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たかが人生、だから楽しむ

    何気なく聞いた、土門蘭さんのVoicyが「お守りにしている言葉」についての回だった。それがとてもありがたくて、3回も聞いた。

    どの言葉も、ああいいなと思ったが、その中でも自分の心の中でつぶやくようになった言葉がある。

    「一言でいってしまえば、私は化粧する女が好きです。
    そこには、虚構によって現実を乗り切ろうとするエネルギーが感じられます。そしてまた化粧はゲームでもあります。
    顔をまっ白に塗りつぶした女には「たかが人生じゃないの」というほどの余裕も感じられます」

    『青女論』寺山修司

    「たかが人生じゃないの」

    土門さんはこの一節を読んで、人生は「死ぬまで生きるゲーム」だから、深刻になり過ぎない方がいいと考えるようになったそう。
    自分の人生を大事にしすぎると、傷が少しついただけでも許せなくなってしまう。ずっとピカピカのままでいたかったのに、と。
    だから、人生に深刻になり過ぎず、真剣に楽しむ。
    落ち込むことがあっても、「たかが人生じゃないの」と自分に言い聞かせるようにしていると話していた。いいことを教えてもらったなと思った。

    ちょっと失敗しても「たかが人生」。うまく行かなくても「たかが人生」。

    人生に「たかが」なんてくっつけると、ちょっと投げやりな感じもしてしまうけれど、人生に傷がつかないように執着しすぎて辛くなるより、よっぽど豊かに生きられるだろう。「たかが人生」なんだから、と気楽に生きられる方がいい。
    生きていると、ゲームとは思えない出来事も降りかかってくるけれど、この考え方をひとつインストールできてよかったなと思う。

    “人生ゲーム”みたいに、誰よりも早くゴールに着いたら勝ち、ゲームが終わった時のお金が多い人が勝ち、なんてルールは、本物の人生にはない。
    死んだらそれで終わり。勝ちも負けもない。だから、楽しむ。

    何気なく聞いたり見たりしたコンテンツから、自分のお守りとなって、長い間連れ添ってくれる言葉と出会うことがある。
    偶然もらえたプレゼントのようでうれしい。

    *

    以前買った、土門さんの『死ぬまで生きる日記』が積読のままになっていたので引っ張り出して、読み始めた。
    書き手の声を知ると、文章を読んでいてもその声で再生されるようになって、言葉がぐっと身近に感じられる。


     
     
     
    平日先生、休日ライター。小学校教員10年目。さとゆみゼミ5期 KYOUSEMI(教員養成セミナー)で「先生の『おまもり言葉』」連載中。食べる、読む、書く、旅する時間が好き。 連載はこちら▶︎https://kyousemi.book.jiji.com/work/9240905/

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