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短編小説|花びらを/シロクマ文芸部/詩のような物語

    紫葉柚月(しば ゆづき)

    花びらを、指先で受けとめた。
    まだ地面に落ちたばかりの、
    やわらかな重さ。

    それは、終わったもののはずなのに、
    どこか、始まりの匂いがした。

    枝を離れる瞬間、
    ためらいはあっただろうか。

    しがみつくことよりも、
    静かに離れることのほうが、
    潔(いさぎよ)いのかもしれない。

    風が通り過ぎる。
    花びらは、抗わない。

    私の胸の奥で、
    ほどけずにいた言葉が
    ひとつ、揺れる。

    別れは、負けじゃない。
    手放すことは、消えることじゃない。

    小さな白は、
    何も語らずに、
    けれど確かに、背中を押している。


    シロクマ文芸部に参加させていただいています。
    小牧部長さま、いつもありがとうございます!
    今回のお題

    「花びらを」から始まる文芸作品です。


    【詩のような物語】という、小さな物語たちを紡いでいます。
    もし、今日の物語が、あなたの心にふれていたら
    ──それだけで、うれしいです。ありがとうございます。
    これからも、日々の光や影を、そっと言葉にしていきます。
    🌸【詩のような物語】🌸
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    会社員として働きながら小説を書いています。 地方文学賞で3度受賞。某文学賞最終選考通過 著書『詩のような物語 十二か月』Kindle・紙書籍で発売中📖 日常の小さな光や、言葉にならない想いを物語に。 本・映画・文房具(特にロルバーン)が好き。 心にそっと灯がともる物語を届けたい🌿

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