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はじめお文孊賞を受賞したずきの話──曞くこずが、もう䞀床動き出した日

    曞くこずから離れおいた私が、図曞通の貌り玙で、もう䞀床動き出した──。


    私は、か぀お趣味で、仲間内のラゞオドラマの脚本を曞いおいた。
    あれは、もう䜕十幎も前のこず。


    それから長い間、「曞く」こずからは離れおいたけれど、心のどこかでずっず、なにかを曞きたい──そんな気持ちは、静かにくすぶっおいた。

    けれど䞀䜓、私は䜕を曞けばいいのか、たったくわからなかった。

    たたに、ブログに日々の印象を綎るこずはあった。

    読んだ本のこず、感じたこず、䜕気ない日垞。

    でもそれは「小説」ずはたったく違うもので、もう、「䜜品」を曞こうず思うこずは、なかった。

    そんなある日のこず。
    忘れもしない、9月20日。

    図曞通に立ち寄った私は、ふず目に留たった貌り玙に足を止めた。
    それは、私の䜏む垂で開催される文孊賞の案内だった。

    小説、児童文孊、短歌、俳句、詩──。
    5぀の郚門で䜜品を募り、最優秀者には賞金も出るらしい。

    「  小説郚門、原皿甚玙50枚か」

    䞀瞬、「曞いおみようかな」ずいう思いが頭をよぎったものの、締め切りは9月30日。

    あず10日もなかった。

    無理だ、ずすぐにあきらめた。

    でも、䞍思議なこずに、それから日が経぀に぀れお、胞の奥からムズムズず䜕かが湧いおきた。

    劙な熱、ずでもいうか。

    あの貌り玙が私の䞭でき぀く締めおあった蓋をどうやら緩めおしたったようだ。

    物語を曞くこずは、昔から奜きだった。

    でも、ファンタゞヌや架空の䞖界を描いおきた私には、“日垞”を題材にした小説は遠い存圚のように思えた。

    「垂の文孊賞に出すような、珟実に根ざした小説は、別の才胜が必芁だ」ず思い蟌んでいたずころがあった。

    でも、そのずき、ふずブログで評刀が良かったある蚘事のこずを思い出した。

    それは、寒い3月、電話するために停車しおいた私の車に自転車ごず突っ蟌んできおしたった女子高生がいた。
    事故を起こしおしたっお、怯えたように自分を責め぀づける圌女の姿が、か぀おの自分ず重なっお、胞に残っおいた。


    実話だったが、ブログに茉せるず、たちたち読んだ人たちから「むむネ」が付き、「感動した」「泣けた」ず蚀っおもらえた。

    「あの話を、小説にしおみたらどうだろう」

    頭の䞭で䜕かが動き出す。

    気づけば、私の心の蓋はすっかりはずれおいた。

    そしお、曞き始めたのは、9月25日。
    締め切りたで1週間を切っおいた。

    フルタむムの仕事に、家事に远われる日々。
    悩んでいる時間はなかった。

    プロットをざっくり立おお、ずにかく曞く、曞く、曞く。

    深倜、睡眠時間を削っお原皿甚玙30枚ほど曞き䞊げ、仕事ぞ向かった。

    倜、垰宅埌に家事を枈たせおから読み返し、少しず぀肉付けし、そぎ萜ずしおいく。

    そんな日々を3日ほど繰り返し、なんずか50枚が完成した。

    掚敲する時間は、ほずんどなかった。

    それでも、「もう出そう」ず思えた。

    そしお締め切りの9月30日。23時にメヌルで原皿を送信した。

    この時点で、私が小説を曞いおいるこずを知っおいたのは、䌚瀟の同期の友人ただ䞀人。

    家族にも、他の友人たちにも、誰にも蚀っおいなかった。

    理由はひず぀。
    小説を曞くなんお、理解しおもらえそうもなかったから、だ。

    「小説曞いお、どうするの」

    そんな質問をされたら  

    圓時の私は反論する術もなく
    「そ、そうだよね。意味ないよね」
    ず唇を噛んでいたにちがいない。

    唯䞀、同期の友人Yちゃんは、ずっおもポゞティブでどんなチャレンゞでも応揎しおくれお心が倧海のように広い人なので、昔曞いた物語などをこっそり読んでもらっおいた。

    だから──

    翌幎1月、「䜳䜜に遞ばれたした」ず連絡が来たずき。

    驚いたのは、私自身だけじゃなかった。
    家族も、友人も、䌚瀟の人たちも、みんなが口をそろえお蚀った。

    「え 小説曞いおたの しかも、文孊賞に出しおたの」

    高校の同玚生なんお、私が理系出身なのを知っおいるから、
    「だっおあなた、理系だったじゃない!?」
    ず3回も繰り返しお、「unbelievable!!」ず叫んでしばらく信じおもらえなかった。

    この文孊賞では、本賞ず䜳䜜を受賞した䜜品が、垂の぀くる文孊賞の本に掲茉される。
    そのこずを知るず、家族も、䌚瀟の人も、友人も、こぞっお「その本、読みたい」ず蚀い出した。

    「玠人が、たぐれで䜳䜜を獲った小説」──きっず、そんな興味だったのだろう。
    気恥ずかしさもあったけれど、本は賌入できるため、止めるこずもできなかった。

    たさか、そんなふうにたくさんの人に読んでもらえるずは思っおいなかった。

    しかも、読んだ人たちからは、思っおいた以䞊にたくさんの感想が届いた。

    「感動した」「泣いた」「すばらしかった」──そんな声が、次々ず寄せられた。

    半分はお䞖蟞かもしれない。
    けれど、ファンタゞヌではなく、日垞を静かに描いた物語が評䟡されたこずは、私にずっお、䜕よりも倧きな自信になった。


    このずきの受賞が、私のなかにあった「もう䞀床、曞いおもいいのかな」ずいう思いに、小さな火を灯しおくれた。

    その「火」は、メラメラ燃え䞊がるような炎ではなかった。

    也いた藁わらや、かき集めた焚き付けの䞊に、
    そっず眮かれたチャヌクロス──


    そんな、息をひそめお芋守りたくなるほど、かすかな「火」だった。

    「すごいねヌ。たぐれだねヌ」ず呚囲から蚀われ、なにより私自身がそう思っおいた。

    けれど、この受賞をきっかけに、
    私は「小説家」ずしおの道を玆䜙曲折ののち、歩みはじめるこずになる。

    そしお今も、私は曞いおいる。
    あのずきの締め切りが、たしかに私の背䞭を抌しおくれたから。


    最埌に

    小説に限らず、「曞くこず」に぀いおのマガゞンを始めるこずにしたした。
    この蚘事が、その蚘念すべき第1䜜目です。

    このマガゞンでは、小説を曞きたいず思っおいる人、
    か぀お䜕かを曞いおいた人、
    そしお、心のどこかで「もう䞀床」ず願っおいるすべおの人に向けお、
    私の蚀葉を届けおいきたす。

    もし、あなたの䞭にも眠っおいる「曞きたい」があるのなら──
    それは、い぀かきっず目を芚たしたす。

    どうか、安心しおください。
    その想いが動き出す日を、私は知っおいたす。


    プロフィヌル蚘事はこちらになりたす


     
     
    䌚瀟員ずしお働きながら小説を曞いおいたす。 地方文孊賞で3床受賞。某文孊賞最終遞考通過 著曞『詩のような物語 十二か月』Kindle・玙曞籍で発売䞭📖 日垞の小さな光や、蚀葉にならない想いを物語に。 本・映画・文房具特にロルバヌンが奜き。 心にそっず灯がずもる物語を届けたい🌿

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