
【エッセイ】ベテランペーパードライバーがシソを育て始めた話
大学時代に運転免許を取得してからというもの、私の免許証は長年、身分証明書として大活躍していた。
そんな私も35歳になり、ようやく「運転してみようかな」という気持ちが芽生えてきた。
リップが唇の中心にしか塗れておらずバカ殿みたいになっている、私の免許証。ついに使うときがきた。
独身時代は、特急も停車する駅から徒歩8分の分譲マンションに住んでいた。しかも平坦。
車なんて必要なかった。しかし今は駅から徒歩15分。しかも坂あり。
コンビニも近くにないので、メルカリを発送するだけでも夫に車を出してもらっている。申し訳ない。
夫が涼しい顔で片手でハンドルを回しているのを見ているうちに、
「私もやってみたいな……」と思うようになった。
初回の同乗は夫から断固拒否された。
まぁ、そうでしょうねぇ。
そこで勢いで出張ペーパードライバー教習を申し込んだ。
当日、朝9時。最寄り駅で、目印のプリウスを待つ。
すると、目の前にプリウスが停車した。この車かな?と思っているうちに電話が鳴った。
マッチングアプリぶりの緊張感だった。
助手席に乗り込むと、担当はムキムキのお兄さん。
少し走ったところで、
「じゃあ、そろそろ代わりますね〜」と路肩に停車。展開が早い。
免許証を見せ、同い年が発覚。
お兄さんは同い年に親近感を覚えたらしく、必死にハンドルを握る私の横で、住宅購入の話などしている。
すごい。
よくこの運転で世間話ができるな。開始10分で尊敬した。
前職は警察官らしい。そりゃ肝も据わっているわけだ。
運転に精一杯で会話は脊髄にまかせていたが、不思議と世間話できていた気がする。
そこからはスーパーの駐車場へ移動し、ひたすら駐車練習。
別の駐車場へ行って、また駐車。
途中で、「自宅の駐車場でも練習しますか?」と聞いてくれた。
初回で自宅を明かすつもりはなかったのだが、私の脊髄が「この人は安全」と判断したらしく、気づけば自宅へ案内していた。
うちの駐車場は難易度が高い。
お向かいの広々とした駐車場が羨ましくて仕方ない。
全て終わって、3時間で16000円。安い。
世間話をしながらも、電柱に突っ込みそうになるたびに容赦なく補助ブレーキを踏み込むお兄さんの反射神経は、本物だった。
教習が終わったあと、昼からは夫にも助手席に乗ってもらい、ショッピングセンターを巡って駐車練習。
それからというもの、毎日仕事終わりに運転練習をしている。
とにかく駐車が難しい。
バックするとき、ハンドルをどちらに回せばタイヤがどっちへ行くのか、一瞬でわからなくなる。
しばらくは、ガラガラの駐車場で修行するしかない。
練習2日目の日曜日。マックのドライブスルーに挑戦した。
お姉さんが爽やかな0円スマイルで、
「出来上がりまで少々お時間をいただくので、あちらに駐車してお待ちください〜」と案内してくれた。
それができないからドライブスルー来てんのおーーー!!!
特殊な理由でドライブスルーしてごめんなさい。
幸い前の車が出るのを待っている間に商品が完成し、私の悲惨な駐車シーンはギリギリ世間に公開されずに済んだ。
最近は毎日、コンビニやホームセンターまで運転しては駐車して帰る、を繰り返している。
その結果、毎日アイスを買うだけでは飽き足らず、シソの苗や高圧洗浄機まで買ってしまった。

ベランダや玄関の泥汚れを掃除したくて。
そこからなぜか、ベランダでシソ栽培まで始まった。

一つ買うと、次々欲しくなる。
バジルも欲しいし、ミントも欲しい。
トマトもいい〜。
でもベランダがジャングル化するのは嫌だ。
運転できるようになるのが先か、ベランダ菜園が増殖するのが先か。
今のところ、五分五分である。
一人で駐車できるようになったら、また喜びのnoteを書きたい。
おわり
病院薬剤師として、一般の方に知っておいていただきたい病気や薬のこと、仕事を通して感じる学びや悩み、結婚や母との同居生活、妊活、朝活など、暮らしの中での気づきを発信しています。少しでも興味を持っていただけましたら、フォローしていただけるとうれしいです🐶