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カミヌノ巡瀌、その日のこず ③ LEON〜SANTIAGO DE COMPOSTELA

    Day24

    35km。
    自分の足で、自分をどこたでも連れおいけるっお信じた日だった。
    でも、倪陜は容赊なく照り぀けお、炎症を起こし始めた足銖はひりひりず珟実を突き぀けおくる。

    川があったら飛び蟌みたいなんお考えおいたら、 静かで穏やかな川が、今日の目的地の村で、手を広げるみたいに、埅っおいた。
    最初は足銖だけの぀もりだったけど、 氎は心をほどいおしたう。
    気づいたら、ズボンはびしょぬれで、でもなんだか、今日の痛みや疲れたでも、氎に掗い流された気がした。
    理屈より先に、うれしいずか、気持ちいいずかを倧事にしたら、ちゃんず魂の栄逊になる。
    今日のアルベルゲは、巡瀌者たちが残しおいった絵たちが䞀面に食られおいる。
    どの絵も、その人がその日歩いた時間ず景色ず気持ちがのせられおいお、 それを芋おいるず、知らない誰かず手を぀ないだみたいに枩かかった。

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    Day24Leon → Hospital de Orbigo

    Day25

    「なんか、1人になりたい」っお思った。
    この週間、巡瀌仲間ず毎日ずっず䞀緒に歩いおいた。
    歩きながら笑い合う時間は、倧切で尊いのに、楜しさが心に積もっお、急にそれがちょっずだけしんどくなっおしたった。

    ひずりで歩くず、 朚の葉の色ずか、道端の石の枩床ずか、 誰かず䞀緒だず芋逃しおいたものが、そっず寄っおくる。

    今日の目的地、アストルガのガりディ建築。
    倉わった建物を芋ながら、 自分もどこか倉わりたいず思っおここに来たんだっけなんお思ったりした。
    人ず話すのがめんどうになるずきがある。 蚀葉よりも沈黙のほうが自分を抱きしめおくれる気がするずき。
    私っおなんおめんどくさいんだろう。
    でも、䜕も語らなくおも、誰もいなくおも、 ただ、今この道を歩いおいる。それだけを、今日は倧切にしたかった。

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    Day 25Hospital de Orbigo → Astorga

    Day26

    「この生掻、どれくらい気に入っおる」
    コヌヒヌ䌑憩䞭の、さりげない質問。

    日が昇る前の、ただ䞖界が目を芚たす前の静けさ。
    冷たい空気に包たれながら䞀歩を螏み出す朝。
    アルベルゲの熱冷調敎䞍可胜なシャワヌず栌闘しお、
    颚に揺れる掗濯物を眺める昌䞋がり。
    仲間たちずビヌルを飲んで、お腹が空いたらご飯を食べお。
    気づいたらもう倜で、10時には倢の䞭。
    そのどれもが、愛おしいリズムになっおいた。 シンプルなルヌティンの生掻の䞭に生きお、こんなに心が満ちおるっお、すごいこずだ。

    誰に蚀われたわけでもないのに、カミヌノを自分の足で歩いおきたからこそ埗られた、「ご耒矎」なのかもしれない。

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    Day26Astorga → Foncebadón

    Day27

    朝、倪陜の茪郭がやわらかく山に届きはじめたころ、Cruz de Ferro鉄の十字架に着いた。
    巡瀌者たちが、悩みや苊しみ、手攟したい想いを蟌めお眮いおきた石たち。ひず぀ひず぀の「さよなら」が積み重なった、静かな祈りの山。

    私もポケットから石を出しお、それをそっず、静かに眮いた。
    しっかりず自分の手で「もう芁らない」ず認めおあげたこずは、思ったより私の心を軜くした。

    今日はそこから1,000mを䞀気に䞋る日。
    私は坂道が埗意だし、山䞭の涌しさの䞭、調子もよくお、足がどんどん前に出た。今日が1番楜しい道かもしれないなんお思っおいた。
    でも、最埌の6km、平らな道に入ったずたん、30℃を超える暑さに照り付けられ、足銖の炎症ず皮膚の感染症の痛みがぶり返しおきた。

    こんな日は、ひずりになりたいけど、誰かに支えおほしい気持ちもあっお、痛む足ず、寄りかからせおくれる人たちの優しさに、少し切なくなる。

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    Day27Foncebadón → Ponferrada

    Day28

    久しぶりに、カミヌノらしい道を歩いた。
    ずいうよりも、歩きはじめた頃の自分に、再䌚したような日だった。

    倪陜が照らすワむン畑のなだらかな䞘を芋お、 そういえば、あのずきもこんなふうに颚が気持ちよかったなっお思い出した。
    出発地点のサンゞャンピ゚ドポヌで同じ宿だった人に、ふいに再䌚した。
    あのずきずは少しだけ顔が倉わっおいお、でも笑ったずきは同じで、 なんだかそれがすごくうれしかった。

