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コードよりも、会話が資産になる——AIとのやり取りを「捨てない」という新しい発想

    Smiles

    今日、Claude Codeに作らせた変更履歴(CHANGELOG)を公開して、自分の指示の穴を添削する記事を書きました(https://note.com/caret_smiles/n/n347de94f9dba)。
    あの記事が書けたのは、「どの指示が、どの変更を生んだのか」の記録が残っていたからです。
    記録はCommit履歴をもとにClaude Codeへ指示して作らせた、手作業の即席品でした。

    記事を書き終えたあとに知りました。同じ発想を、本気の仕組みにしようとしている会社があることを。コードエディタ「Zed」の開発元が発表した「DeltaDB」です。


    DeltaDBとは何か

    Zedは今年6月中旬、新しいバージョン管理システム「DeltaDB」を発表し、早期アクセスの受付を開始しました。

    従来の開発では、Gitの「コミット」——作業の節目ごとに保存されるスナップショット——が記録の単位でした。でもAIとの開発では、短い指示と編集が高速に何度も繰り返されるため、あとから最終結果だけを見ても「どの指示で、なぜこう変わったのか」が分からなくなります。

    DeltaDBは、コミットとコミットの間に起きるすべての操作を記録し、AIへのメッセージと、それが生んだ編集を並べて保存します。コードのどの行からでも、それを生んだ会話にたどれる。逆に、会話のどの発言からでも、それが触ったコードに飛べる、という設計です。

    共同創業者のネイサン・ソボ氏は、この構想の背景を「コードを生成する会話こそが、ソフトウェアの真のソースになりつつある」と表現しています。私のCSVツールでも、「なぜ4択の集計方法になっているのか」という理由はコードのどこにも書かれておらず、Claude Codeとのやり取りの中にしかありません。「なぜ」は会話の側にある——これは実感のある話でした。私が手作業でやったことの、自動化・徹底版と言えます。

    参照:GIGAZINE(https://gigazine.net/news/20260612-zed-deltadb/)
    参照:Zed公式ブログ(https://zed.dev/blog/introducing-deltadb)


    面白い。でも、少し様子見です

    正直に書くと、私はまだ飛びつかないことにしました。理由はプライバシーです。

    すべての会話と編集が記録されるということは、これまでローカルに留まって消えていたもの——試行錯誤の行き止まり、未整理のアイデア、会話に混ざる業務の機微な情報——が、消えなくなるということです。コードよりも会話のほうが、生の情報を多く含んでいます。実際、発表直後からエンジニアの間でも、コミット前の思考過程が自動記録されることへの懸念が提起されています。

    そして、DeltaDBの記録がどこに保存され、チームで共有したとき誰がどこまで遡れるのかといった詳細は、現時点の公表情報からは確認できませんでした。

    Early Accessのウェイトリストには登録しましたが、実際に使うのは、この点の情報が出て、自分で確認できてからにするつもりです。「会話が真のソースコード」という思想を受け入れるなら、会話はソースコードと同じく、何を記録し、誰に見せ、どこに保管するかを設計する対象になるはずだからです。


    それまでの間、今できること

    仕組みの成熟を待つ間も、「会話を捨てない」ことは今すぐできます。
    私がやっているのは2つです。

    一つは、変更のたびにログファイルを更新するようClaude Codeに指示しておくこと。今日の記事の通り、指示は具体的に(タイムスタンプは時刻まで、です)。

    もう一つは、良い成果物が生まれた対話を、成果物とセットでObsidianに残しておくこと。6月27日の記事で書いた通り、Obsidianはローカルファーストで、データは自分のPCの中にあります。会話は残す、ただし自分の手元に、自分の管理で——今のところ、これで十分だと思っています。


    成果物だけを保存して、それを生んだ会話を捨てていないでしょうか。

    AIと働く時代の「本当の作業記録」は、成果物ではなく対話の側にあるのかもしれません。

     
     
     

    Smiles

     
     
    生成AIを日々使う中での気づきを発信しています。 Claudeで作った対策問題集でDS検定リテラシーレベルとG検定に合格しました。 現在、再現性を上げるべく他の検定試験も模索中です。

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