
pony.ai、L4トラックを欧州・中東へ――BOM70%削減、広汽T9でRobotruck世界展開
[メンバーシップ限定]中国の自動運転企業、小馬智行(pony.ai)が、自動運転トラック「Robotruck」の量産と海外展開を一段加速させる。
pony.aiは2026年9月14日、ドイツ・ハノーバーで開催された国際商用車展示会「IAA Transportation」で、広汽集団傘下の商用車メーカー、広汽領程と共同開発した自動運転レベル4(L4)大型トラックを世界初公開した。
新型車は広汽領程の電動大型トラック「T9」をベースとし、pony.aiの第4世代L4自動運転トラックシステムを搭載する。2026年内に量産を開始し、幹線物流、専用物流、港湾輸送などへ投入する計画である。
しかし、今回の発表でより重要なのは新型車そのものではない。
pony.aiは同時にRobotruckのグローバル戦略を初めて明らかにし、今後2年以内に欧州と中東へ進出する方針を示した。Robotaxiで先行してきた海外展開を、自動運転物流へ横展開する。
さらに第4世代では、自動運転キットのBOM(部品表)コストを前世代比70%削減した。pony.aiはトンキロ当たりの輸送コストについても30%削減できるとしている。
自動運転トラックの競争軸が、「無人で走れるか」から「量産して物流事業として採算を合わせられるか」へ移り始めている。
自動運転キットのBOMを70%削減
今回発表されたT9自動運転大型トラックは、pony.aiの第4世代L4自動運転トラックファミリーの一つである。
車両側には広汽領程の完全冗長化されたバイワイヤ・シャシーを採用。ステアリング、ブレーキ、通信、電源、演算、センサーという6つの主要システムを冗長化し、一部に障害が発生した場合でも安全な運行を継続できる構成とした。自動運転用センサーは、
LiDAR:9基
ミリ波レーダー:3基
カメラ:13基
を搭載し、車両周囲360度をカバーする。
演算系では、pony.aiの第7世代Robotaxiと同じドメインコントローラーを採用した。
ここは今回の発表を見るうえで重要なポイントである。
pony.aiはRobotaxiとRobotruckを完全に独立した技術体系として開発するのではなく、量産世代の演算プラットフォームなどを共有することで、自動運転システム全体のコスト低減を進めている。
その結果、第4世代トラックの自動運転キットのBOMコストは前世代比70%減となった。
L4自動運転の普及を左右するのは、もはやセンサーを何個搭載できるかだけではない。LiDARや演算装置を大量に搭載して技術的に走行できても、車両価格や運行コストが高ければ物流会社は大規模導入できない。
70%という大幅なBOM削減は、pony.aiがRobotruckを実証実験用の特殊車両ではなく、量産商品として成立させようとしていることを示している。
