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Photo byryotatanaka

クマが消える前に

    久々に会ったあなたの目元に深く、そしてくっきりと深くクマができていた。
    こんなところにホクロはあっただろうか。


    私たちを取り巻く、日常というヒヤリとしたこの空気は、疲弊と高揚を往復し、感情を麻痺させる。
    いつしか、その麻痺に病みつきとなり、指の先まで痺れてしまう。

    私たちは東京タワーに強く惹かれる。
    それは、全身に通うこの血が、肉体が、痺れた身体から解放されたいという生の叫びが、赤い光を求めているからである。

    あなたを抱きしめる頬の熱さが、汗で湿った手のひらが、カサカサした指先が、少し奮発した化粧品の香りが、きっとあなたを支配する。


    冷たい空気が、鼻をツンと刺す。
    あなたへの愛は、祈りなのかそれとも毒か。思いの正体を知らないまま、繋がれることのない手の温もりに思いを馳せる。また手を伸ばす。

     
     
    磯の香りが優しい町で、ひっそりと執筆をしています🌿 不登校/高卒認定/臨床心理士/指定難病→現在はハンドメイドと執筆✏️ 大変な毎日だけど、今日も生きています☺️ マガジン「境界を溶かす、私になる」では境界を引けない生きづらさを書いています。どうぞよろしくお願いいたします。

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