
主食実験室その2
お米を節約するために、ひとりでこっそりやっている主食実験室(基本的にごちそうは出てきません…)。
あれこれ試している中でコスパがいいと思ったのはオートミール。
なにしろ1食分30グラム。え、こんなんでいいの?そして……調理時間は驚異の3分!ただし大きな落とし穴がひとつ。
……食べる人を選ぶかも(←言い方)。
子どものころ読んでいた『メアリー・ポピンズ』シリーズの中で、朝ごはんの食材が足りなくて、お姉ちゃんだからという理不尽な理由によって、
「あなたはオートミールね」
となってしまったジェインが全力で、
「あたしもコーンフレークがいい!」
と文句を言っていたことを思い出す。
すっかりすねた彼女はその後、タイムスリップまでしてさらなる大ピンチにみまわれるのだけれどここでは省略……
そんな伝説?を持つオートミールだが、ジェインと違って実はわたしは、
こんぶつーゆ♪さえあればほぼ生きていける舌の持ち主なので楽勝である。適当に水を足してつゆを入れてクツクツ煮込んで、溶き卵を入れたらできあがり。

オートミールの名誉のためにつけ加えると、鉄分やカルシウム、たんぱく質などが豊富でダイエットにもおすすめらしい。
脂肪と骨粗鬆症にすがすがしくサヨナラした気分で次に登場するのは蒸しパン。

ムラヨシマサユキさんのレシピは作る人の身になって洗い物まで少ないように工夫されていて、優しい人柄まで伝わってくるのが好き。
早世されてショックだったけれど、大事に作っていけば料理の中に生き続けてくれるよね…と思いながらいただいている。
しんみりしてしまったのでそろそろ失敗作をご披露するタイミングではないだろうか。
荻野恭子さんの『世界の粉物とスパイス料理』を見て作ったのは…

すいとん?水餃子?いえいえこれは………
ワンタンを作ったつもり(小声)。
皮から作ったのはいいけれど、忘れていたのがわたしの「伸ばす」、「包む」技量。おかしいなこんな形になるはずではなかったのに。ちなみにスープはさすがに昆布つゆではない。
打ち粉に片栗粉を使って、こう見えても食感はつるるん。お腹にたまる、幸せなワンタンだった。こちらの本からはもうひとつ…

正解は、ナンでした(笑)。インドではなく、シルクロードの。漫画『乙嫁語り』に出てくるような凝った飾りは無理でも、ちょっとカッコつけたいなと思ってクッキーの押し型で模様をいっぱい押してみたのだが、あら不思議、焼いたらみごとに消えてしまった。
長年にわたって世界の各地を旅して、現地の人から教わったレシピを伝えてくださる荻野さん。その手はまさに、おいしいものをつくる人の手だなぁ…とうっとりする。
この本はその集大成。遊牧民にとっては「お腹を満たすこと、生きることが目的」で、「あるものでしか食べられないという食べ物の大切さ」を教わった…とあり、
ごーんと胸に響いた。わたしは実験は好きだが料理はご覧のとおり得意ではない。それでもやっぱり、「作って食べる」ってそういうことだよなぁとしみじみ考えた。
そんなある日。スーパーに行ったら、なんとアジが3匹で300円台。有人レジでピッと通してくれた店員さんが思わず二度見して、
「やすっ!」
と声をあげたのでわたしは重々しく頷き、
「今日はアジがおすすめです」
どちらが店員かわからない会話をかわしてほほえみ合った。アジはもちろん塩焼きにして、つやつやの白いごはんといっしょに食べた。家族で食べるお米はやっぱりおいしい。
いろんな主食があるけれど、みんながそれを安心して食べることのできる世界でありますように…。