
魔女になれないの
幼稚園のママたちの飲み会に、その人はいた。
幹事の一団は華やかでおしゃれで、行事のたびに中心となって動いてくれる。そのグループの真ん中から、トークのうまい明るい人が全員に向かって訊いた。
「あなたの年はいくつ?」
と。
えーやだー何それ〜、などと笑っていられたのは初めだけで、自己紹介ならぬ年齢自白大会は見えない圧力と共に進行していく。
順番がきて、さらっと流した。わたしの年齢は見た目とそんなにかけ離れてはいないから、ふーんそうなのー、でおしまい。
しかし数十人の中には猛者もいるもので、決して口を割らない人がひとりだけいた。
雰囲気を悪くするでもなく、笑顔でのらりくらり。落ち着いているから、この中ではお姉さまかな〜?という気配はあったものの、最後まで自分の年齢は口にしなかった。
「すごいよねー、彼女」
わたしが友達と賞賛し合ったのは、年齢をしつこく(←あ、言っちゃった)訊いてくる人ではなく、穏やかに切り抜けたひとの方だった。
今でもたまに会うと楽しく会話をかわす彼女は、当時とあまり変わらない。あの時は少しお姉さんに見えたけれど、そのままの感じで素敵に年を重ねている。
逆に飲み会であそこまで全員の年齢を聞き出さずにいられない側の気持ちってなんだろう?と考えたとき、思いついたのが、
「(実年齢より)若い!」
ということに強い自信を持っていた人なのかなぁ…というぼんやりした想像(違っていたらすみません…)。
そんな経験があったからというわけではないけれど、わたしは「若見え」というワードが少し苦手だ。
「そりゃあ若々しくいられたらいいけどさ、別に年相応でいいんじゃないの?」
なにしろわたしの理想像は「いじわるばあさん」ですので…
それにしても「美魔女」っていつから言われだしたのだろう。AIにお尋ねしたら詳しく答えてくれるはずだが、思考の遊びなのでここは自分で好きに考えたい。
魔法使いのおばあさんはいつから美しい魔女に進化したのか。『魔女っ子メグちゃん』からか、『奥様は魔女』からか(←昭和…)。『ウィキッド』を見るとモテるのは必ずしも金髪碧眼の美女ではないわけで、イマドキの話らしくておもしろいなぁと思う。
さてさて、魔女でなくていいから、毎日をおもしろがって生きたいと思っているわたしは、年齢にとらわれない(ように見える)魅力的な先輩たちが大好きだ。小泉今日子さんはその筆頭。
そんな小泉さんと、これまた大好きな小林聡美さんが出演されたドラマ『団地のふたり』が再放送されるというので楽しみにしている。「若見え」よりも大事な何かが詰まっているドラマなので、まだご覧になったことのない方はぜひどうぞ…
そして今回のタイトルににやりとしてくださった方がいらしたら…コメントお待ちしております。