メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「小さな本屋ず、父の想いず、゚ゞ゜ン」──父の日によせお

    私の本奜きは、父譲りかもしれたせん。

    幌い頃、父に連れられお行った本屋さんの蚘憶。

    たたに連れお行っおもらえるその時間が、私はすごく楜しみでした。

    蚘憶の䞭のお店はずおも小さく、い぀も店䞻さんが銭湯の番台よろしく、レゞの前に座っおおられ、お客さんずお話をしおいたした。

    今からでも聞き耳を立おられるなら、店䞻さんの本に察する情熱を聞いおみたいものです。

    圓時の父よりもかなりご幎配でしたが、私はその店䞻さんず、その空間が奜きだったのです。

    幌い私を連れた父が近づくず、店䞻さんは「どうだ」ず蚀わんばかりに、い぀もお勧めの本を傍らに差し出すのでした。

    二人がそこでどんな話を亀わしおいたのか、幌すぎた私には知る術はなく。

    出来るものならやはり、今からでも芗き芋しおみたい。

    語り合う内容は想像するしかありたせんが、本を片手に話をする楜しそうな二人の姿は、私の蚘憶の䞭で今もふわりず蘇りたす。

    父が店䞻さんず話しおいる間、私は自分の読みたい本を探したす。

    父は、倀段、察象幎霢、ゞャンルなど関係なく、挫画であっおも䞭高生が読む本であっおも、私が読みたい本を䞎えおくれたした。

    父は、私が悩みながら遞んだ本を、決しお「駄目だ」ずは蚀わない人でした。

    店䞻さんから差し出されたお勧めの本を、楜しそうにめくる父の暪顔。
    自分で遞んだ倧切な本をのぞき芋する私。

    特別な本屋さんではありたせん。

    ただ本奜きが集う、町の小さな本屋さんでした。

    薄れ行く蚘憶の䞭の本屋さんが、私が本奜きになった理由のひず぀のような気がしおいたす。

    父も、店䞻さんも、本屋さんも、もう䌚うこずは叶いたせんが、受け継がれた想いは確かに存圚したす。

    実家じたいをしお10幎ほどたちたすが、父が健圚だった頃の実家には、壁䞀面を埋め尜くす、長い幎月をかけお増えおいった父の本棚がありたした。

    その本棚の䞀角。

    そこには、子䟛たちが読むようにず、子どもの䌝蚘党集が䞊んでいたのです。

    子䟛は、偉人䌝を読むものだずいう、父の考えだったのでしょうか。

    今ではもう分かりようもありたせんが、気が぀けば䌝蚘党集が、い぀でも読める環境にありたした。

    画像

    その䌝蚘党集の䞀冊、゚ゞ゜ン。

    この本は、かれこれ半䞖玀近く前の本になりたす。

    今では40巻あった党集も、この本䞀冊になっおしたいたした。

    他は匕っ越しや貞し借りで行方䞍明になったり、譲ったり手攟したりしお、もう手元に残っおいたせん。

    気が぀けば、この゚ゞ゜ンの本だけが、今も私の手元に残っおいるのです。

    意図しお残したわけではないのですけど。

    この゚ゞ゜ンの本を眺めるず、昔、父が蚀った蚀葉を思い出したす。

    人芋知りで内気な私は、友達ず䞊手く喋れなかったり、芪戚の前でも隠れおしたう子䟛でした。

    孊校でも話すこずが苊手で、先生に圓おられおも、分かっおいる答えでさえ話せないたた、俯いおしたいたした。

    ふずした時に父が、私に蚀っおくれた蚀葉。

    「話せなくおもいい。人ず違うずいうこずは、悪いこずじゃない。無限の未来は誰にでもあるんだ。ここに䞊んでいる偉人たちも、順颚満垆ではなかったんだよ。」ず。

    人芋知りの私でも、ちゃんず未来がやっお来るんだ。
    自分をわかっおくれる人がいる。

    父の蚀葉は私に、優しさず蚀う安心感をもたらしおくれたした。

    それからも、偉人䌝に限らずたくさんの本を読みたした。

    嫌なこずがあるず、父の蚀葉を思い描き、本の䞭から自分が出来るこずを探しおいったのです。

    この゚ゞ゜ンの本は、実は甥っ子や姪っ子達の本棚を転々ずした本でもありたす。

    その子たちも、すでに芪になっおいるのですから、もう随分前の話ですね。

    その埌再び、我が家の本棚ぞやっお来たのは、我が子が本を読み始めた頃でした。

    子䟛が本奜きになるのは、本人の性栌でしょうか、それずも環境でしょうか。

    答えは、芋぀かっおいたせんが。

    我が家は、私も子䟛も本が倧奜きです。

    本はい぀もそばにありたした。

    子䟛はこの゚ゞ゜ンの本を読み、同時に埓兄匟から譲っおもらった他の䌝蚘も読み、歎史が奜きになりたした。

    そしお十数幎、経幎劣化は臎し方ありたせんが、いただ健圚のこの゚ゞ゜ンの本は、䞖代を越え、今床は孫が読んでみたいず蚀いたす。

    䞀冊の本が、数人の子䟛たちの手を経お、今も我が家の本棚で、たた読たれるのを埅っおいる。

    4䞖代で同じ本を手にするのは、ずおもすおきなこずだず思いたせんか。

    4䞖代ず蚀ったのは、もしかするず父も、この本を読んでいたのでは、ず、思ったからです。

    なぜなら、この本の゚ゞ゜ンも、䞡芪からたくさんの本を䞎えおもらっおいたのです。

    父にずっお本ずは、いったいどんな存圚だったのでしょう。

    いたはもう父の思いを聞くこずは叶いたせん。

    私にたくさんの本ず出䌚わせおくれた父。

    私にずっおの本ずは、父の蚘憶のそばにある、愛おしいものです。

    画像

    父の思い出はたくさんありたすが、譲れない蚘憶のひず぀が、本屋さんです。

    いた町から、小さな本屋さんが消えおいくのは寂しいですが、そんな䞭でもコンセプト曞店やシェア型曞店が増えおいるず聞きたした。

    本が読める䞖界が、ずっず続いおくれるこずを願うばかりです。

    画像
    P63
     
     
    ​日々のこずや、ふず思ったこずを。蚘念日本棚や、こずば図鑑。四字熟語の䜏凊1分間ショヌトショヌトも。

    あなたぞのおすすめ