
企業からAIタイアップの依頼が来た|3つの指示で「市場調査→PowerPoint→記事化」まで進めてみた

生成AIとは違う「エージェントAI」を実案件で使って分かったこと――短い入力ほど、設計が難しい
9月中旬、noteのダイレクトメッセージにタイアップの依頼が届きました
9月中旬、noteのダイレクトメッセージに一本の連絡が届きました。
最初に見たときは、
「何かの営業かな?」
くらいに思っていました。
ところが内容を確認してみると、AIワークスペース YouWare に関するタイアップ記事制作の依頼でした。
これまで私は、生成AIやAIエージェントについて、自分で試したことや考察したことをnoteに書いてきました。
しかし今回は違います。
クライアントがいる
制作ガイドラインがある
必ず盛り込む内容がある
成果物を確認してもらう
修正指示を受ける
公開前に最終確認を行う
という、きちんとしたクライアントワークです。
そして今回面白かったのは、
AIについての記事を、実際にエージェントAIを使いながら制作する
という仕事になったことでした。
完成したタイアップ記事はこちらです。
今回は、その記事そのものではなく、
依頼を受けてから、どのように作り直し、最終的な記事まで完成させたのか
という制作の裏側を書いてみようと思います。
📘 最初にいただいたのは「コンテンツ制作ガイド」
まずはクライアントが何を見せたいのかを確認する
案件を進めるにあたり、最初に共有していただいたのが、
YouWareのコンテンツ制作ガイド
でした。
そこには製品説明だけでなく、
どのような価値を伝えたいのか
どのような業務を実演するとよいのか
どのような成果物を見せるのか
AIエキスパートチームをどう紹介するのか
Connectorをどのように扱うのか
未確認の機能は断定しない
「100%正確」といった保証表現を使わない
といった制作上のルールまで整理されていました。
特に重要だったのは、
単純な機能紹介ではなく、実際の仕事を設定し、成果物が完成するところまで見せる
という考え方です。 YouWare コンテンツ制作ガイド
AIの機能を説明するのではなく、AIを使って仕事を完成させるところまで見せる。
この時点では、
「なるほど。では実際に使いながら記事を書いてみよう」
というくらいの理解でした。

🤖 まずは一度、エージェントAIそのものを触ってみた
生成AIとは、動き方がかなり違った
最初の記事を作る段階で、私は一度YouWareのエージェントAIを実際に触りました。
ここで大きかったのが、
生成AIとエージェントAIでは、仕事の進み方が違う
ということを体験できたことです。
生成AIの場合、
質問する
↓
回答が返ってくる
↓
追加で質問する
という往復が基本になります。
一方、エージェントAIの場合は、
目的を与える
↓
仕事を分解する
↓
必要な作業を進める
↓
複数工程をまたいで成果物まで持っていく
という動きをします。
今回使わせていただいたのは、企業側から提供していただいたWeb版の環境でした。
単純な文章生成だけではなく、
調査
分析
情報整理
資料作成
成果物生成
まで、一連の仕事として進めることができます。
この最初の体験が、後の修正版を作る際にかなり役立ちました。
✍️ 最初の記事は、AI初心者が学んでいく内容にした
「何を質問すればいいの?」から始めてみた
最初に作った記事では、
AIを使ったことがない社員が、そもそも何を入力すればいいのか
というところから始めました。
たとえば、
AIで何をしたらいいのか分からない
プロンプトが分からない
仕事の何を任せればよいか分からない
生成AIとAIエージェントの違いが分からない
といった疑問を、そのままAIに聞いていく構成です。
実際、最初の記事では、
「AIを使えるようになってから対話する」のではなく、「対話しながら使い方を覚える」
という流れになりました。 YouWare_体験_ドラフト
内容としては、初心者向けの記事としてかなり自然でした。
ところが、作っている途中で少し違和感が出てきました。
⚠️ 記事としては成立している。でもクライアントの狙いとは少し違う
「AIを学ぶ記事」ではなく「AIに仕事をさせる記事」が必要だった
最初の記事は、
AI初心者が少しずつ理解していく読み物
としては成立していました。
しかし制作ガイドをもう一度読み返してみると、
今回クライアントが見せたいものは、
AIについて理解すること
ではなく、
AIを使って、実際の仕事がどこまで進むのか
という部分でした。
YouWareの制作ガイドでも、
調査
分析
構成
制作
確認
編集可能な成果物
までを一つの流れとして見せることが求められています。 YouWare コンテンツ制作ガイド
「AIについて説明する記事」ではなく、「AIに仕事をさせた結果を見せる記事」にする必要がある。
そこで考えました。
文章を修正するだけではなく、企画そのものを変えた方がいい。
🔄 修正版では、エージェントAIを本来の使い方で動かしてみる
一度触った経験を、そのまま次の設計に使う
最初の記事を作ったことで、
