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Photo byforgiveness1

『今日はどっちの家に帰る?』が普通になる街

    これは、あり得るかもしれない未来のおとぎ話。

    昔、家は家族でひとつ持つものだった。

    けれど、地方のある町では、少しずつ暮らし方が変わっていった。

    車があれば困らないその町には、古い家がたくさん余っていた。都会から見れば不便なので、家はずいぶん安かった。

    最初に買ったのは、少し変わった人たちだった。

    仕事をするための家。
    駅に近いだけの家。
    あえて近所に二軒持つ家。

    やがて、空き家は少しずつ減っていった。

    でも、家族がばらばらになったわけではない。
    ひとつの家に、全部を入れなくなっただけだった。

    その町の子どもたちは、いつの間にか、それを変だと思わなくなっていた。

    休日、買い物帰りの母親が車の鍵を鳴らす。

    子どもは後ろのドアに手をかけながら、なんでもないことのように聞く。

    「ねえママ、今日はどっちの家に帰るの?」


     
     

    たた

     
     
    暮らしをヒントに、当たり前とされる認知を少しずらし、その背後にある構造や違和感を問い直しています。 趣味です。

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