
わたしの住むまちのおすすめの場所
先日、学校の個人懇談で、担任の先生からこどもの学校での様子など話を聞いてきた。
今回は社会の授業で「わたしの住むまちのおすすめの場所」をみんなの前で発表することになったそうだ。
発表までに、みんなで校外学習として、校区エリアを散策し、マップに情報を書き込んでいったりしながら、学校に帰着後、各自おすすめの場所を決め、マップに印をつけ、発表内容をそれぞれ考え、後日、みんなの前で、自分の書き込んだマップを見せながら、みんなにプレゼンするらしかった。
で、先生が言うには、クラス全員37名のうち、うちのこどもだけ、皆と全く異なる発表をしていたらしい。
みんな、それぞれ、「近所のスーパー」や「コンビニ」「大型商業施設」「○○公園」等をあげ、理由は「普段、よく行くお気に入りの場所」「遊具が多いから」「好きなものを買ってもらえるから」等々だったとのこと。
対して、うちのこどもは
「ぼくの住むまちのおすすめの場所は、ぼくの家です!」
と発表したそうだ。
「理由は、ぼくの家は学校まで1分もかからないし、歩いてすぐに○○スーパーや○○スーパー、○○コンビニ、ダイソー、○○○(近所の激安ディスカウントストア)、ドラッグストアもあるし、自転車ですぐイオンやスポーツセンターに行ける、とてもアクセスのいい場所だからです。是非みんな、ぼくの家に遊びに来てください!」
と締めくくったそうだ。
それを聞いて、初め「自分のとこだけ違って、恥ずかしい〜」と思ったが、
担任の先生はとても自慢げにこの話をしてくれた。
「自分の家がおすすめの場所だと言ったコは○○くんが初めてでした!
みんなの前で堂々と発表してましたよ!」
「そうですか…」
「そんなこと言わないで〜恥ずかしい〜」という気持ちと同時に、だんだんと、「彼らしいな〜嬉しいな〜」と言う気持ちにもなっていった。
👦👦👦
わたしは彼が幼稚園の年長のときの出来事を思い出していた。
うちの自宅前は通学路でもあり、毎日多くの小学生が通っていた。
彼は家にいても退屈らしく、外でにぎやかに下校してくる小学生のこどもたちを見に、よくひとりで外に出ていっていた。
自宅前で犬の散歩をしている方や小学生や中学生・高校生たちを呼び止めては、話しかけ、いつの間にか顔見知りのこどもになっていた。
小学生たちのにぎやかな声が聞こえてくると、すぐに
「ちょっと出てくる!」
と言い、走って玄関へ向かっていた。
ベランダから、彼の通行人を呼び止める声と、ワイワイ・ガヤガヤ楽しそうに盛り上がっている様子が見え・聞こえるので、
「コイツの社交性、ヤベェな…スゲェ…」と思いながら、わたしには全くない要素を彼は持っていて、それがすごく嬉しくて誇りに思った。
冬のある日、幼稚園帰宅後、いつものように彼が
「ちょっと、外に出てくる!」
と言い、外に出ていってしまったあと、わたしは家事をしていたら、
彼が突然、知らない小学5年生くらいのお兄ちゃんを連れて、家にやって来た!
