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第6話|40代からの不調は「首」から整える|私はようやく、自分の身体を信頼できるようになった

    この連載を書きながら、
    何度も昔の自分を思い出していました。
    眠れなかった頃のこと。
    首や肩がいつも重かった頃のこと。
    朝から疲れていた頃のこと。
    力を抜きたくても抜けなかった頃のこと。
    そして、
    どうして私の身体はこんななんだろうと、
    身体を責めていた頃のことを。
    私は昔から、
    身体の不調と無縁ではありませんでした。
    高校生の頃には、
    首を痛めました。
    足首を骨折したこともありました。
    膝の半月板の手術も受けました。
    37歳の時には、
    坐骨の手術も経験しました。
    不妊治療に通っていた時期もあります。
    そしてその後、
    頸椎と腰椎の椎間板ヘルニア。
    振り返ると、
    身体に関する出来事はたくさんありました。
    そのたびに私は、
    身体を責めていました。
    どうして私の身体はこうなんだろう。
    どうして思うようにならないのだろう。
    どうして次から次へと不調が起きるのだろう。
    そんなことばかり考えていました。
    今でこそ身体についてお話していますが、
    当時の私は、
    自分の身体をまったく信頼していませんでした。
    身体は敵でした。
    身体は邪魔な存在でした。
    早く治したい。
    元の身体に戻りたい。
    そんなことばかり考えていました。
    でも今は思います。
    身体は、
    私を苦しめるために存在していたのではなかったのだと。
    首は、
    私を困らせるために固くなっていたのではない。
    肩は、
    私を苦しめるために重くなっていたのではない。
    眠れなかった夜も、
    力が抜けなかった身体も、
    何かを伝えようとしていたのかもしれない。
    身体はずっと、
    私を守ろうとしてくれていたのかもしれない。
    そう思えるようになるまで、
    とても長い時間がかかりました。


    私は25年以上、
    たくさんの方の身体に触れてきました。
    その中で何度も感じたことがあります。
    身体は、
    壊そうとしているのではなく、
    守ろうとしていることがある。
    ということです。


    首が固い人。
    肩が重い人。
    眠れない人。
    呼吸が浅い人。
    力が抜けない人。
    そういう方ほど、
    一生懸命生きてきた人が多いのです。


    家族を支えてきた人。
    仕事を頑張ってきた人。
    人に気を遣ってきた人。
    弱音を飲み込んできた人。
    「大丈夫」
    と言い続けてきた人。


    身体は、
    その人が生きてきた時間を覚えているのかもしれません。


    この連載では、
    首を入口に、
    眠りの話もしました。
    呼吸の話もしました。
    力が抜けない身体の話もしました。
    顔が疲れて見える日の話もしました。
    首のこわばりの話もしました。


    一見すると別々の話のようですが、
    私が本当にお伝えしたかったことはひとつです。


    身体は、
    あなたの味方かもしれない。
    ということです。


    首がこる日もあるでしょう。
    肩が重い日もあるでしょう。
    眠れない夜もあるでしょう。
    私にもあります。


    でも今は、
    昔ほど身体を責めなくなりました。


    身体は、
    私を困らせるために存在しているのではない。
    ずっと私を支えてくれていたのだと思うからです。


    若い頃の身体に戻ることが目標ではありません。
    20代の身体を目指すことでもありません。


    呼吸が少し深くなること。
    朝が少し楽になること。
    肩の力が少し抜けること。
    眠れる日が少し増えること。
    鏡の中の自分に、
    少し優しくなれること。


    私は、
    それも立派な変化だと思っています。


    40代からでも遅くありません。
    50代からでも遅くありません。
    60代からでも遅くありません。


    身体との関係は、
    何歳からでも変えていける。
    私はそう信じています。


    だから今日、
    もし首や肩の重さを感じていたら、
    少しだけ手を添えてみてください。
    そして、
    心の中で声をかけてみてください。


    「ここまで、よく頑張ってきたね」


    その言葉から、
    身体との関係は少しずつ変わっていくのかもしれません。


    首も。
    肩も。
    呼吸も。
    今日まで、
    ずっとあなたを支えてきてくれました。

    首から、やさしく。

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