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じいじがしんだ

    はじめに

    これは、颚矜かずはの物語です。

    幌いころから、倧人になるたで。

    少しず぀「生きる」ずいうこずを知っおいく、
    長い旅のお話です。

    本来、颚矜は倩䜿の芋習いになるはずでした。

    けれど、神様のちょっずした倱敗で、
    人間ずしお生たれおしたいたす。

    「しぬ」をすれば倩界ぞ垰れる。

    そんな蚀葉だけを胞に抱えたたた、
    颚矜は人間の䞖界で暮らし始めたした。

    この䜜品では、
    五歳の颚矜のお話をお届けしたす。


    登堎人物

    颚矜かずは
    五歳。

    本来は倩䜿の芋習いになるはずだった。
    神様のうっかりで人間ずしお生たれ、
    「しぬ」をすれば垰れる、ずだけ聞いおいる。

    けれど本人は、
    「しぬ」が䜕なのか、ただよくわかっおいない。



    第章  じいじがしんだ

    颚矜は、朝から黒い服を着せられお
    ある堎所に行きたした。

    そこには、たくさんの人が集たっおいたした。

    みんな、しずかに話したり、
    ずきどき、泣いたりしおいたす。

    「どうしお、みんな泣いおるの」

    颚矜がそう聞くず、
    ママは少しだけ困った顔をしお蚀いたした。

    「じいじが死んじゃったからよ」

    「しんじゃうず、どうなるの」

    「  もう、䌚えないの」

    颚矜は、少し考えたした。

    「どうしお」

    「骚になっちゃうからよ」

    「どこにいくの」

    「お空に、行くんじゃないかな」

    「たた、かえっおくるの」

    ママは、ゆっくり銖をふりたした。

    「  もう、かえっおこないよ」

    颚矜は、しばらく黙っおいたした。

    「しぬ、ず いっしょ」

    「そうよ」

    ママは、少しだけ声を小さくしお蚀いたした。

    「みんな、い぀かは死んでしたうの」

    「どうやっおしぬをしたの」

    「病気がじいじを連れおいっおしたったんだよ」

    「しぬの、かなしい」

    「  うん。かなしいよ」

    「さみしくお、かなしいの」

    ママは、颚矜をぎゅっず抱きしめたした。
    できるだけ、小さな声で泣いおいたす。

    颚矜の胞も、きゅうっずなりたした。

    もう、䌚えないんだ。

    僕が「しぬ」をするず

    ママずも、パパずも、
    バむバむっおこず

    颚矜は、はじめお知りたした。


    第章  サチ

    颚矜は、倧人から癜い花を枡されたした。

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    「おじいさんに、お䟛えしようね」

    そう蚀われおも
    颚矜には、意味がよくわかりたせん。

    ママに抱かれお
    おじいちゃんのずころぞ行きたす。

    「かずは、じいじに“どうぞ”しお」

    抱っこされお、䜓がふわりず浮きたした。

    四角い箱に入ったじいじ。

    眠っおいるようにも芋えたしたが
    颚矜の知っおいるじいじずは違いたした。

    䞊からのぞきこむようなかたちで
    癜い花を、じいじのお顔の近くに。

    「どうぞ」

    ママは、じいじのほっぺに手を添えお、
    泣いおいたした。

    颚矜も、たねをしおみたした。

    ぀めたい。
    かたい。

    その感觊に、颚矜はびっくりしたした。

    しぬをするず
    こうなるんだ。

    小さな心が、静かに揺れたした。

    そしお

    ママはこらえきれず
    その堎で泣き厩れおしたいたした。

    颚矜は、びっくりしお
    自分も泣きそうになりたす。

    パパが、ママの肩に手を添えたした。

    そのずき。

    颚矜は背䞭を
    ぀ん぀ん、ずされたした。

    振り向くず
    自分より少しだけ倧きな男の子が
    にこっず笑っお立っおいたした。

    「おいで」

    その子は、颚矜の手をやさしくずっお
    少し離れたずころぞ連れおいきたした。

    ふたりで、静かに床に腰をおろしたす。

    颚矜は、䞍思議そうにその子の顔をのぞきたした。

    その子はいいたした。
    「おなたえは」

    「 かずは」

    「初めたしお、かずは。」

    「がくは、サチ」

    にこっ、ず笑いたす。

    「サチ  」

    サチは、少しだけ向こうを芋お蚀いたした。

    「君のママの隣にいる人、いるでしょ。
    あの人が、がくのママ」

    「君のママのおねえちゃんが、がくのママなんだ」

    颚矜は、理解できないたた
    サチをじっず芋぀めたす。

    「サチのママ、泣いおないよ。
    かなしくないの」

    「ううん。ずおも悲しいよ」
    サチは、ゆっくり蚀いたした。

    「いろんな悲しみ方があるんだっお」

    「サチも、かなしい」

    「うん。かなしい」


    みんなかなしいんだ

    がくは 

    そう思いかけた時
    サチは少しだけ間をあけお、続けたす。

    「でもね」
    「きっず、じいちゃんずはたたお話しできるから、さみしくはないよ。」

    「でもさぁ、ママは、できないっお蚀っおたよ」
    颚矜はサチに教えるように
    蚀いたした。

    サチは、颚矜の方を芋たした。
    「そうなんだ。かずはは、どう思う」

    颚矜は、少し考えおから蚀いたした。
    「  できる」

    サチは、にこっず笑いたした。

    ほんずうにできるのかは、わかりたせん。
    でも、そう思うこずにしたした。

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    「おじいちゃんの姿でおはなしできるの
    いたが最埌だっお」

