
レシートがいらない宝物 #シロクマ文芸部
(約400字)
レシートに生活が詰まっている
人生 つんだ私にも、
夢に向かって 歩き出したあの子にも、
見知らぬ 実直なあなたにも、
いつかの くしゃくしゃになった買い物の証には、たしかな消費活動のアト
足跡のちっぽけな紙に、
腹を満たすもの以外の名前が 並んでほしい
たとえば
マジックインキ、
リボン、
数日で使い終わる化粧品、
虫かご、
花火セット ・・・そんなのがいい
毎日おんなじコッペパンを買う 誰かには、
特別な日に、「かぼちゃケーキ」の印字があったらいい
わたしの特別な日には、
ナイショのご馳走が 白い紙に 刻まれる
むかし もらった宝物は、
レシートがいらなかった
ただで お店で もらえるモノ
たいせつな人からもらった宝物は、
何度も重ねた引っ越しで
とうとう失くなったけれど、
もらったときの風の音も、
季節に合わない温度も、
優しい表情も、
ずっとずっと忘れない
レシートに印字されない思い出は、レシートにして取っておきたかった
あなたの表情を永遠に 忘れないように
※「レシート」からはじめる記事
ジャンルは小説・詩歌・エッセイなど何でもOK
締切は4/22(水)23:59
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