エージェントAIがどのように仕事を進めるのかは、おおよそ分かっていました。
そこで修正版では、
「それならエージェントAIに細かく指示する必要はないのでは?」
と考えました。
エージェントAIは、
目的を受け取ると、
その目的を達成するために複数工程を進めます。
それなら、
「まずこれを調べてください」
「次に表にしてください」
「次に整理してください」
「そのあとPowerPointにしてください」
と細かく指示するよりも、
目的と完成条件を短く渡した方が、エージェントAI本来の能力を試せる
はずです。
そこで、修正版では意識的に、
指示数を減らしました。
3️⃣ 大きな指示は、実質3つ
指示①|市場調査からPowerPointまで一気に進める
最初の指示は、
企業のAI導入が失敗する原因を調査し、原因を整理し、PowerPoint企画書にする
というものです。
実際の指示では、
信頼できる情報源を使う
主要原因を5〜7項目に絞る
原因・企業への影響・改善策を整理する
最終的に8〜10枚のPowerPointにする
という完成条件を設定しました。
そして、
調査範囲を不必要に広げない
という条件も加えています。
かなり短い指示です。
しかし、この一つの指示から、
市場調査
↓
情報収集
↓
原因分析
↓
整理
↓
企画書構成
↓
PowerPoint作成
までが進みました。
結果として作成されたのは、
7つの主要原因を整理した10枚構成のPowerPoint企画書
です。 youware.logs 作業指示 (1)
調査では、
RAND Corporation
McKinsey
BCG
IBM
NIST
OECD
などの公開情報が参照されました。 youware.logs 作業指示 (1)
「調べて、原因を整理して、PowerPointにして」
今回のカバー画像は、この流れを視覚化したものです。
📊 指示②|作ったPowerPointを、今度は記事にする
成果物をさらに次の成果物へつなげる
PowerPointが完成したところで、次の指示を出しました。
今度は、
今回の作業履歴とPowerPointをもとに、note掲載用の記事草稿を作る
という依頼です。
つまり、
市場調査
↓
分析
↓
PowerPoint
まで進んだ仕事を、
さらに、
記事コンテンツへ変換する
という工程です。
この指示によって、
10枚のPowerPointを作ったこと
7つのAI導入失敗原因
エージェントAIが複数工程を進めたこと
最初の指示設計が重要だったこと
PowerPointは人間による調整が必要だったこと
AIがすべて完璧に作るわけではないこと
などが記事草稿に反映されました。 youware.logs 作業指示 (1)
調査結果を記事にするのではなく、「調査から成果物ができるまでの仕事そのもの」を記事にする。
ここまでで、
調査 → 分析 → PowerPoint → 記事
という一つの流れが完成しました。
🧩 しかし、ここでクライアントから追加要望が入る
Connectorと専門家チームの違いをもっと分かりやすく
修正版を確認していただいたところ、
クライアントから、
「専門家チーム」と「Connector」の具体的な使用例を追加してほしい
という要望をいただきました。 DM youware(1)
ここで、
「では説明文を数行追加します」
でも良かったかもしれません。
しかし今回は、
実際に追加検証してみる
ことにしました。
🔍 指示③|追加資料を使って、もう一度検証する
NIST AI Risk Management Frameworkを使って図解化
追加検証では、
NIST AI Risk Management Framework
を参照情報として使いました。
そして、
Connector
↓
外部情報を仕事につなぐ
↓
専門家チーム
↓
情報を整理・分析する
↓
原因・影響・改善策
↓
PowerPointなどの成果物
という流れを整理しました。
追加で作成されたのは、
3枚構成のPowerPoint資料
です。 youware.logs 作業指示 (1)
私なりに整理すると、
Connector
= 情報をつなぐ入口
専門家チーム
= その情報を目的に合わせて整理・分析し、成果物へ変える役割
という違いです。
この追加検証も、最終的な記事へ反映しました。
🛠️ クライアントワークは、AIが作って終わりではない
最後に残るのは、人間側の確認と修正
ここまで来ると、
かなり自動化されているように見えます。
しかし実際には、
最後に人間側の作業が残ります。
今回も、
リンク修正
共有URLの確認
PowerPoint画像の差し替え
ロゴの追加
カバー画像の調整
本文の追記
非公開note上での修正
最終確認
などを行いました。
途中からはクライアントの要望に合わせ、
非公開note上で直接修正し、同じURLで確認してもらう
形へ変更しています。 DM youware(1)
最終的には、
追加したConnectorと専門家チームの説明やPowerPoint図解について、
「内容はこのままで問題ございません」
という確認をいただき、公開へ進みました。 DM youware(1)
