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Photo bykattan_sugar

古着の洗剤臭に勝利した話

    こんにちは。翁まひろです。小説を書いたり、遺跡発掘をしたり、愛猫を愛でたりしている者です。

    今日は、古着の強烈な「洗剤臭」と戦い、勝利したお話。

    奴(古着)との出会い

    先日、某フリマサイトにて古着を買った。
    夏場の発掘作業時に使えそうな、速乾・UVカットのパーカーだ。
    いつもはネットで安い海外製を買うのだけど、チャックがすぐダメになってしまう。
    「やっぱりチャックはYKKに限るのか」
    ということで、日本の大手メーカーのパーカーを購入したのだ。

    基本的なものはすべて新品で揃えている。
    けど、いちばん外に着るパーカーはすぐに土で汚れてしまうため、もはや消耗品だ。パーカーだけは古着で我慢したい。

    そんな流れで、某フリマサイトで「2、3回着用しただけです」というパーカーを買ったのだった。

    それが人生最大の好敵手――ならぬ香敵手、そう、奴との出会いだった。

    奴だなんて言うけど、状態はとてもよかったです。梱包も丁寧で、対応もしっかりしていて、出品者さまには感謝しかありません。

    ただ、フローラルな芳香がともかくすさまじかった。

    猫を飼っているということもあり、日常的に無香料の生活を送っている。
    おかげで香りの強いものは苦手になってしまい、特に人工香料は耐えがたいぐらいにしんどい。
    そんな私だから過敏に感じてるだけだろう……というレベルを軽く超えてくるぐらいに、すごい。

    室内に吊るしているだけで、部屋だけでなく、廊下にまで香りがあふれだしてくる。
    ベランダに吊るしておいても、窓をちょっと開けた瞬間に、香りがどっと入りこんでくる。

    「これは……すごいぞ」

    通勤電車内などで着ていたら、まちがいなくこのパーカーが香害の元になってしまうだろう。とてもではないが、おそろしくて着れない。そもそも私自身が耐えられない。

    すぐに洗濯機にかけた。
    まったくダメだった。
    それどころか、洗濯機にまで香りが移ってしまった。嘘でしょ?

    でもこのときはまだ、何度か洗って、屋外で干しておけば消えるだろうと思っていた。

    消えないーーーーーーーーーーーー!!!

    何度洗濯しても、嘘みたいに消えない。
    うわー、え、どうしよう。これは着れないぞ、私。

    以前、強烈なカビ臭を放ってしまった古本を無臭化させたことがある。
    そのときに使ったのは、新聞紙だ。数ページおきに新聞紙をはさみ、全体を新聞紙でくるみ、それを密閉容器に入れて、長期間放置する。ひどいと何度か繰りかえす。これで、古本はほぼ無臭化できた。
    同じように、古着にも古着なりの対策方法があるはず。

    まず思いついたのは、重曹だ。室内干しの匂いを消すのに使ったことがある。ネットで調べてみたら、さらに「酢もいける」という記事を見つけた。
    どちらも家にある。

    じゃあ、まずは酢で試してみよう。

    こうして、奴との長い長い長い長い戦いが幕を開けたのだった……。

    酢漬けにしてみた

    ぬるま湯+酢に漬けてみた。
    比率は、水:酢で、1:1だ。
    数時間漬けてから、普通に洗濯機で洗う。
    さて、結果はいかに。

    ダメでした。

    洗った直後は「あ、薄まった」と思ったけど、屋外干しして、乾いたものを室内に取りこんだ瞬間、ふわああああ~~~~~~っと香りがあふれだし、2階の部屋、廊下がすべてフローラルな香りに。

    つらい。これはつらい。

    ちなみにこの古着の香り、決して悪い香りではない。
    すごく変な言い方になるけど、たとえるなら美しいお姉さんのお風呂あがりの匂いだ。なぜかこの表現しか浮かばない。
    ただ、あまりに強すぎる。かすかに香るぐらいならいいけど、これは室内に取りこんだ瞬間から、香りという触手を、家中に伸ばしはじめるのだ。

    猫かわいそう。私もかわいそう。

    さらにもう一度、長めの時間で酢漬けにしてみたが、結果は変わらなかった。

    重曹漬けにしてみた

    酢がダメなら、重曹だ。
    ということで、重曹とぬるま湯で古着を漬けてみた。
    40℃のぬるま湯に重曹をドバドバっと溶かし、半日浸けて、洗濯機。

    ハイ。ダメでした。

    多少は薄まったかな、なんて希望もむなしいほどに、香る。
    これまた何度か試したけど、まったくダメでした。

    ここまで来ると、だんだん出品者さんの体調が心配になってくる。
    もし日常的に頭痛がしたり、体調がすぐれないなあ、と感じてる人がいたら、「もしかして洗剤?」といっぺん疑ってみてください。
    香りというのは、粒子だという。人工香料の粒子を吸いこむということは、毒素を体内にとりこむということだ。
    それをふまえて、洗剤の量や柔軟剤の量の、ぜひ見直しを。分量計算を面倒がって、とりあえず付属のカップ一杯でいっか、なんて思ってはいやしないだろうかハイ、思ってました。(過去の私)
    実はそれだと多すぎる場合がある。お金の節約にもなるので、一度だけ、きちっと水分量に対する洗剤量を考えなおしてみるのもよいです。台所用洗剤も同じで、よく読むと「水で薄めて使う」なんて表記があったりする。原液をたっぷりスポンジにしみこませて……という人は、もしかしたら使いすぎているかもしれない。
    ……それにしても、製品の説明書きって、文字が小さすぎますね。

