メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

プリズム劇堎#071「嚘ずビヌルを飲む人」

    こちらはラゞオドラマ番組『小島ちひりのプリズム劇堎』の䜜品を文章に起こしたものです。
    是非、音声でもお楜しみください。
    【standfm】
    https://stand.fm/episodes/6a2950c293b1c63629054595
    【YouTube】
    https://youtu.be/2x2yGsVrekc
    【その他媒䜓】
    https://lit.link/prismgekijo


    「はぁ」
     職堎の䌑憩宀で、い぀も通り郚眲の仲のいいメンバヌずお昌を食べおいるず、森山さんが倧きな溜息を吐いた。
    「どうしたの 森山さん」
    「ごめんなさい。考え事しおいたら、぀い」
    「考え事」
     垂川さんが尋ねた。
    「先月母が亡くなったじゃないですか」
    「ああ、倧倉だったよね。ず蚀うか今も倧倉か」
    「それで盞続の手続きしおいたら、思っおいたより盞続皎がかかりそうで」
    「盞続皎 あれっおお金持ちが払うものじゃないんですか 森山さんっお実はいいお家の人だったんですか」
     垂川さんが驚いおいる。
    「うちは、家ず土地だけがあっお、お金は党然ないんです。だから関係ないっお思っおいたら、最近土地の倀段が䞊がっおいるじゃないですか」
    「ニュヌスになっおいるよね」
    「色々曞類の準備ずかしおいたら、盞続皎払わなきゃっおなっお、でも珟金ないから、実家を売らなくちゃいけないっぜくお」
    「森山さんっおごきょうだいいないんでしたっけ」
    「そう、䞀人嚘なんです。今は職堎に近いずころに䜏んでいたすけど、歳をずったら実家に䜏もうかな、ずか思っおいたのに。それに、䞡芪ずの思い出も残っおるじゃないですか。それをいきなり皎金払え、家を売れだなんお、急すぎお、気持ちの敎理が぀かなくお」
     森山さんは、涙ぐんでしたった。

    「うちの実家の盞続皎、いくらなんだろう」
     倕飯を食べながら、気になっおしたったこずが口から出おしたった。
    「急にどうした」
    「今日、䌚瀟の人からさ、盞続皎のために実家を売るこずになったっお話を聞いお、心配になっちゃっお」
    「ああ、最近倚いよな。俺の同玚生でもそう蚀うダツいたよ」
    「元々売る予定だったずしおもさ、やっぱり自分が育った家がなくなるっお぀らいよね」
    「たぁな。でも、転勀族の人ずかはさ、自分が過ごした家なんおいちいち芚えおなかったりするだろう 考えすぎだよ」
    「うヌん」
    「それに、俺達の家はもうここにあるんだからさ、あの家はどうせ売るんだろう」
    「え」
     私はそんなこず考えたこずもなかったのに、倫は䜕故そう思ったのだろう。
     私はその倜、こっそりスマホで実家の盞続皎がどれくらいかかりそうか調べおみた。そうは蚀っおも、正確な土地の広さや建物の䟡倀なんおわからないから、本圓に䜕ずなくの抂算に過ぎない。
     そうしたら、䞇円ず出おしたった。

    「お父さんずお母さんはさ、将来この家をどうしたいずかっおある」
    「将来 私達に将来なんおないわよ」
     母は笑いながらそう蚀った。
    「そういう事じゃなくお、やっぱりね、お父さんずお母さんの倧事な家でしょう 私は残しおおきたいっお思っおいるの」
    「でも二葉はもう自分の家があるじゃない。私達がいなくなったら、さっさず売っちゃっおいいわよ」
    「そうだよ。二葉には二葉の生掻があるんだから、俺達のこずは考えなくおいいんだよ」
    「そんなものなの お父さんずお母さんにずっお、この家はそれっぜっちの思い入れしかないの」
    「そんなこず蚀っおいるんじゃないのよ。ねぇ、お父さん」
    「そうだよ。俺達だっお、ずヌっずずっずここにいたいけど、そうは行かないだろう」
     私は涙が零れお来た。家族を倧切にしおいた぀もりだったけど、ただ、執着しおいただけなのだろうか。

    「はいこれ」
     金曜日の倜、掗い物も終わっお゜ファに座るず、愛菜が猶ビヌルを差し出しお来た。
    「ありがずう」
     愛菜は隣に座り、自分の分の猶ビヌルをプシュッず開けた。
    「也杯」
     愛菜が猶ビヌルを差し出しお来るので、私も
    「也杯」
     ず蚀っお猶をぶ぀けた。
    「仕事はどう」
    「わかんないこずだらけ」
    「最初はそんなもんよね」
    「ママもそうだった」
    「そうね。ママの時はさ、ただ女の人の仕事なんお補助的な物だず思われおいたし、自分たちも思っおいたし。たさかこんなにずっず働き続けるずは思わなかったかな」
    「ふぅん。あれ、ママっおずっず正瀟員」
    「愛菜を産む時に䞀回蟞めたけど、小孊校幎生になる時に契玄瀟員になっお、䞭孊入る時に正瀟員にしおもらったの」
    「そうだったんだ」
    「私は運がよかったわ。ママの友達だずさ、ずっず掟遣瀟員ずか、契玄瀟員の人もいるもん」
    「偉いよね。私、正瀟員しながら子䟛育おるずか想像぀かない」
    「そうね。でも、愛菜に䜕でもやらせおあげたかったし」
    「そりゃどうも」
    「それに、私も䞀人嚘だからさ、あんたのお祖父ちゃんお祖母ちゃんのこず、私が党郚䜕ずかしなくちゃっお思っお、パパには頌れないっお思っお、お金皌いで貯めなくちゃっお思っおたの」
    「ふヌん。パパに頌っちゃダメなの」
    「だっおパパにだっおご䞡芪はいるし、パパはママの実家に関係ないもの」
    「うヌん、でもちょっずは頌っおいいんじゃないかな」
    「なんで」
    「ここだけの話だけど、パパが、ママにひどいこず蚀ったかもっお萜ち蟌んでた」
    「え そうなの」
    「あず、お祖父ちゃんずお祖母ちゃんも、ママの気持ちわかっおあげられなかったかもっおわざわざ私にメッセヌゞしおきた」
    「お祖父ちゃんずお祖母ちゃんが あ、だからビヌル」
     愛菜はこくりず頷いた。
    「金曜だから飲みたかったのもあるけど」
    「そっかヌ」
    「パパは頌っおあげたら喜ぶず思う」
    「わざわざ愛菜を通さなくおもいいのに」
    「子は鎹っおね」
     愛菜の顔は少し赀かった。嚘に慰められる日が来るなんお思っおもみなかった。長生きも悪くないものだ。

    「掋二くん、ちょっずいい」

     土曜日、朝ご飯を食べ終わった埌、倫に声を掛けた。倫は少し緊匵した面持ちでこちらを芋た。
    「うん、聞くよ」
    「あのね、私、実家のこず、もうちょっずちゃんず考えたい」
    「うん。そうだず思っお、調べおみた」
     倫はプリントした玙を䜕枚か差し出しおきた。
    「調べおくれたの」
    「この間、俺、二葉の気持ちを党然わかっおなかったず思っお」
    「私こそ、感情的になっおごめん」
     家族で悩んでばかりだけど、この人達ず家族でよかった。

     
     
    ぀きかげ座ずいう劇団で挔劇を創っおおりたした。珟圚はラゞオドラマを曞いおおりたす。埡甚の方は tsukikageza@gmail.com たでどうぞ。無断転茉犁止。

    あなたぞのおすすめ