✅ そして完成したのが今回のタイアップ記事
最初の記事から考えると、かなり違うものになった
最終的に公開したタイアップ記事はこちらです。
最初は、
「AI初心者がYouWareを使ってみる」
という記事でした。
そこから、
AIエージェントに仕事を任せる
↓
市場調査する
↓
原因を分析する
↓
PowerPointを作る
↓
作業履歴から記事を書く
↓
クライアントの追加要望を受ける
↓
追加検証する
↓
追加PowerPointを作る
↓
記事を修正する
という制作へ変わりました。
結果として、
単なる製品紹介ではなく、
実際の仕事をエージェントAIでどこまで進められるかを検証した記事
になりました。
🧠 実際に使って分かったのは「指示は多ければいいわけではない」
エージェントAIでは、最初の入力が後工程全体に影響する
今回、特に強く感じたことがあります。
それは、
エージェントAIでは、指示を増やせば増やすほど良くなるわけではない
ということです。
むしろ、
不要な条件
曖昧な表現
矛盾した条件
重複した指示
余計な作業
を入力に含めてしまうと、
それもAI側では、
「実行すべき仕事」
として解釈される可能性があります。
生成AIであれば、
一つの回答が少しズレても、
「そこではありません」
と修正すれば済む場合があります。
しかしエージェントAIでは、
その最初の指示をもとに、
調査
↓
整理
↓
分析
↓
資料化
↓
次工程
へ進みます。
つまり、
入力時点の小さなズレが、後工程へ拡大する可能性がある
ということです。
高性能なAIほど、正しい方向だけでなく、間違った方向にも速く進めてしまう。
ここは、実際にエージェントAIを動かしてみて強く感じた部分でした。
🎯 あとがき|エージェントAIほど、入力はシンプルで繊細である必要がある
「たくさん書く」より「必要なことだけを明確に書く」
今回のタイアップ案件を通じて、
私が一番強く感じたのは、
エージェントAIほど、入力設計が重要になる
ということです。
エージェントAIでは、
リーダーとなるAIが入力内容を解釈し、
必要に応じて仕事を分解し、
複数のサブエージェントへ作業を振り分けます。
だからこそ、
最初の入力に、
誤った条件
無駄な条件
曖昧な条件
矛盾した条件
が入っていれば、
その影響が複数工程へ広がる可能性があります。
重要なのは、
長い指示を書くことではありません。
むしろ、
目的を絞る
完成条件を明確にする
不要な指示を減らす
曖昧さを減らす
人間が確認する場所を決める
という設計です。
AIに何を書くかではなく、AIに何をさせるのかを設計する。
そしてもう一つ重要なのが、
どこで人間が止めるのか
です。
AIに処理を任せる。
しかし、
出典
数字
表現
クライアントの意図
完成条件
は人間が確認する。
今回の案件でも、
AIが処理し、人間が判断する
という構造になりました。
🚀 今回の案件で、自分が対応できる仕事の範囲も見えてきた
単純なライティングより、複数工程をつなぐ仕事
今回の仕事を通じて、
自分が比較的相性の良い仕事も見えてきました。
単純に文章を書くことだけではなく、
調査
↓
分析
↓
企画
↓
PowerPoint
↓
図解
↓
記事制作
↓
クライアント修正
までを、一つにつなげる仕事です。
たとえば、
🤖 AIツールの実機検証
🔍 AIエージェントの業務検証
📊 市場調査・競合調査
🧠 AI導入に関する調査
📑 PowerPoint・企画資料作成
✍️ AI関連記事制作
🤝 タイアップ・PR記事
⚙️ AIを使った業務ワークフロー検証
といった案件であれば、
今回の経験をそのまま活かせそうです。
🌱 最初は「本当に案件なのかな?」から始まった
最後には、AIを使ったクライアントワークそのものが学びになった
9月中旬。
最初にDMを見たときは、
「本当に仕事なのかな?」
と思ったところから始まりました。
そこから、
制作ガイドを受け取る。
一度記事を書く。
方向性の違いに気付く。
エージェントAIの動き方を思い出す。
指示を3つに絞る。
市場調査を行う。
PowerPointを作る。
noto.com記事にする。
追加要望を受ける。
追加検証する。
修正する。
公開する。
気が付けば、
かなりしっかりしたクライアントワークになっていました。
そして何より面白かったのは、
AIについて紹介する仕事を、AIを使って制作した
というところです。
AIの記事を書く。
AIで調査する。
AIで資料を作る。
AIで記事草稿を作る。
そして最後は人間が確認する。
今回の案件そのものが、
これからのAIを使った仕事の一つの縮図だったのかもしれません。
完成したタイアップ記事はこちらです。
※本記事は、実際の制作工程をもとに、公開可能な範囲で再構成しています。クライアントとの非公開のやり取りや契約上の詳細については掲載していません。
Hanamarukiへのお仕事ご依頼についてはこの記事に書いています。
こちらへよろしくお願いいたします。
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