
通学路ですれ違う彼女
高校3年生の時、僕は自転車通学をしていた。
片道約10kmの山道。最初に辛い上り坂を登るか、最後に登るか。その日の気分で道を選んでいた。
ある日、気分転換で初めての道を選んだ。
そこで、彼女に出会った。

彼女は必死に自転車を漕いでいた。長い髪が風になびき、額に光る汗が光り輝き彼女を包んでいた。まるで天使が降臨した様な姿に、僕は目を奪われた。
次の日も、僕は同じ道を選んだ。彼女は昨日と同じように自転車を漕いでいた。
それから毎日、彼女とすれ違うようになった。最初は遠目に眺めるだけだったけれど、次第に目が合うようになった。

ある日、僕は意を決して言った。
「おはよう」
彼女は驚いたように目を見開いた。
翌朝、彼女とすれ違う時、彼女の方から、
「おはよう」
と、少しはにかんだ笑顔で言ってきた。僕も笑顔で「おはよう」と返した。

本作品はフィクションです。登場人物・団体名等はすべて架空のものです。
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