
子どもは時々、困らせることで「ここにいていい?」と聞いてくる
今日、教室でひとりの男の子を見ていて、ふと立ち止まる出来事がありました。
その子は中学年。
体はがっしりしているのに、なんだかかわい顔をしているし、とても人懐っこい子です。
でも、だいたい教室に来てもすぐには始めません。
私の机の周りをうろうろ…
「足が痛い」
「首が痛い」
「ねぇあのね…」
そんなふうに話かけながら、ずっと私のそばにいます。
私は毎回言います。
「まず始めよう」
「早く準備して」
最初は優しく。
でも10分、20分……30分たっても始まらないこともあります。
そして今日は、机の真正面に立ったまま動かなくなりました。
そこで聞いてみました。
「ちょっと聞いていい?
なんで『早く始めて』って言われてるのに、ここにずっといるの?
怒られるのを待ってるの?
どんな気持ちなのかな?」
その子は少し笑いながら、
「いやぁ……わからないなぁ。」
と答えました。
本当にわからない、という顔でした笑
少し考えて、席に戻ったと思ったら、また来ました。
「さっきの話なんだけどさ……やっぱりわかんない。」
そう言ってまた笑う。
いや、それ言いに来なくていいから早くやっちゃえばいいのに…と思うのですが笑
私は「怒られる前に始めたら?」と言いながらも、その子の様子を見ていました。
すると今度は、きつく声をかけたときとは少し違う、やわらかい表情で席へ戻っていきました。
そしてそのまま学習を終えて、いつのまにか帰っていました。
帰ったあと、私はひとりで考えました。
この子は勉強をすぐには始められない子なんだろうか。
そうではない気がしました。
本当の理由は、本人にしかわかりません。
でも、「早く終わらせて帰りたい子」の行動ではないことだけは伝わってきます。
家に帰れば誰もいない日があるのかもしれない。
誰かと少し話していたいだけなのかもしれない。
切り替えが上手くないだけなのかもしれません。
これは想像でしかありません。
でも一つ思ったことがあります。
この子は多分怒られたいわけではない。
でも怒られるまで、誰かとつながっていたい。
子どもは時々、困らせる行動でしか「ここにいていい?」を伝えられません。
だから私は今日、少し反省しました。
「早く始めて」は間違いではありません。
でも、その前にこの子は毎回、
「先生、今日もここにいていい?」
と聞いていたのかもしれないと…
教室は学習するところです。
でも、本当に見ているのは学習だけではありません。
子どもの行動の奥には、言葉にならない気持ちが隠れていることがあります。
今日は、そのことを一人の男の子と一緒に考えた日でした。
あ、ちゃんとはじめたことをほめる前に帰っちゃったな笑