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#noteでBL 「桃色片想い」「旅」「今そこにある危機」

    きさらぎ冬青

    「桃色片想い」「旅」「今、そこにある危機」
    この3つを使った3000〜5000字のブロマンス〜BL小説に、300字程度の「あらすじ」と「小説のジャンル(BLはサブジャンルとし、SFなどの小説の世界観を書いてください)」を添えて、
    2月16日(月)に各々のnoteに投稿してください!
    後日、小説をまとめ記事にさせていただきます!

    「あらすじ」がない場合、小説の書き出しを300字ほどまとめ記事に転載させていただきます。

    もしも「あとがき記事」があれば一緒に投稿していただくと合わせてまとめ記事に引用します!

    今月のお題について

    作品の「あらすじ」300字以内と、「ファンタジー」「SF」などのジャンルをつけてください(BLはサブジャンルとします)
    ・小説のことを詳しく書いた「あとがき」を小説投稿後に作るまとめ記事に載せることが出来ます。
    載せてほしい作家さんは、自分の投稿小説とこの記事を引用してた「あとがき」を1週間以内に作成して投稿してください。
    ・短歌、俳句、詩もOK(複数ある場合は一つの記事にまとめてください)
    ・投稿小説は合わせて2本までとする。
    ・イラスト、漫画、エッセイも可。

    ・決められた日に、自身のnoteでこの記事を引用し、気が向いたら「#noteでBL」タグかをつけて投稿してください。

    企画概要より

    今回の#noteBLも面白そうだな…というのと、久しぶりに連載(Over Rewrite Living Dead…サボってるけど…)関連の何か書きたいなと思ってたのでいい機会。
    子供時代の先生とお父さんの話にします。
    (先生は基本『永遠に片想い』なファザコンなのでな…)
    ーーーーーーーーーーーー
    あらすじ:
    1986年、まだ藤川先生の年齢が一桁の頃。
    そしてお父さんに対して敬意や憧憬以上の感情や欲望が生まれつつも、まだ言語化できずにいた頃。
    恒例の春の連休の二人旅。
    その途中、先生は自分が持つと言い張って預かってた切符を失くしてしまった。
    結局切符は買い直す羽目になり、きれいな景色を見ても、おいしい物を食べても、気持ちはなんとなく萎んだまま。
    優しくされるほど負い目を感じてお父さんとの距離感に迷ってしまう。
    そんな気持ちのまま宿に着いて…。

    『背中の距離』
    ジャンル:ヒューマンドラマ
    ーーーーーーーーーーーー
    人を好きになると、人は嘘つきにならざるを得ないのかもしれない。
    一般的にはどうなのかは知らない。
    でも、少なくともおれは、嘘の中に自分を留めておく必要があった。
    未だ後悔している。

    4月の末、毎年恒例の春の連休の父との二人旅。
    おれはその途中、普段は乗らない特急の指定席、しかもグリーン車に乗れることを知って浮かれていた。何度も切符を見せてくれとせがみ、自分が切符を持つと言い張って預かった。
    そして結局その切符を失くしてしまった。車内に忘れたのか、無意識に仕舞い込んだのか、何処かで落としたのかも思い出せず、結局そのせいで父は駅の改札に申し出て切符を買い直す羽目になった。
    おれは、出札時切符に判を捺して切符を持ち帰るつもりでいたのもあり、悲しいやら申し訳ないやらですっかり楽しかった気持ちが萎んでしまった。
    改札口の雑踏の中で、手続きをする父のトレンチコートの共布のベルトを握って只じっと俯いていた。
    「アキくん、切符買えたで。駅出よか。ほら、駅員さん日付ちゃんと入れてくれはった。東京の判子はないけど」
    また失くすのが怖くて、差し出された切符をおれは受け取ることができなかった。
    それを責めることもなく父は歩き出し、おれはコートのベルトを掴んだまま、後をついて行った。
    春の風が時折、トレンチコートの裾をふわりと持ち上げ、掴んでいたベルトが少し引っぱられる。
    父は歩幅を緩め、振り返って微笑んだ。
    「公園着くまで、桜もってくれたらええなぁ」
    10分やそこらで全部散ってしまう訳ない。父の言い方がおかしくて、おれはつられて笑ってしまった。

