命がけのハンバーグづくり
月に二回くらいハンバーグをつくる。それは子どもたちが大好きだからで、そしてつくる行程自体は簡単だからである。ぼくがつくるハンバーグはトマトソースを使ったイタリアンハンバーグが多い。以前缶詰のデミグラスソースを赤ワインで割って使ったこともあったが、それでも出来合いのソースは味が濃くてあまり好きになれなかった。
ぼくにとってハンバーグづくりは命がけである。なにが命がけかと言えばこうである。
冷蔵庫から取り出したひき肉をボウルでこねる。このときキンキンに冷えたひき肉がぼくの指先の体温を根こそぎもっていくのだ。おかげでぼくの手は冷たすぎるほどに冷え切って、それは痛いくらいだ。そこで心臓がこりゃあかんとばかりにドクンドクンと心拍数を上げて温まった血液を末端に送りこもうとするのだ。
今日もボウルでひき肉をこねていたら、ああ来た来た。指先が氷のようにかじかんで、ドクンドクンドクン。ぼくはこねる手を休めてハアハアする。
そういうことはないかと妻に聞いたらないという。これはぼくだけの特性なのかしらんと思うがみんなはいかがでしょう。ちなみにだったらひき肉を冷蔵庫から出しておいてぬるめておけばいいじゃないかと思うかもしれないが、そうすると脂がダレていけないのである。脂が溶けるのでひき肉は冷たいところでこねないといけない。
これはハンバーグに限らず餃子の種を練るときも同じである。やっぱり心臓バクバクバク。指先が痛いくらいに冷たくなって、心拍数が上がりまくって、それでもぼくはひき肉をこねるのであった。だって子どもたちが喜んでくれるんだから。

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