
口癖
「私、いらない。」
それが口癖になったのは、いつからだろうか。
死にたいわけじゃない。ただ今日も消えたいと願って生きる。
不意に仲間はずれを感じた時、私の言葉が届かなかったとき、相手が何かを隠したのを無意識下で気付いたとき。
調子がいい朝も、素敵な曲に出会った昼も、楽しい夜も、小さなことによって埋もれていた不安が顔を出す。
吸いたくない空気を吸って、日々の喧騒に溺れる。
情報が多い。私に届く声がない。うるさい。うるさい。
この空間、この場所に私の価値はあるのだろうか。
"大切だよ。"そう言ってくれたあの人は今どこにいるのだろう。
懐かしさを感じて想いを馳せる。ぬくもりが愛しい。
この人のためなら生きても良い。目印は失った。
何かの拍子でこの呼吸が止まってしまえば。
誰にも知られることなく、気付かれることもなく、私の存在がこの地球から消えてしまえば。
そんなことを思いながら今日もうるさい街に歩みを進める。
無意識に口をついて出た言葉はいつもと変わらない。
「私、いらない。」