかな時間。