彼はそのお兄ちゃんとにこやかに話しながら、
「ママ、ただいま〜!」と言い、そのまま玄関をあがると、玄関あがってすぐの、夫の寝室とわたしとこどもの寝室をドアを開けて紹介し始めた。
「ここはパパの部屋。パパのベッドと机とイスが置いてあるんだよ!」
「ここはぼくとママの寝室。本もいっぱい置いてあるんだよ」
「ここは洗面所とお風呂」
「ここはトイレ」
と、全てのドアを開け、勝手に紹介し始めた!💦
そのお兄ちゃんは、すごくやさしそうないいお兄ちゃんで、おそらく、彼に言われるがまま、ついてきたのだろう。
きっと、「お兄ちゃん!ぼくの自慢の家を見ていって!」とでも言ったのだろう。
寒いので、わたしは上下もこもこのルームウェアを来て、スッピン・ノーブラ姿だったので、突然の来客すぎて、恥ずかしくて死にそうだった💦💦
しかも、冬なので洗濯が中々できず、洗濯物も溜まっており、モリモリに溜まった洗濯かごの洗濯物が出ていたり、捨てる予定のものを廊下の玄関近くに置いていたり、夫の部屋はいつもゴミ屋敷だし←、リビング・和室は彼が床にありとあらゆるおもちゃを散乱させて、とても恥ずかしい状態になっていた。
とても、来客対応できるような家ではなかったのだ!!!💦💦
でも、彼の目には、こんな散らかった家も「自慢の家」に映っているということが、わたしには不思議だった。
彼はそうして、ついにリビングまで案内に来たのだが、わたしは、そのお兄ちゃんに
「こんにちわ!おうちの方には家に行くことを伝えた?大丈夫?!」と引きつった笑顔で確認したが、
彼は「はい、お母さんには言ってきました、大丈夫です」とのことだった。
「はい、わたしは全然大丈夫じゃないです!!!💦💦💦」と内心叫びながら、
もうとりあえず、ブラをつけさせてくれないかな???と思いながら、
「そうなんだね!」
と返した。
そのお兄ちゃんはわたしの様子から、自分は招かれざる客であることを瞬時に察知し、
「お兄ちゃんはそろそろ帰ろうかなぁ〜」
と彼に言った。
「え〜!もう帰るの?!残念!また来てね〜!」と彼は外まで見送っていった…
そのお兄ちゃんが帰ったあと、わたしはこどもに
「もう!○○(こどもの名前)!突然連れてこないでよ!!!」と大声で言った。
「え?何で??」
「だって、ママ、こんな格好だよ?部屋もめっちゃきたないやん!散らかってるし!!こんなんでひと呼べないよ!恥ずかしすぎる!!!ちゃんとキレイに片付けてからがいいし、ママもゆっくり休憩してたりするから、来るなら、事前にママ(家にいるひと)に、今から来ても大丈夫か確認して、いいよってなってからにしてほしい!!」
と言うと、
「ぼくは、このぼくの家をみんなに見せたいんだ!」
と言っていた。
「○○はこの家が好きなの?」
「うん、ぼくはこの家がだいすき!」
「そぉなの?でも、ママは全然好きじゃないな。だって、この家の周り、めっちゃ治安悪いし。犯罪多いし、不審者も多いし、うるさいバイクとか車も多いし、事故もよく起こるし、ママはほんま早く出ていきたいもん!!!」
と言うと、
「えー!でも、ぼくはこの家がだいすきだよ!」
と言った。
「そっかぁ。○○はこんな場所でも、この家がだいすきなんだね。
でも、ママは、突然来られるのは、恥ずかしいし、今度からは、誰かを家に連れてきたいときは、事前に一回家に戻って、ママにいいかどうか確認してからにしてくれる?ママもここに住んでるからね!」
「うん!わかった!」
彼はたとえ、治安が悪く、騒音もひどく、不審者も多いエリアだったとしても、彼にとって、ここは自慢の場所のようだった。
わたしはこんな騒音と治安の悪いエリアからは一刻も早く引っ越して、自然豊かで騒音も気にならない、家々の間隔が適切に空いていて、こどもが自由に遊び回れる田舎へ早く引っ越したいと日々願っている。
彼もここの騒音や治安の悪さは認知している。
このマンションは、夫の実家でもあり、築30年超えのリフォームを一度もしていないマンションだ。
もういろんなところにガタが来ていて、毎年どこかしら不具合が出ている状態で、そんなこの家をわたしは一刻も早く出たいと願っているのを彼は知っている。
それでも、彼にとって、ここが「一番好きな場所」「自慢の場所」であることが、わたしにはずっと不思議だった。
でも、先生の説明を聞いているうちに、わたしはだんだんと、彼はそんな環境の中でも変わらず、ずっと安心して暮らせていたんだということに気がついた。
自分の住む家を愛していて、そんなあたたかい気持ちを持ってくれていたこと。
校舎を出た帰り道は、自分の胸の中があったかくて、自然と笑顔になって腕をいつもより自然と大きめに振りながら、家路についていた🏘