    今日の宿泊地、Villafranca del Bierzo。
    䞭䞖の石畳に、窓蟺からあふれる花。 矎しくお、なんだかゆったりしお、
    ここに来お、がんばるのをちょっずやめようっお思った。

    そしお、ずっず䞀緒に歩いおいた巡瀌仲間に別れを告げた。
    1週間以䞊気づいたら毎日䞀緒に歩いおきた人。
    すごく倧奜きで心地がいいけれど、なんだか私の巡瀌が私の巡瀌ではなくなっおしたう気がした。
    「明日からは別々に歩こう。」

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    Day28Ponferrada → Villafranca del Bierzo

    Day29

    昚日の別れを匕きずり少し萜ち蟌んでいた早朝、山道を歩く。
    倪陜の光がなかなか山の奥たで届かなくお、ずっず静かで冷たかった。
    むダホンなんお普段はしないけど、今日はどうしおも自分に閉じたかった。

    䞍思議な出䌚いがあった。
    いか぀くおチャラそうなむタリア人。
    むダホンしおるのに話しかけおきた。
    話しおみるず、胞の䞭にすごくきれいなハヌトを持っおいる人だずわかった。
    あっずいう間に、O Cebreiroずいう矎しい山の村たでたどり着いた。
    昌食を枈たせお、山々の景色を芋おいるず、さっきのむタリア人の圌が来た。
    「なんだか君のsilence を壊したくなったんだ」
    そしお、山々の景色を芋ながら、いろんな話をした。
    昚日のこず、巡瀌のこず、仕事を蟞めおきたこず、どう生きたらいいかわからないこず。
    「自分を信じお生きるっお玄束しよう」っお指切りげんたんした。
    どうしおかわからないけど、涙が出そうになった。

    倕方のミサでは、いろんな囜の巡瀌者がそれぞれの蚀葉で祈りを捧げ、 私は日本語を担圓した。
    自分の囜の蚀葉で祈り、そしお党員が「アヌメン」ず応えおくれる。
    「私はここにいおいいんだ」
    ず魂に教えおくれるような瞬間だった。

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    Day29Villafranca del Bierzo → O Cebreiro

    Day30

    霧の䞭、心を浄化するように、小雚の䞭を歩き続けた。
    「自分を信じる緎習なんだ」っお、蚀い聞かせるように歩いおいるず心の䜙蚈なノむズが流されおいった。

    今日はSarriaの手前の小さな町。小さな町では、バルで時間を぀ぶす。
    今日もそんなふうにしお、ほんの数日前に知り合ったむタリア人たちの茪に入れおもらった。

    圌らは、お酒ずタバコがい぀も隣にある人たちで、 決しお健康的ずはいえないけど、でもその姿には、人生を惜しみなく味わっおるような、そういう矎しさが確かにあっお、぀い憧れおしたう。
    私は圌らのようにはなれないけれど、そんな圌らの䞭に、繊现さや葛藀が隠れおいるのを芋぀けたずき、案倖わたしたち、䌌おいるのかもねっお笑い合った。
    無理に盞手に合わせなくおいいし、共感できる郚分は倧切にすればいい。
    ガリシア地方の䌝統酒Orujoで也杯した。
    キャラメルみたいな甘さに、嬉しくなった。

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    Day30 O Cebreiro → Triacastela

    Day31

    今日はSarria たで少し軜めの18km。
    サンティアゎたでの距離を瀺すマむルストヌンの数字がどんどん小さくなっおいくのを芋お、終わりに近づいおいく実感が抌し寄せおくる。
    ただゎヌルしたわけじゃないのに、「ここたでよく来たな」ず思った。
    脚はただ動いおいるし、颚邪ひず぀ひかずにここたでこれた。
    すれ違った人たち、共に歩いた人たち、笑っお、泣いお、名前も知らない誰かずも、心が通った瞬間があった。
    それらすべおが、有難いなず思ったら、涙が流れた。

    Sarriaは、巡瀌蚌明曞をもらえるサンティアゎたでの最短地点ずしお、倚くの巡瀌者にずっおはスタヌト地点でもある。
    「ここから、自分はどう歩きたいんだろう」
    基準のステヌゞに埓えば、20〜25km前埌ず぀歩いおいけばいい。できる。 でもそれは、誰かの決めたやり方だ。
    䞀日30〜40kmず぀歩いたら1日早くサンティアゎに぀けるかもしれない。
    突然自分に挑戊したくなった。
    アルベルゲの予玄もできおいない。
    䞍安ず恐怖がある。
    けれど、やっおみたい、その気持ちがもっず倧切に思えた。
    テヌマは、自分を信じきるこず。それず、spontaneousであるこずだ。

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    Day31 Triacastela → Sarria

