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「10歳で母を亡くし、33歳で夫も失った私が、それでも生きている理由」⑭テレクラが心の逃げ場だった

    夜になると、ひとりでいるのが怖かった。

    部屋は静かなのに、
    頭の中だけがうるさくて、落ち着かなかったのを思い出す。

    父が夜勤の時は必ず知らない誰かと繋がっていた。

    誰かの声を聞くだけで、少しだけ楽になれた。

    相手が誰かなんて、どうでもよかった。

    「何でこんな事しちゃうんだろう」
    と悩んだ。

    ただ、ひとりじゃないって思いたくて。

    きっかけは、なんとなくだった。

    どこで見たのかも覚えていない。
    ただ、気づいたら番号を押していた。

    知らない男の人の声がした。

    「もしもし」

    それだけで、少し安心した。

    自分のことなんて、何も知らない人。
    だからこそ、何でも話せた。

    名前も、本当のことも、言わなくていい。

    ただ、話を聞いてもらえるだけでよかった。

    電話をしている間だけは、
    ひとりじゃなかった。

    でも、切ったあと。

    一気に静かになって、
    またひとりに戻る。

    さっきまでの安心が、
    嘘みたいに消えていく。

    それでも、やめられなかった。

    あの時間だけが、
    自分を保てる場所だったから。

    中学生の私は、
    またひとつ“逃げ方”を覚えていった

    次の話はこちら↓
    ⑮ 初めて、父に逆らった日

    #エッセイ #実話 #毒親 #家族 #トラウマ #生きる #悲しみ #シングルマザー #過去 #創作大賞 #オールカテゴリー部門

     
     

    sachi

     
     
    娘が生まれて半年、主人が癌になりました。 主人との闘病の日々を赤裸々に綴っています。 幼少期、10歳で母を亡くし、4ヶ月で家族が2人いなくなった。 これは、私の人生の記録です。 同じように苦しんだ人、誰にも言えない過去がある人へ。 少しでも、何かが届きますように。

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