    台所中性洗剤に漬けてみた

    いろいろと調べる過程で「酢と重曹よりもおすすめなのは、台所の中性洗剤」と出てきた。
    ここに至るまでに、noteの記事も含めていろいろな方々の闘いぶりを拝読してきたけど、古着がなぜ香るのか、など、ためになることが色々と学べた。本当にありがとうございます。
    それらの細かい話は、ほかの方の記事にお任せするとして、私のほうは奮闘の記録のみを連ねる。

    ということで、台所の中性洗剤で漬けおきしてみた。

    1/3ぐらいまで減臭できた……!?

    これまでに唯一、大きめの効果があったのが中性洗剤だった。おおお。
    だいたいの古着は、このあたりで香りが消えてなくなるのではないだろうか?
    それでも、私の香敵手は強力すぎた。元の香りがあまりに強く、まったく着れる状態にはない。
    ということで、さらに2回、計3回、中性洗剤で漬け置き洗いをしてみた。

    ……うーん、1/3から進んでくれないなあ。

    台所中性洗剤で揉み洗いをしてみた

    とりあえず調べたところによると、香りの元は、衣服の繊維に入りこんで固まってしまっている状態らしい。
    なので今度は、分量少なめにしたぬるま湯に古着をひたし、中性洗剤を多めに入れて、徹底的に揉み洗いをしてみた。

    ぐいぐい。
    ぐいぐい。
    香りの元となっている物質を、繊維の隙間から追いだすように。

    そこから漬けたまま半日以上を放置。

    結果はというと……

    だいぶマシになった!!

    最初は、室内に吊るしておくだけでも、同じ階全体が香ってしまっていたのだけど、それがなくなった。
    それでもなお、1メートルまで近づくと、香りが伝わってくる。
    だいぶマシではあるけれど、無香料生活を送っている私にはまだちょっと着れない。

    「いったん屋外で着てみたら、だいぶ違うかなあ」

    すでにこの香りに対して、過敏に反応してしまっている。街を歩いていても、同じ香りをまとった人とすれちがうと、「どこの製品ですか」と問いただしたくなるぐらい敏感になっている。
    案外、もう気にならないぐらいにはなっているのかもしれない。ここで「着れない」というのは、「もうおまえ、古着買う権利ないよ」と突っ込まれてもしかたないような状態かもしれない。

    これで完了としてみようか……。

    己に屈しそうになった瞬間だった。

    ところが、溜め息まじりに車を運転しているとき、ふと思いだした。

    あれ。
    もしかして車内用の強力消臭スプレーが利くんじゃないか!?

    車内用超強力消臭スプレーをかけてみた

    昨年の車検時、エアコンフィルターを清掃してもらった。
    香料のある洗剤を使っているのだろう、車検後の車内はフローラルな香りにくるまれていた。
    きつい。毎度のことなのに、今回も「香りが苦手なので、フィルター清掃しないでください」と言い忘れてしまった。でも、過去の経験から、一週間ほどで消えてなくなる。それまでの辛抱だ。

    そう思っていた。

    40度近い真夏だったせいか、思いがけないことが起きた。
    炎天下にさらされつづけた車内で、その香料が、どうやら腐敗してしまったようなのだ。
    もしくは変異した。いや、実際にどうだったのかはわからないが、車検から一週間ほどのち、エアコンの中からとんでもない腐敗臭がただよいだした。
    甘くて、フローラルで、でも腐ってる。
    最初はどこが香源かわからなかった。
    その頃、発掘現場で山の中まで車通勤していたこともあり、「もしかして、カメムシでも入りこんでる?」と疑った。あるいは考えたくないけど、ボンネットの中に猫ちゃんが入りこんでしまっている……?
    おそるおそるボンネットを開けてみても、なにもいない。なにより、まったく匂ってこない。
    匂いの出どころを探ると、明らかに車内。でも、シートでもないし、足元でもない……。どうもエアコンのあたりからする。
    ハッ、もしかして車検時の香料洗剤……?

    半月が経っても、匂いは消えず、むしろ腐敗が強まっていっている感じがあった。これはつらい。この頃、通勤に片道2時間かかっていたので、健康被害も起きそうだった。
    ディーラーのもとに行きたいが、いまいちエアコンかどうか自信がない。
    そこでホームセンターで悩みに悩んだすえに買ったのが、車内用の速乾性消臭スプレーだった。

    この手のものには懐疑的だ。「本当に効くの~?」という気分だった。
    ところが。

    消えたのだ。驚くべきことに。

    最初は空間全体にスプレーをふりかけてみたのだけど、そちらはあまり効果がなかった。「やっぱり効かないか」。
    でもせっかく買ったしということで、ダメ元で、エアコンの内部にふきかけ、そのまま一晩放置してみた。
    すると翌日、車内がまったくの無臭になっていることに気がついた。

    ワ~オゥ!!!!

