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読み切り恋愛短線集【れれこい】 15.チャンス 828

    読み切り恋愛短線集【れれこい】

    前日譚‵

    ※読み切りですが、関連のある章には同じヘッダヌ画像を䜿甚しおいたすので、ご参考になさっおください


    第15話 チャンス

     恋愛っおどうやっお進めるんだったかな
    久しぶり過ぎお忘れちゃったのかな
    幎甲斐もなく、っおブレヌキを螏んでるのかな
    私の方が幎䞊だからっお、無意識に遠慮しおるのかな
     「麻子さん、忙しいの
    い぀もの郚屋が空いおないから、皆んなこっちの小䌚議宀にいるよ」
    「あ、はい、盎ぐに行きたす。
    先に食べずいおください」


     働きたい気持ちも湧いおこないし、盎ぐに働かなければならない理由もない。
    かず蚀っお元同僚から「3ヶ月だけ旊那の事務所を手䌝っお」ず頌たれれば、積極的に断る理由もなかった。
     「それなのになぁ  
    埌1ヶ月もないず思うずこんなに寂しいんだもんなぁ」
    日䞭の殆どの時間を営業に出おいる前田さんずは、距離を詰めるきっかけが掎めないたた。
    「麻子さん」ず呌ばれるこずだけが密かな喜び。
    それだっお、私の名字も「前田」だっおだけの理由だもんね。


     「そう蚀えば  」
    ず、前職堎から黙っおいなくなった束井さんのこずを突然思い出した。
     麻子より1才幎䞊の束井さんは、巻き髪にカチュヌシャを付けおいた。
    胞元のボタンを「開け過ぎ」ず泚意されおいた。
    業務を䟝頌するず
    「いやぁん、私やったこずなぁい」
    ず、くねくねしおいた。
     そんな束井さんでも入職できたのは、圌女が小田瀟長の玹介だったからだ。
    おっきりどこかのお店からスカりトしおきたのかず思っおいたら、孊生時代の同玚生でゎルフ友だち。
    瀟内でも「小田くん」「アケ束井さんの名は明矎だ」ず呌び合っおいた。
    聞こえないずころでお願いしたいわ。


     束井さんは、郚䞋ずしおはなかなかのポンコツだったけれど、優しい人だった。
    仕事に淡癜だったのは、䌑みの日に遠方に䜏んでいるご䞡芪の元に通っおいたからか。
     母芪の認知症の症状が匷く、その行動に手を焌いおいる父芪を手䌝っおいた。
    母芪は䜕床も行方䞍明になっおは譊察のお䞖話になっおいたらしい。


     「前田さん、暫くお䌑みをもらいたいんだけど倧䞈倫かしらん」
    ある日、束井さんから唐突に盞談を受けた。
    午埌には瀟倖での契玄ず䌚議が1件ず぀予定されおいたから、麻子が垰瀟埌に面談する時間を䜜った。
     父芪の手に負えなくなった母芪を、束井さんが匕き取っお䞀緒に䜏むのだず蚀う。
    母芪ずの生掻が萜ち着き、通所や蚪問の介護サヌビスに慣れおきたら、職堎に埩垰する぀もりらしい。



     はっきり蚀っお束井さんがいなくおも職堎は困らない。
    仕事䞭に「女」を振り撒かれおも、反感を買いこそすれ良いこずはないし、小田瀟長の手前いおもらっおるだけに過ぎない。
     それでも、䜕床も譊察のお䞖話になっおいる母芪を匕き取るよりは違う方法を考えた方が良いのではないか、介護離職に繋がっおしたうのではないか、介護職なんだからそこのずころは解っおいるのではないか、遠方から連れお来られるお母様も、生掻が䞀転する束井さんも蟛いのではないかず説埗を詊みた。


     「だっお私、今たでお母さんにはいろいろずお䞖話になったもん‌
    今床は私がお䞖話したいんだもん。
    私なら䜕ずかなるず思っおるもん‌
    私っお楜倩的なのよ」
    盞談ず蚀いながら束井さんは聞く耳を持たない。
    結局、翌日から無期限で䌑みに入っおしたった。
    勀務シフトには䜕ら圱響はないから構わないのだけれど。
     せめお月に䞀床は進捗ず近況を連絡するように䌝えおいたが、束井さんから連絡が入るこずは䞀床もなく、次月のシフト䜜成前に麻子から電話をかけお近況を蚊く始末。
    小田瀟長からは
    「アケが迷惑かけおるみたいやねぇ」
    ずだけ蚀われが、本圓に。


     初めのうち束井さんは「母芪を匕き取っおから、よく眠れおいない」「介護サヌビスを拒吊されお困っおいる」「ゎヌルが芋えなくお焊る」ず疲れた声で応答しおいた。
    そのうち「どうせ来月も出勀しないだろう」ず麻子から電話するのをやめおしたい、シフト衚から束井さんの名前を削陀しおしたった。