    駅でタクシーを拾って、桜の名所まではあっという間だった。
    まだ花の散る気配はなく、空を覆うように咲きそろい、枝は重たそうにたっぷりと花房を抱えているが、強い風に散らされた花びらで堀の水面には所々花筏ができ出来始めていた。
    その景色を納めるべく、父はカメラを取り出し、ファインダーを覗く。おれはその背中を見ていた。
    花冷えの空気に乾いたシャッター音が何度か響くと、振り返って父は手招きした。
    おれに普段は触らせてくれない一眼レフの立派なカメラを持たせると、操作の仕方を教えてくれた。
    預けられたカメラは、ずしりと重い。
    「撮ってみ、結果は現像してのお楽しみや」
    その時、不意に手が触れて、それだけで一瞬息が詰まった。
    父は気づいていない顔をしていて、おれは、それに救われていた。
    何枚か撮ったあと、今度はおれを立たせてカメラを調節して何枚か撮り、それから通りかかった人に声をかけて記念写真のシャッターを切らせた。
    春の薄曇りの空にカメラから乾いた音が響く。
    肩が少しだけ触れていたけど、おれは気づかないふりをした。
    城や植物園を有する園内を一頻り歩いたあと、公園を出て蕎麦屋で食事することになった。
    店の戸を開けると、ふわりと蕎麦湯や出汁のいい匂いがした。店の中は思いの外暖かい。
    案内され席に着くと、父は結露で真っ白くなった眼鏡を外して指で拭いながら言った。
    「アキくん、あったかいもん頼み。寒かったやろ」
    眼鏡を外した父の顔を見るのは久しぶりで、少しだけ落ち着かなかった。
    俯いて目線を落としてお品書きを見る。
    「ぼく、鍋焼きうどんがいい」
    「時季の物がええな、山菜そばにしよかな」
    待っている間、切符を失くしたことを改めて謝った。
    でも父は「失くした〜思ても、そのうちどっかからぴょっと出てくるかもしれんし」と笑って、やはりおれを責めることはしなかった。
    やがて程なくして注文したものが届く。
    土鍋の蓋を取ると、白い湯気が勢いよく立ちのぼり、向こうに座る父の顔が一瞬見えなくなった。
    「ほら、熱いから呑水に取ってな」
    把手がついた小鉢にちゃんと固有名詞があるのをこのとき初めて知った。
    残ったつゆに蕎麦湯を注いで飲むことも、このとき初めて知った。
    父の真似をして、呑水に蕎麦湯を注いでみた。
    香ばしい匂いが立ちのぼり、とろみのある温かいものが喉を心地好く滑っていった。

    その後、駅に戻ってローカル線で近隣の町を往復したりしてまた駅前に戻って、予約してあった旅館に向かった。
    歴史のありそうな古い建物の割に、中はきれいに改装されていて、部屋は小型の反射式の灯油ストーブがあってよく暖められていた。
    食後、父が浴室に行っている間に、気が緩んで寝入ってしまい、目を覚ました頃には布団が敷かれその中に寝かされていた。
    窓際の小さなテーブルと籐の椅子が置かれた空間に明かりが灯り、障子越しに父の影が見えた。
    「お父さん、まだ起きてるの?」
    声をかけると、障子が少し開いた。
    「お、起きたんか。まだ10時前やし、風呂借りてきぃ」
    「…うん…」
    薦められるまま、必要そうなものや寝間着を自分のリュックサックから出し、枕元にあったタオル類を持って、鍵を借りて浴場に向かった。
    幸い浴場には誰もいなかったが、「十時まで」と書かれた札を見てなんとなく焦り、頭だけ洗って早々に戻った。
    部屋に戻ると照明は落とされていて、今度は父が布団で静かに寝息を立てていた。
    こちらに背を向けて眠っているのを見ると、なんとなく遠く感じる。
    布団は隙間なくくっつけて並べてあるし、手を伸ばせば届く距離なのに。
    急に心細くなって、近づいて父の体を揺らす。
    「どしたん?こっちのお布団入るか?」
    普段父は仕事部屋で寝ることが多く、一緒に寝たことが無かったので、只招かれたのが嬉しくて、深く考えず入れてもらった。
    でもそこで、おれは自覚してしまった。
    温もりや、頭や背を撫でる手に、安心や信頼や尊敬とは違う、別の喜びを感じている自分がいることに。
     
    その翌年の春の旅行で、おれは自分の気持ちを抑えることができなくなって、そこから父との関係がギクシャクし始めた。
    更にその翌年には母の妊娠がわかり春の旅行は取り止めになった。
    そして、その年の夏、父はおれを養子に欲しがる母の姉夫婦を説得するため出向いたあと足取りが途絶え、行方不明になった。
    最後に見た姿は窓越しに見た、建物を出て駅に向かう後ろ姿だった。
     
    自分があの気持ちや欲望を自覚しなければ、自分を欺いてそれを押し殺してしまってさえ出来ていれば、おれは父母を失わず済んだのではないかと今も思っている。
    あの背中との間に出来てしまった距離はもう、永久に戻らない。
     
    但、あのとき弘前で撮ってもらった父との記念写真を、パートナーの長谷が警察から返却された押収物の中から発掘して、仕事部屋の壁に飾ってくれた。
    仕事の合間ふと目にする度、なんとなく見守られている気がして奮い起こされる。
    そして、碌に信仰心も無いくせに、あの旅を思い出すたびに、彼岸の父の元はとこしえに満開の桜が咲き、花びらが降っていることを願っている。
    ーーーーーーーーーーーー
    あとがき:
    久しぶりに本編と関連が深い部分を掘り下げたらしんどい😂助けてwwwってなりました!
    即売会の準備と行き来してて情緒が迷子ですw
    しかも微妙に3000にたりなかった…あとがきで補填とさせてください…。

    PDF版折本置いときます( ◜ᴗ◝ )

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    青森はいいとこですよ(祖父が弘前の人です)

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