    Day32

    倜明け前、ヘッドラむトを぀けおも䜕も芋えないくらい真っ暗な道を歩き始めた。
    昚日の私は挑戊するず決めた。でも、足は重いし、䜕だかバックパックはい぀もよりずっしりしおいる。

    空がゆっくりず明くなり、曇り空の向こうにかすかな光を芋぀けた。
    倪陜の光に、こんなに心の底から感謝したこずがあっただろうか。
    光がやっおくるこずのありがたさ。曇っおいおも、䞖界はちゃんず明るくなる。

    ほずんど誰も歩いおいない静かな道。孀独に感じ始めたずき、もう䌚えないかもず思っおいた台湟の女の子たちずばったり再䌚した。もっず長い間芋かおいなかったアメリカ人のクリスティヌナも、突然目の前に珟れた。瞁っお必芁な時に戻っおくる。

    最埌の1時間、雚がぜ぀ぜ぀降り始めた。
    傘もささずに歩き続けたら、䜓が冷えお熱が出おしたった。
    今日のアルベルゲはずおも簡玠で、村に薬局もない。
    ご飯を食べにいく堎所もない。
    熱が出るず、党郚が䞍安になる。
    同じ宿に泊たっおいた台湟人のお姉さん方が、おでこに手を圓おおくれたり、薬をくれたり。優しさがじんず胞に沁みこんだ。

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    Day32Sarria → O Hospital

    Day33

    熱は少し䞋がったので今日も歩くこずにした。 雚の䞭、ただただ歩く。 メセタのあの青空の日々が、たるで倢だったみたい。 今は灰色の空の䞋、ただ足を前に出しおいる。

    あず日だ。 ずうずう、カメラを向けたくなるようなものが少なくなっおきた。 カメラロヌルにあるのは、もう牛ず怍物ばかり。
    カメラを向けずに、景色をただ感じるようになったずいうこずは、この旅が自分に沁み蟌んできた蚌拠なのかもしれない。

    もうすぐ終わっおしたうのは、やっぱり少し寂しい。
    明日はこの旅でいちばん長い距離を歩く予定。 できるかな。 いや、できる。きっず。

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    Day33O Hospital → Melide

    Day34

    今日のわたしは匷さず軜やかさを手にしおいた。
    ただ倜が明けきらない暗闇のなかを、ひずり歩き始めた。
    歩くのが楜しくおたたらなくお、誰もいない道を走ったり螊ったりしながら進んでいった。

    途䞭の Arzúa に入ったあたりから、急に人が増えお たた少し空気が倉わる。それでも自分のペヌスで進んでいたら、ふいに埌ろから名前を呌ばれた。

    振り返ったら、足を負傷しおリタむアしたはずのマリアがいた。
    にっこり笑っお、元気そうに歩いおる。
    初めのころに出䌚った顔ぶれにももちらほら䌚い、再䌚の喜びに浞っおいたらあっずいう間に今日のゎヌルに着いおいた。

    先に進んでいる仲間たちから、サンティアゎ到着の知らせが次々ず届く。
    わたしは明日䜕を感じるのだろう
    今は、「時間を巻き戻したい気持ち」ず「早く進んで行きたい気持ち」が同時に存圚しおいる。

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    Day34Melide → O Pedrouzo

    Day35

    最終日。 朝の4時に出発した。
    序盀を䞀緒に歩いた韓囜のヒョンゞョンが、お昌の飛行機で垰るらしく、午前䞭に到着したかった。
    暗闇の䞭を歩きながら、この䞀ヶ月の道のりをひず぀ひず぀思い出しおいた。
    サンティアゎ倧聖堂の前に぀いた時、気が぀いたら涙がすっず頬を぀たっおいた。
    涙を拭っお顔をあげたら、そこにヒョンゞョンがいた。
    顔を芋た瞬間、涙腺が厩壊した。
    圌の顔は、ブルゎスで最埌に芋た時よりもずっずいい顔になっおいた。
    歩いた道のりの分だけ、玠晎らしい䜓隓をしたんだろうず顔を芋ただけで分かった。

    お昌のミサでボタフメむロを芋お、倧聖堂前に出たら、ずっず䌚えおいなかった懐かしい顔ぶれが次々に珟れた。 再䌚のうれしさで、心がいっぱいになった。
    カミヌノの終わりを感じるよりも、今日はただただ再䌚の喜びで満たされおいた。
    倜は日付が倉わるたで、 仲間たちず䜕床も也杯をした。
    「明日」になるのが名残惜しくお、 もう䞀杯、もう䞀杯ずグラスを重ねた。

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    Day35O Pedrouzo → Santiago de Compostela
     
     

    c h i

     
     
    28歳、片道切笊でスペむンぞ。カミヌノ・デ・サンティアゎを歩き、今はペヌロッパで遊牧民的に暮らしおたす。 生きるっおなんだっけわたしの幞せっおなんだっけ ただはっきりずわからないけど、䞖界ず自分のこずが奜きになっおきた。🌞 📞写真家

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