    見事に私の厚い信頼を獲得した。

    そのスプレーの存在を思いだし、急いで用途を読む。
    「布にも使える」と書いてある。そりゃそうか、車内のシートに使えるのだから。
    ということは……古着にも使えるはず。ゴクリ。

    ということで、最後の勝負ということで試してみた。
    壁に吊るして、30cm以上、距離を離して、右肩に3回、シュッシュッシュッ。左肩に3回、シュッシュッシュッ。袖に……内側に……とどんどんスプレーを3回ずつ、噴きかけていく。

    一瞬で消えた。

    ……え、本当に?

    …………え、え、本当に?

    まったくの無臭だ。
    スプレーの匂いそのものはするが、洗えば消えるだろう。

    念のため、半日そのまま放置し、さらに大きな袋に閉じこめて、袋内の空間にもスプレーをしてみた。
    そして半日後に洗濯機に入れて、洗ってみる。

    …………消えてる。

    フードの布地が厚い部分は、まだかすかに香るが、ここまでくるとシャンプー程度の香りだ。
    わ。これなら着れる。

    発掘現場に持っていってみた。もし消えてなくて、電車内で香りを振りまいてしまったら申し訳ないので、現場で羽織ってみる。
    うん、気にならない。動くと、軽くフードのあたりからただよってくるかなあ、という程度だ。帰宅したら、今度はフードのあたりを念入りにスプレーしてみよう。
    念のため、同僚に「香る?」と訊いてみた。

    「鼻いいほうだけど、香らないよ」

    うわああああああああ!!!
    消えたーーーーーーーーーーーーーーーー!!!

    結果

    闘いはじめて、半月。
    こうしてついに、人生最大の香敵手に勝ったのだった。

    酢や重曹、台所中性洗剤で、だいぶ薄まっていたことも要因だとは思うけど、最後に徹底的に効果を発揮してくれたのは「車内用スプレー」でした。

    そのスプレーというのは、こちらの「ドクターデオ・プレミアム」。

    通販番組みたいになっちゃいましたが、アソシエイトにも入っていませんので、どうぞお気軽にポチっと商品説明に飛んでみてください。

    使用用途からちょっと外れてるかもしれないけど、靴に噴きかけている写真もあるから、そう間違ってもいない……?

    今回は安い古着だったということもあり、惜しげもなくいろいろと試せたけれど、高価な古着だとクリーニング店に相談したほうがいいかもしれない。
    ともかく「家にあるもので」縛りで戦った結果、こんな結果になったのでした。

    車内用消臭スプレーを持っている人はあまり多くないとは思いつつも、いつかのどこかの誰かのヒントになれば!

    ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
    やっと着れる……ホッ。

    続報

    1週間後の追記)
    無事に着れるようになりました。
    屋外で着る分には、まったく香りは気になりません。
    ただ、結果に書いた「フードの布地が厚い部分は、まだかすかに香るが、ここまでくるとシャンプー程度の香りだ」というところが、やはり消えてくれません。
    洗濯後に消臭スプレーをかけると、一時的には消えるけど、洗濯してしまうと、その「かすかな香り」が戻ってきてしまう。
    完全勝利とは言いがたいようです。
    完全に無臭化できるまでがんばってみます!(無臭化できるまでは、室内に吊るしておくと私も猫もしんどいので、消臭袋に入れて保管しています)

    さらに続報

    さらに1週間後の追記)
    何度か着用し、洗濯。だいぶ「かすかな香り」も薄まってきました。
    鼻を近づけると「香るなあ」という程度で、ごく一般レベルにまで減臭化できました。
    さらに「ドライヤーをかけると、香りの粒子が気化して、消える」という情報をnoteで得て、軽くドライヤーをかけてみました。
    ドライヤーをかけた直後は無臭になるけど、やっぱり翌日には戻ってる。もっときちんとドライヤーをかけたら、消えてくれるかな? 試してみよう。
    とはいえ、もうほとんど気にならない程度になったので、いったんヨシとしています。
    それでも化学物質過敏症の方には、これでもきついのではと思う。

    周囲に「香害」の話をしても、ピンとこない人も多いようなので、もっと認知が広まることを願って、最後に「シャボン玉せっけん」さんのわかりやすい説明を掲載しておきます。
    花粉症の人などは特に、今後、発症する可能性が高めだと思うので、ぜひご一読を……!


     
     
    小説家/遺跡発掘人/猫の下僕 ◎角川文庫 『その凶地、発掘調査いたします』(10/23発売予定) 『崑崙花街のまじない屋』 『牡丹と獅子 双雄、幻異に遭う』 『菊乃、黄泉より参る!』 ポートフォリオ : https://lit.link/okinamahiro

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