【Claude Code × Blender】特別支援学校の生徒が、画面操作で3D作図できるツールへ
特別支援学校の生徒の卒後の進路を、少しでも広げられないか。
その実験として進めているのが、Claude CodeとBlenderを使った「かんたん作図ツール」である。
建築、内装、不動産、CAD、3D制作といった分野は、専門的な知識やソフトの操作が必要になる。興味があっても、最初の操作段階で難しさを感じ、諦めてしまう生徒も少なくない。
そこで目指しているのが、Blenderを直接操作しなくても、画面で項目を選び、ボタンを押すだけで3D画像を作れる仕組みである。
これまではClaude Codeとのチャットで作図していた
これまでの作図は、Claude Codeの画面上でチャットをしながら進めてきた。
「相談室を作る」
「椅子を4脚にする」
「床を木目にする」
「欧州風のマンションにする」
「階数を増やす」
このような指示をClaude Codeに伝え、PythonコードやJSON設定を修正し、Blenderを実行して画像を生成していた。
自然な言葉で内容を伝えられるため、プログラミングだけで作るよりも、かなり作業しやすい。
一方で、生徒が実際に使うことを考えると、毎回チャットで細かな指示を出す方法には難しさもある。
言葉で希望を説明する力が必要になる。
生成されたコードやエラーを確認する必要もある。
Blenderの実行結果が出るまでの流れも理解しなければならない。
作図を体験する前に、操作の説明だけで負担が大きくなる可能性がある。
そこで、次の段階へ進むことにした。
ローカルホスト上の画面操作に移行
今回、ブラウザから操作できる「かんたん作図ツール」の初期版を作った。
パソコン上でローカルサーバーを起動し、ブラウザから専用画面を開く。
生徒が操作するのは、Blenderではない。
Pythonコードでもない。
ブラウザ上の選択画面だけである。
現在は、大きく「外観をつくる」と「内装をつくる」の2つに分けている。
外観では、マンションや一戸建てを選ぶ。
内装では、相談室などの部屋を選ぶ。
マンションでは、階数や鎧戸の色を選択できる。相談室では、部屋の広さ、椅子の数、壁や床の色、照明、植物、書類などを画面から指定できる。
設定後に作図ボタンを押すと、画面の裏側で設定ファイルが書き換えられ、Blenderが自動的に起動する。
画像が完成すると、ブラウザ上にPNG画像が表示される。
利用者からはBlenderが見えない。
難しい3Dソフトを操作するのではなく、画面で選んだ内容が3D画像になる。
今回、ようやくその初期段階に入った。
「画面で選ぶ」ことから作図を始める
このツールで重要なのは、高機能な3Dソフトを作ることではない。
最初から自由に何でも作れるようにすると、画面が複雑になる。設定項目が増えすぎれば、結局は専門ソフトと同じように操作が難しくなる。
まずは、選択肢を絞る。
建物の種類を選ぶ。
階数を選ぶ。
色を選ぶ。
家具の数を選ぶ。
必要な設備を選ぶ。
この程度の操作から始める。
生徒が画面で選び、完成した画像を見る。
その後で、
「もっと窓を増やしたい」
「椅子の配置を変えたい」
「別の色にしたい」
「違う建物も作りたい」
という希望が出てくればよい。
最初から作図技術を教えるのではなく、まず自分が考えたものが画像になる体験を作る。
その体験が、CADや建築、内装、3D制作に興味を持つきっかけになると考えている。


今後は、さらに細かな設定へ
現在のツールは、まだ初期段階である。
マンションは階数や一部の色を変更できるが、一戸建てはまだ設定項目が少ない。内装も相談室が中心で、リビングや会議室は今後追加する予定である。
これからは、さらに細かく設定できるようにしていく。
一戸建てであれば、屋根の形、外壁、窓、玄関、庭、駐車場などを選べるようにする。
内装であれば、リビング、会議室、事務室、面談室、福祉施設の居室など、部屋の種類を増やす。
家具の種類や配置、床材、壁紙、照明、植物、収納なども選択できるようにしたい。
ただし、設定項目を増やすだけでは使いにくくなる。
生徒が迷わず操作できること。
完成までの流れが分かりやすいこと。
失敗しても簡単にやり直せること。
この3点は維持する必要がある。
作った画像を卒後の武器にする
この実験は、単なる3D画像生成ツールの開発ではない。
完成した画像は、生徒自身のデジタルポートフォリオにもなる。
自分で選択した色や形、配置を画像として残す。複数の作品を作れば、どのような空間や建物を考えたのかを、実習先や企業に見せることもできる。
将来的には、不動産会社や建築会社から簡単なパース制作を受け、就労継続支援A型・B型事業所などが作図業務を担う形も考えられる。
複雑な設計業務ではなくても、外観や内装のイメージ画像、提案用のたたき台、色違いの比較画像など、仕事として成立する可能性はある。
生徒が学校でツールに触れる。
作品を作る。
実習先で同じような業務を体験する。
卒業後の仕事につながる。
そこまでつなげることが、この実験の最終的な目的である。
チャットで作る段階から、誰でも操作できる段階へ
これまでは、Claude Codeとのチャットを通して、3D作図の可能性を検証してきた。
今回からは、その仕組みをブラウザ画面に移し、誰でも操作しやすい形に変えていく段階に入った。
Claude Codeは、開発者とAIが相談しながらツールを作るために使う。
生徒は、完成した画面から作図する。
Blenderは、その裏側で画像を作る。
それぞれの役割を分けることで、専門的な技術を表に出さず、作る体験だけを生徒に届けられる。
まだ完成ではない。
しかし、チャットで作図していた段階から、画面を操作して作図する段階へ進んだ。
この一歩は大きい。
今後は、設定項目や作図タイプを増やしながら、特別支援学校の生徒が自分の作品を作り、卒後の仕事や進路につなげられるツールへ育てていきたい。
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