
「10歳で母を亡くし、33歳で夫も失った私が、それでも生きている理由」⑨あの日警察が来た
平和な日が続いていた。
あの騒がしかった日々が嘘みたいに、
静かな時間が流れていた。
——その日までは。
突然、警察が来た。
インターホンの音が、やけに大きく響いたのを覚えている。
ドアの向こうに立っていたのは、警察官だった。
何が起きているのか、わからなかった。
ただ、嫌な予感だけがあった。
「お父さんはいますか?」
父が、2階からゆっくり降りてきた。
「ご近所から通報がありまして——
おばあさんの姿が見えないと」
その言葉を聞いた瞬間、
空気が凍りついた。
「誰がそんな事言ってんだよ!!
勝手に出て行ったんだろうが!!」
父の怒鳴り声が、近所中に響いた。
目は充血して、顔は真っ赤で、
まるで——鬼みたいだった。
あの時の父の顔は、今でも忘れられない。
この日から父が壊れていった。
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⑩ 父の暴言が暴力に変わった日
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