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Photo bymeiji652

我が家の外食は、外でしか会えない味を探す時間

    我が家の外食は、だいたい二種類に分かれる。

    子ども連れで行くチェーン店。
    もしくは、大人だけで行く、ちょっと変わった料理屋さん。

    普段は圧倒的に前者である。

    はま寿司
    焼肉きんぐ
    バーガーキング
    天下一品
    サイゼリヤ

    おしゃれかどうかは、重要ではない。

    子どもが食べられるか。
    駐車場があるか。
    多少うるさくしても大丈夫か。
    コスパがいいか。

    子ども自身が「これ食べたい」と思えるものがあることは、すごく大事。
    子どもは、自分で選んだ物なら、多少思っていたのと違っても不思議と食べてくれる。
    その点、チェーン店は強い。
    メニューが分かりやすくて選びやすい。

    子どもが自分でパクパク食べてくれると、それだけで外食の空気がかなり軽くなる。
    親がゆっくり味わう前に、まず子どもが気持ちよく食べられること。
    今の我が家の子連れ外食では、そこが一番大事な基準になっている。


    一方で、たまに大人だけで街に出かける日がある。

    そういう日は、我が家の外食に対する目は、急に鋭くなる。

    「家では食べられないものがいい」

    この気持ちが強い。

    韓国料理
    タコス
    タイカレー
    窯で焼いたピザ
    炭火焼きの焼き鳥
    家系ラーメン

    近所にはあまりない味。
    子ども連れだと選びにくい店。
    家では再現しにくい料理。

    そういうものを、ここぞとばかりに探す。

    逆に、お好み焼き屋にはあまり行かない。
    特に、自分で焼くタイプのお店だと、心の中の私が言う。

    「え、焼くのこっち?」

    もちろん楽しいのは分かる。
    片付けをしなくていい良さもある。

    でも、どうしても思ってしまう。
    「これ、家でよくない?」

    我ながら夢がない。

    オムライスも、外ではあまり頼まない。

    オムライスはすごい。
    どう作っても、だいたい美味しい。

    卵が破れても美味しい。
    形が崩れても美味しい。
    ケチャップをかければ、全部なんとかなる。

    あの包容力は天才的である。

    だから外でオムライスを見ると、つい思ってしまう。
    「これは家でも幸せになれる」

    餃子も、昔は外食派だった。

    家で作ると、包む、並べる、焼く、片付ける。
    工程が多すぎる。
    途中から「私は何屋さんなんだ」と思ってくる。

    でも冷凍餃子で十分美味しいことに気づいてしまった。
    それ以来、餃子が外食から消えた。

    牛丼もそうだ。

    以前は牛丼屋にもたまに行っていた。
    でもプライムセールで松屋の冷凍牛丼を買い始めてから、家のお昼の定番になってしまった。

    便利な冷凍食品は、ときどき外食の居場所を奪っていく。


    一方で、スパイス系は外で食べたい。

    我が家の調味料棚には、長年かけて「絶対に使うものだけ」が残った。

    醤油
    みりん
    味噌
    ごま油
    鶏ガラ
    コンソメ

    こんな、出動率の高いメンバーで固められている。

    新婚時代、私にも張り切っていた時期がある。

    「ちゃんと美味しいカレーを家で作るぞ」

    そう思って、コリアンダー、クミン、チリパウダー、ガラムマサラを買い揃えた。

    そのときの私は、台所から異国の香りがして、夫に「お店みたい」と言われる未来を見ていた。
    「家で本格カレーを作る私」に憧れていた。

    結果、スパイスカレーは一度だけ完成した。

    夫は「美味しい」と言ってくれた。
    でも私は、二度と作らなかった。

    工程が多すぎた。
    そして何より、台所がカレーになりすぎた。
    換気扇を回しても、翌朝まで部屋のどこかにスパイスがいた。

    その後、スパイスたちは棚の奥で静かに眠り続けた。
    開けるたびに目が合って、ちょっと後ろめたい気持ちになる。
    でも使わない。

    「いつか使うかも」と思いながら月日が流れ、最終的に捨てた。

    あれ以来、私は学んだ。
    スパイスとは、外で会うくらいがちょうどいい。

    少し値段が高めのスーパーに行くと、調味料コーナーにスパイスがずらっと並んでいる。

    スターアニス。
    フェヌグリーク。
    名前を見ても、味の想像がつかないものまである。

    眺めるのは好きだ。
    手に取って、ポップの説明も読む。
    でも、買わない。

    眺めて、戻す。
    それでちょうどいい。

    あの棚は、私にとって一種のギャラリーである。

    だから大人だけで街に出る日は、普段食べられない味を探す。
    そういうものに出会うと、「外食したな」と思う。

    家で満足できるものは、家で食べる。
    冷凍で十分美味しいものは、冷凍に頼る。
    家に置くと余るスパイスの味は、外で楽しむ。

    そうやって選んだお店で、家では出せない味に出会うと嬉しい。

    帰り道に夫と、
    「何食べてるかわからんかったな」と言い合うこともある。

    褒めている。
    我が家では、たぶん最大級の褒め言葉だ。

    名前のわからない香り。
    食べたことのない味。
    家では絶対に出せない何か。

    そういうものに出会った日の帰り道は、なんとなく気分がいい。

    子連れの日は、チェーン店に助けられる。
    大人だけの日は、家では出せない味を探しに行く。

    今のところ、その偏りがけっこう気に入っている。

     
     
    30代会社員、子ども2人、バリスタFIREを目指しています。静かに会社を降りる準備中。ISFP

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