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【掌線小説】「Jゞェむ」


    《掌線小説》 J ゞェむ

     十月の午埌、倧通公園のベンチに、僕は腰を䞋ろしおいた。秋の日差しが柔らかいけれど、ふっず顔に圓たる冷めた颚は、秋の終わりを感じる。

     平日のこんな時間に、ここに座っおいるのは、䜕幎ぶりだろうか。䌚瀟を蟞めるず蚀い出せないたた、有絊を消化しおいる、ずいうのが、今日の蚀い蚳だった。
     萜ち葉の匂いが、湿った土の匂いず混ざっお、錻先をかすめる。
     僕は行き亀う人を、がんやりず眺めた。スヌツ姿の男性がスマヌトフォンを片手に早足で通り過ぎおいく。若い母芪はゆっくりずベビヌカヌを抌しお、地䞋鉄の駅に向かっおいる。

     みんな、どこかぞ向かっおいる。
     僕だけが、どこにも向かっおいない。

     ふず、ベンチの隣に、小さな圱。
    「おじさん、ここ、すわっおいい?」
     五歳くらいの男の子だった。少し離れたずころで、母芪らしき女性が携垯電話で話をしおいた。
    「もちろん、いいよ」
     男の子は、䞡足をぶらぶらさせながら、空を芋䞊げた。
    「がくね、うちゅうひこうし になるんだ」
     思わず、笑みがこがれた。
    「そうか。すごいな」
    「おじさんは」
     答えに、詰たった。
     䞉十六歳の僕は、䜕者でもなかった。
     地元の倧孊を出お、ようやく内定をもらった䌚瀟で、十二幎。数字に远われ、頭を䞋げ、気が぀けば終電で垰る毎日。
     子どもの頃、絵を描くのが奜きだった。挫画家になりたかった。だけど、い぀から蚀わなくなったのだろう。「珟実を芋ろ」ず、誰かに蚀われたのか、自分で蚀い聞かせたのか  。もう、思い出せない。
    「おじさんはね」
     僕は、男の子の方を、向いた。
    「挫画を描く人に、なりたかったんだ」
    「なれなかったの」
    「うん。なれなかった」
     男の子は、しばらく考えおから、蚀った。
    「きっず、なれるよ」
     秋颚が、匷く吹いた。
     萜ち葉が舞い䞊がっお、男の子の髪を軜く揺らした。

     母芪が、迎えに来た。䜕床も頭を䞋げる圌女に、僕は、銖を振った。

     ── ベンチに、ひずり。
     なぜか、笑っおしたった。
     ポケットの䞭で、スマヌトフォンがぶヌん、ぶヌんず震えおいるけれど。
     僕は、南1条のセントラルで、クロッキヌ垳ず2Bの鉛筆を買っお垰ろう、ず思った。
    了


    あずがき

    曲の䞖界芳を掌線小説にする詊み

    2026幎3月、東京郜内の某所にお。
    癜明さんの誘いざないで、内藀みかさんず黒珈さんず密䌚、楜しく飲んでお話する機䌚を埗たした。めっちゃ楜しかったなあ  。

    4月になり、転職したこずもあっお忙しい日々に远われおいたす。

    GWが近くなっお、少しだけひず息぀けそうな時間ができたした。

    ようやくですが、3月に密䌚お話したずきに頂戎したアドバむスから、昔々、「く぀ひも」ずいうナニットで、僕が路䞊ラむブをしおいた頃に䜜った曲から、短いお話を䜜っおみるこずにしたした。

    このシリヌズ、「音の芋える物語」ずしお、ずきどき曎新しおいきたす。


    J 歌・く぀ひも

    2026幎8月ラむブ音源

    2025幎8月のく぀ひもラむブラゞオトヌクでの音源から。

    「J」は僕が䜜詞䜜曲した四曲目のオリゞナル曲です。
    Jは䜕の略 ず、路䞊ラむブをしおいた頃に聞かれたこずもあったような気がしたけれど・・・。

    ぜひ、あなたも予想しおみおください。

    「J」 歌く぀ひも 䜜詞 䜜曲 みのる
    前奏
    E B C#m F#m E B E E

    1番
    E B A E
    少しず぀時が流れお い぀のたにか倧人になった
    E B A E
    行き亀う人の流れを暪目に 公園のベンチに座る
    Am Am7/G Am/F# E Am Am7/G Am/F# E
    忙しい日々に 远われながら 過ぎ去った時間を 惜しみながら
    F G Am Em Am F G E E7 E7
    暮らしのためず働き続け 䜕かを倱っおいくこずに目を぀ぶる
    FM7/E GM7/E Em Am
    ただ同じこずを繰り返す 珟実の䞭で
    FM7/E GM7/E A/E FM7/E GM7/E A/E
    たくさんの蚀い蚳を芚えお 倢を 忘れた 倧人たち

    間奏
    E B C#m F#m E B E E

    2番
    E B A E
    気が付けば誰かに自分自身の倢を重ねお
    E B A E
    小さいころから憧れおいた自分の倢を諊める
    Am Am7/G Am/F# E
    どんなに蚀い蚳したっお 䜕も倉わりはしないのに
    Am Am7/G Am/F# E
    䜕でそんなこずにも 党然気が付いおないんだろう
    F G Am Em Am F G E E7 E7
    無気力が支配するこの䞖界で 倧声で叫べば䜕かが倉わるのに
    FM7/E GM7/E Em Am
    小さいころどんな倢を芋おいたのだろう
    FM7/E GM7/E A/E FM7/E GM7/E A/E
    蚀い蚳を しながら諊める 倢を なくした子䟛たち
    FM7/E GM7/E A/E A6/E A/E
    倧声で 叫べばいいのに 

    ミニアルバム「く぀した」2004より


     
     
    教宀のいちばん埌ろの垭からの物語を。珟圹高校教垫の小説家『くじらの郚屋』シリヌズSF短線「䌊藀倧志は、今日も。」新シリヌズ『音の芋える物語』創䜜倧賞2022䞭間遞考突砎元䞍登校の子の芪奜きなものは玙の本ず逃子カレヌ

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