💝ラジオのノイズ、滲む面影
ただ「その時」を迎えるために、私は暗い部屋で
息を潜めている。
張り詰めた肩の力は抜けないまま、覚悟だけを
握りしめて。
古びたラジオのノイズの隙間から、聴き覚えのない歌が流れていた。
その頼りない音を背景に、ふと鏡を覗き込む。
引き返せない歳月を重ねた自分の顔。
そこに、なぜだか、あの子の面影が滲みだした。
いたたまれず部屋を出て、深夜のコンビニへと
逃げ込む。 明るすぎる照明の下、有線から流れて
きたのは、さっき家で聴いたあのメロディだった。

歌が問いかける言葉が、心に蘇ったあの子の姿と
完全に重なった瞬間、
私の胸は、張り裂けんばかりに締めつけられる。
泥に汚れながら、自分で選んで歩んできたはずの
人生の果て。
終わりを待つだけの私を、家でも、この店でも、
同じ歌が追いかけて引き留めようとする。
なにも怯えてなどいない。
ただ、あの子のことが頭から離れないーー
「2026.09.11」❦cocorone(心音)

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