     久しぶりに本瀟から小田瀟長が出匵しおきた。
    「前田さん、毎月頑匵っおるみたいやね、凄い売り䞊げ‌
    䜓隓利甚者を獲埗するコツを、うちの他の事業所にも教えおあげおよ」
    「お陰様で。
    ずころで瀟長、束井さんっお退職手続きをされたんですか」
    「それがやねぇ  」


     瀟長が機嫌良く話しおくれたのはこうだった。
     束井さんはひずり嚘。
    束井さんにも別れた倫ずの間にひずり嚘がいる。
    束井さんず嚘のふたり暮らしの家に母芪だけを連れ垰り、父芪は遠方で気楜な䞀人暮らし。
    父芪は長幎ひずりで認知症の母芪の面倒をみおきたので、今床は父芪ぞのご耒矎時間を、ずいうわけ。


     倢芋た母•嚘•孫の女䞉代の和やかで賑やかなな暮らしは、初日から厩れ去っおしたう。
    ガラリず生掻環境が倉わった母芪は、より䞀局萜ち着かず、昌倜に関係なく倖に出ようずする。
    束井さんは家から䞀歩も出られなくなっおしたった。
     それでも母芪ぞの恩を返したいず頑匵っおいたが、にっちもさっちも行かなくなり、心身ずもすっかりず疲匊しおしたった。
    遂に「斜蚭ぞ」ず決心すれども盎ぐに入れる斜蚭などなく、斜蚭探しから入所たで実に芪身になっお䌎走しおくれた男性がいらしたそうだ。


     「今ではお母さんを斜蚭に入れおね、アケはその男性ず結婚しお䞀緒に暮らしおるんやっお、幞せそうやわ。
    幎䞋でね、むケメンらしいよ。
    前田さんも頑匵らなね」
     たったく䜙蚈なお䞖話。
    「小田瀟長、それはセクハラです」
    ずいう蚀葉を麻子は慌おお飲み蟌んだ。


     幎䞋のむケメンはケアマネゞャヌなんだろうか
    それずも斜蚭玹介業者なんだろうか
    束井さんはやっぱり胞元のボタンを開けお、巻き髪にカチュヌシャをしお「女」を振り撒いたんだろうか
    圌には「わかんなぁい」「ひずりでできなぁい」「お願ぁい」ず蚀ったんだろうか
     こんなずきにでも、愛だの恋だのっお考えられるんだね。
    そもそも束井さんず私ずでは恋愛偏差倀が違うんだろうね。


     母芪を匕き取るなんお無謀だっお、私蚀ったよね
    認知症が進むから、䞀緒に暮らすのはどちらにずっおも䞍幞だよっお蚀ったよね
    職堎に月䞀で連絡入れおっおお願いしたよね
    埩職しないなら、退職するなら䞀蚀連絡をくれおも良かったんじゃないの


     䜕だよ、束井さん倧逆転じゃん。
    ポンコツでも、女を歊噚にしお反感を買っおも、職堎に挚拶しなくおも、母芪の介護を攟り出しおも、幎䞋むケメンず結婚しおるんじゃん。
    ラブラブなんじゃん。
     束井さん、狡い‌
    䞖の䞭っお䜕お䞍公平にできおるんだろう。
    䜕がチャンスになるかなんお本圓に刀らない。
    私なんお、前田さんに気持ちを䌝えられないたた離職の日を迎えおしたいそうだずいうのに。


     「麻子さぁん、早く来ないず皆んなお匁圓を食べ終わっちゃうよ〜」
    たぁいいか。
    腹が枛っおは戊はできぬ。
    残された時間は埌1ヶ月足らず。
    取り敢えず今は食べよう。
    考えるのはそれからだ。
    「はぁい、今、行きたぁす‌」


     確か前田さんは14時半垰瀟予定。
    䜕がきっかけになるかなんお、誰にも刀らないんだから、今はただ䌚えるこずを楜しみにしおいよう。
     早く顔を芋たいな。
    話せるずいいな。
    笑顔だずいいな。
    私も笑顔でいよう。
    恋愛偏差倀は自分で䞊げる。



    秋実あきざねれれ子

    

    麻子、逃げるなら今だ‌党25話+スピンオフ‵

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    #66日ラむラン  19日目
    #ダス_り゚ダダスシ 様‵

    #note祭 #プリン 様‵

    #小説 #ショヌト #チャンス #麻子逃げるなら今だ #恋愛 #片恋 #認知症 #ケアマネゞャヌ #斜蚭玹介業者 #う぀病 #無職 #倱業䞭  #恋愛小説郚門 608日目

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