メインコンテンツへスキップ
見出し画像

第2章⑥手術は無事終了。その直後に起きたこと

    目が覚めた主人の元に、医師と看護師が術後の様子を見に来た。
    その瞬間、主人の医者を見る顔つきが急に変わった。

    「手術は終わったんでしょ?」
    「はい、無事に終わりましたよ」
    「じゃあ、手術の傷見せてよ」

    人が変わったみたいに、強い口調の主人がいた。

    すごく怖かった。

    ベッドから起き上がろうとする主人を、医者と看護師さんたちが上から押さえつける。

    大きな声に驚いて、娘がギャァギャァ泣き出してしまった。

    その声を聞いて、ナースステーションから応援の看護師さんも来て、大変なことになってしまった。

    私は泣いている娘をあやしながら、

    「すみません、ごめんなさい」

    そう言うことしかできなかった。

    30分ほどすると落ち着いて、主人は穏やかないつもの主人に戻った。

    心の底からホッとした。

    どうやら術後は、麻酔の影響で一時的に攻撃的になったり、興奮したような状態になることがあるらしい。

    特に全身麻酔のあとに起こることがあり、「覚醒時興奮(かくせいじこうふん)」と呼ばれることもあると説明を受けた。

    一時的なものだと聞いて、すごく安心した。

    少しして、眠った主人の横で、私と娘も寄り添うようにうたた寝をした。
    #エッセイ #実話 #家族 #喪失 #がん #生きる #創作大賞#オールカテゴリー部門

     
     

    sachi

     
     
    娘が生まれて半年、主人が癌になりました。 主人との闘病の日々を赤裸々に綴っています。 幼少期、10歳で母を亡くし、4ヶ月で家族が2人いなくなった。 これは、私の人生の記録です。 同じように苦しんだ人、誰にも言えない過去がある人へ。 少しでも、何かが届きますように。

    あなたへのおすすめ