Claude×Blenderで3Dをテクスチャ化。AI×3Dは「形を作る」から「質感を伝える」段階へ進んだ
Claude Code × Blenderの実験を続けている。
最初の目的は、単に3Dモデルを作ることではなかった。高校生や特別高等支援学校の生徒が、CAD、建築、内装、不動産、福祉施設の空間設計といった世界に興味を持つ入口を作れないか。そこが出発点だった。
自然文で「相談室を作りたい」と書く。
それをJSONに変換する。
PythonでBlenderを動かす。
PNG画像と.blendファイルとして保存する。
この流れができれば、専門ソフトを最初から全部覚えなくても、「空間を考える」ことに参加できる。
ここまでは、いわば骨組み作りだった。
相談室、一戸建て、マンション、ゆるキャラ、3Dプリント小物。いくつかのサンプルを作る中で、Claude×Blenderの可能性はかなり見えてきた。自然文から3Dシーンを作ること自体は、十分に現実的だった。
ただし、次の課題もはっきりした。
形だけでは、まだ弱い。
椅子、机、床、壁、建物、道路、芝生。配置はできている。構造も分かる。しかし、画像として見たときに「それらしく見えるか」「用途が伝わるか」「素材の違いが分かるか」と言われると、まだ足りない。
そこで今回取り組んだのが、テクスチャ化である。
相談室は、色と質感で一気に見やすくなった
まずは相談室のv2を作った。
以前の相談室は、床、テーブル、椅子、ラグの色が近く、全体がオレンジブラウン系に寄っていた。落ち着いた部屋ではあるが、画像として見ると、形の違いが分かりにくい。
そこで床に木目のNoiseを入れ、壁には微細な凹凸を加え、椅子のクッションにはファブリック感を出した。
さらに、椅子はグレーブルー、テーブルは濃いウォールナット、ラグはモスグリーンに変更した。
これだけで、部屋の印象はかなり変わる。
3D制作では、つい「同系色でまとめると上品」と考えがちだ。しかし、画面上では同系色が重なりすぎると、立体感が消える。特に教育用、説明用、提案用の画像では、見た瞬間に何がどこにあるか分かることが重要になる。
今回の相談室v2で分かったのは、テクスチャとは単なる飾りではないということだ。
素材の違いを伝える。
空間の役割を伝える。
視線の流れを作る。
これがテクスチャの役割だった。

マンションv2では、素材の作成順序が重要だった
次にマンションv2を作った。
外壁にはBrick Texture、バルコニーや柱にはNoiseコンクリート、地面には芝、道路にはアスファルトの質感を入れた。
ここで重要なバグにも遭遇した。
Blenderでは、シーンをクリアする前にマテリアルを作ってしまうと、その後の削除処理でマテリアルが消えることがある。つまり、先にマテリアルを作ってからオブジェクトを消すと、参照されていない素材として消えてしまう。
正しい順番は、先にシーンをクリアし、その後にマテリアルを作ること。
これは地味だが、かなり重要な発見だった。
AIにコードを書かせると、見た目の生成までは進む。しかし、Blender特有の順序や内部仕様までは、毎回きれいに処理してくれるわけではない。だからこそ、実行して、エラーを見て、直して、引き継ぎ書に残す必要がある。
AI×3Dは、プロンプトだけで完結する魔法ではない。
むしろ、自然文、JSON、Python、Blenderの間にあるズレを、人間が整理していく作業に近い。
欧州風マンションで、AI×3Dの見え方が変わった
今回のメイン成果は、欧州風マンションだった。

パリ・オスマン様式を意識し、石灰岩のファサード、マンサード屋根、ドーマー窓、縦長アーチ窓、深緑の鎧戸、錬鉄バルコニー、アーチ型玄関、石畳、整形ポプラを入れた。
ここで一番効いたのは、鎧戸の深緑だった。
石造建築は、放っておくと全体がクリーム色やグレー系に寄りやすい。上品ではあるが、単調にも見える。そこに深緑の鎧戸を入れると、一気に欧州風の印象が出る。
これは面白かった。
建物の形を作るだけなら、マンションであることは伝わる。
しかし、鎧戸、屋根、窓枠、外構まで入れると、「どんな文化圏の建物か」まで伝わり始める。
AI×3Dが面白いのはここだ。
単に立方体を並べるだけではない。素材、色、構造、装飾を組み合わせることで、「意味のある空間」に近づいていく。
今回の欧州風マンションは、AUL AI×3Dの方向性をかなり分かりやすく示してくれた。
これは、3D作品を作る実験ではなく、空間を説明するための実験である。
AI×3Dは、教材にも業務資料にもなる
この取り組みは、教育だけに閉じない。
もちろん、高校生や特別高等支援学校の生徒にとっては、CADや建築、インテリア、3D制作への入口になる。最初から複雑な設計ソフトを覚えなくても、自然文から空間を作り、画像で確認できる。
「自分が考えた部屋が形になる」
この体験は大きい。
一方で、福祉施設や介護施設、医療機関、不動産、建築、内装の現場でも使い道がある。
たとえば、相談室のレイアウト案。
面談室の雰囲気づくり。
モデルルームのたたき台。
施設改修前のイメージ共有。
家族説明用の空間イメージ。
これらは、完璧な建築図面である必要はない。むしろ、最初の段階では「関係者が同じイメージを持てること」の方が重要になる。
その意味で、AI×3Dは完成品を作る道具というより、会話を始めるための道具に近い。
「見せる作品」から「伝わる作品」へ
これまでのClaude×Blender実験では、自然文から3Dを作る流れを確認してきた。
そして今回、テクスチャ化によって一段進んだ。
床が木に見える。
壁に質感がある。
椅子が布に見える。
道路がアスファルトに見える。
建物が石造に見える。
鎧戸の緑で欧州感が出る。
これらは小さな変化に見えるが、画像としての説得力は大きく変わる。
3Dは、形だけでは伝わらない。
質感が入って、初めて用途や雰囲気が伝わる。
今回の作業で、AUL AI×3Dは「3Dを作れるか」という段階から、「3Dで何を伝えるか」という段階に入った。
次に試したいことも見えている。
ゆるキャラのテクスチャ化。
3Dプリント小物のPLA質感。
相談室の複数アングル。
欧州マンションの夜景バージョン。
特に夜景は面白そうだ。窓にEmissionを入れ、街灯を発光させれば、建物の印象はさらに変わる。昼の建築パースとは違う、物語性のある画像になるはずだ。
AI×3Dは、まだ実験段階だ。
ただ、少なくとも今回分かったことがある。
自然文から3Dを作るだけでは終わらない。
質感を加えることで、空間は説明資料になる。
色を調整することで、見やすさが変わる。
素材を設計することで、世界観が伝わる。
Claude×Blenderは、単なる技術遊びではない。
高校生がCADに憧れる入口にもなる。
福祉施設の空間提案にもなる。
建築や内装のたたき台にもなる。
そして、AIを使って「考えた空間を見える形にする」ための、新しい制作パイプラインにもなる。
形を作る段階から、質感を伝える段階へ。
AUL AI×3Dは、ここからもう一段、実用に近づいていく。
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