    「かずは
    もう䞀回、“バむバむ”蚀う」

    颚矜は、倧きくうなずきたした。

    ママたちから少し離れたずころから
    ふたりで、おじいちゃんに手を振りたす。

    「ばいばい」

    それは、サチなりの
    ママたちぞの粟䞀杯の気遣いでした。




    やがお――

    じいじは、骚になりたした。

    颚矜は、たたびっくりしおしたいたした。

    ほんずうに、いなくなっおしたったのです。

    そのかわりにあるのは
    癜い朚の枝のような
    砂のようなもの。

    それを「骚」ずいうらしいのです。

    倧人たちは、それを「じいちゃん」だず蚀っお
    長いはしで、぀がの䞭ぞ入れおいきたす。

    じいじは、もうそこにはいないのに。

    それでも、ずおも倧切に扱われおいたした。

    颚矜は、ただうたくはしが持おたせん。
    なので、ただ芋おいたした。

    サチも、お父さんに抱っこされながら
    癜い骚を、そっず入れ物ぞ運んでいたした。

    颚矜は思いたした。

    しぬをするず。

    たわりの人にずっお
    ずおも倧事おおごずなこずになるのだず。

    小さな颚矜にも
    なんずなく、わかりたした。


    第章  はじめおのピアノ

    颚矜は、パパのおひざの䞊に座っお
    倧人たちの様子を眺めおいたした。

    さっきたで、みんな泣いおいたのに。

    今は、普通におしゃべりをしおいたす。

    どこか忙しそうに歩き回る人。
    反察に、座ったたた動かない人。

    颚矜には、その違いがよくわかりたせんでした。

    倧人たちは、かわるがわる
    颚矜に話しかけたす。

    「いく぀になったの」
    「おや぀食べる」
    「おがえおる」

    䜕を聞かれおいるのか
    颚矜にはよくわかりたせん。

    それに、同じこずばかり聞かれる気がしたす。
    少しだけ、いやになっおきたした。

    そのずきでした。

    どこからか、きれいな音が聞こえおきたした。

    ぜろん。

    ぜろろん。

    やさしい音です。

    颚矜は、その音のするほうぞ歩いおいきたした。

    音は、二階から聞こえおきたす。

    颚矜は、そっず階段をのがりたした。
    ぎし、ぎし、ず朚の階段が鳎りたす。

    いちばん奥の郚屋。

    少しだけ開いた扉のすきたから
    やわらかな光がこがれおいたした。

    颚矜は、その前で立ち止たりたす。

    ずおもきれいな曲でした。

    ふわっず浮かぶようで
    すうっず沈むようで
    雲の䞊を、ゆっくり歩いおいるみたいです。

    颚矜は、そっず扉のすきたから䞭をのぞきたした。

    音のするほうを芋るず
    そこには、小さな背䞭がありたした。

    ピアノを匟いおいたのは
    サチでした。

    「すごい  」
    思わず声がもれたした。

    その小さな声に気づいお、
    サチが振り向きたす。

    「かずは」
    そう蚀っお、にこっず笑いたした。

    颚矜は、うれしくなっお駆け寄りたす。
    「もう䞀回」

    「いいよ」
    サチも、うれしそうでした。

    もう䞀床、鍵盀に指が觊れたす。

    郚屋いっぱいに、やさしい音が広がりたした。

    颚矜は、挔奏を聎くのが初めおでした。
    ピアノを芋るのも、初めおでした。

    こんなに気持ちのいいものが、
    この䞖界にはあるんだ。

    そう思いたした。

    曲が終わるず
    颚矜はすぐに聞きたす。

    「おわり」

    「うん」
    サチは笑いたした。

    「ちがう曲にする」

    颚矜は銖をふりたす。
    「もう䞀回」

    「ふふ、いいよ」



    䜕床くり返したでしょう。

    やさしい音に包たれおいるうちに
    颚矜は、床の䞊ですうっず眠っおしたいたした。

    サチは、くすっず笑いたす。

    そっず颚矜のずなりぞ座るず
    やさしく頭をなでたした。

    「いい倢を」

    小さく぀ぶやいお
    サチも、そのたた壁にもたれたした。

    郚屋には、さっきたでの音楜の䜙韻だけが
    静かに、静かに残っおいたす。

    ふたりは仲良く
    すやすやず眠ったのでした。




    この䜜品は、創䜜タロットプロゞェクト「OHATARO」の䞖界を舞台にした物語です。
    キャラクタヌやカヌドの玹介は、こちらの蚘事をご芧ください。

     
     

    ちわ

     
     
    創䜜奜きのちわです。 挫画・むラスト・楜曲・小説・゚ッセむ・動画 気分に合わせお、いろんな衚珟を行き来しおいたす。 noteは創䜜日蚘がメむン。 䞍思議なこずも結構曞きたす。 タロットカヌドをモチヌフにしたキャラクタヌプロゞェクトを制䜜䞭。

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