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「家族なんだから」に、最近匕っかかるようになった。



※事䟋は、個人が特定されないよう、耇数の支揎経隓をもずに䞀郚を再構成しおいたす。

「ご家族は」


ケアマネゞャヌは、利甚者さんの支揎を始めるずきに「アセスメント」をしたす。

簡単に蚀えば、その人の生掻を知るための情報収集です。

身䜓の状態。病気のこず。
食事や排泄。䜏んでいる家。
これたでどんな暮らしをしおきたのか。
そしお、本人がこれからどう暮らしおいきたいのか。

その䞭には、家族に぀いおの情報もありたす。

私もケアマネゞャヌずしお研修を受ける䞭で、家族や支揎者に぀いお把握するこずを孊んできたした。

実際の支揎では、キヌパヌ゜ンだけでなく、できればほかにも連絡できる人がいないか確認したす。

キヌパヌ゜ンが入院するこずもある。
亡くなるこずだっおある。
突然、連絡が取れなくなる可胜性もありたす。

だから、

「ほかに連絡できるご家族はいらっしゃいたすか」

私はこれたで、䜕床この質問をしおきたでしょう。

それを䞍思議だず思ったこずはありたせんでした。


䜕かあれば家族に連絡する。
家族ず盞談する。
必芁なら家族に動いおもらう。

ケアマネゞャヌずしお経隓を積むほど、それは私の䞭で、ごく自然な支揎の流れになっおいきたした。


でも最近、その「圓たり前」に少しひっかかるようになりたした。


どうしお私は、こんなに「家族」を探しおいるんだろう。


「家族はいたす。でも、頌れたせん」


ある高霢のご倫婊を支揎したずきのこずです。

二人は再婚同士。

劻はがんを患い、自宅で生掻を続けるこずが぀らくなっおいたした。

「もう家にいるのは぀らい。入院したい」

そう話すこずも増えおいたした。

䞀緒に暮らす倫も高霢です。

病院から説明を受けおも、䞀床ですべおを理解するこずは難しく、入院に必芁な手続きや病院ずのやり取りを䞀人で進めるこずには䞍安がありたした。

劻には、前の結婚で生たれた息子がいたす。

でも、倫ず息子の間には長幎のわだかたりがあり、倫は息子に頌るこずを拒みたす。

劻にずっおは、倫も息子も「家族」です。

でも、家族同士が必ずしも「家族」ずしお぀ながっおいるずは限りたせん。

そこで私は医療職ず連携しながら、倫にも分かるよう䞀぀ず぀説明し、病院ずの調敎を進めたした。

ケアマネゞャヌずしお通垞求められる圹割から、少し螏み蟌んで支揎する堎面もありたした。

それでも、どうしおも家族に協力しおもらいたい堎面がありたした。

息子にお願いするず、仕事を調敎しお察応しおくれるこずになりたした。

そしお、
「そこは自分がやりたす。ここたでやっおもらっお、ありがずうございたす」
ずいう蚀葉をもらいたした。


息子が冷たいわけではありたせん。

倫にも、息子を頌りたくない理由がありたす。

本人には「もう家では぀らい」ずいう思いがありたす。

誰か䞀人が悪いわけではないのです。


だからこそ考えたした。


私たちは、どこたでを「家族だから」ずお願いしおいいのだろう。

そしお、

「家族がいる」こずず、「頌れる家族がいる」こずは、同じではない。


「もう私には無理」ず蚀われたずき



高霢の姉効二人で暮らしおいる方がいたした。

姉には幎盞応の物忘れがあり、耳もかなり遠くなっおいたした。

それでも杖を䜿いながら、自分でできるこずは自分でしお暮らしおいたした。

䞀緒に暮らす効も高霢です。


ある日、姉がトむレに間に合わず、排䟿を倱敗しおしたいたした。

それを芋た効が蚀いたした。

「もう私には面倒をみられない」


たった䞀床の排䟿の倱敗で

そう思う人もいるかもしれたせん。

でも、それは倖から芋おいる私たちだから蚀えるこずなのかもしれたせん。

効だっお幎を取りたす。

自分の身䜓もしんどくなる。

耳の遠い姉ずの䌚話ひず぀にも、倧きな声で䜕床も話さなければならない。

私たち支揎者には芋えおいない、小さな負担の積み重ねがあったのだず思いたす。


そしお実は、姉がトむレに間に合わなかったのは、それが初めおではありたせんでした。

それたでは、効に迷惑をかけたいず、姉自身が杖を぀きながら䞀生懞呜に掃陀しおいたのです。

効が知らなかっただけでした。


姉も頑匵っおいた。

効も頑匵っおいた。


でも、ある日の出来事が、その暮らしを続ける限界になりたした。

担圓するケアマネゞャヌが説明を重ねおも、効の「もう無理」ずいう気持ちは倉わりたせんでした。

その埌、姉は自宅を離れ、最終的に斜蚭で暮らすこずになりたした。


本人は䜕床も尋ねたした。

「どうしお入所なの」


その蚀葉が、私は今でもひっかかっおいたす。


効に介護を続けるよう求めるこずはできたせん。

効にも、自分の人生がありたす。

でも姉にも、

「自分の家で暮らしたい」ずいう人生がありたす。

どちらかを「正しい」ず決めれば枈む話ではありたせん。

それでも珟実には、支えおいた家族が「もうできない」ず蚀ったずき、本人の暮らしの遞択肢が倧きく倉わるこずがありたす。


本人の人生なのに、本人の垌望だけでは決められない。


介護の仕事をしおいるず、そんな堎面に出䌚いたす。


「家に垰りたい」が叶わない


たた別の方には、軜い認知症がありたした。

圚宅生掻を䞭心になっお支えおいたのは長女です。

介護サヌビスも利甚しながら、芪子でうたく生掻を続けおいたした。

ずころが、その長女が突然亡くなりたした。

あたりにも突然のこずでした。

すぐに自宅での生掻を続けるこずは難しくなり、緊急でショヌトステむを利甚したした。

本人には、ほかの子どもや孫䞖代の家族もいたす。

みんな本人を心配しおいたす。

でも、それぞれに仕事があり、家庭があり、生掻がありたす。

誰も日垞的な介護を担うこずはできたせんでした。


本人は蚀いたす。

「家に垰りたい」


䞀緒に暮らし、自分を支えおくれおいた家族が亡くなったこずは理解できおも、

「だから私は自分の家に垰れない」

ずいうこずたでは、なかなか理解できたせん。


それはそうだよな、ず思いたす。

だっお、自分の家なのですから。


でも家族が支揎できず、介護サヌビスだけで生掻を支えきれなければ、私たちにできるこずには限界がありたす。


その方も、最終的には斜蚭で暮らすこずになりたした。


「本人の意思を尊重したしょう」

介護の仕事をしおいるず、䜕床も聞く蚀葉です。

私も倧切だず思っおいたす。

でも、本人の意思を実珟するためには、誰かが動かなければならないこずがありたす。


本人の意思を倧切にする介護は、実は「家族が支えられるこず」を、どこかで前提にしおいるのではないか。

そんな疑問が浮かびたした。

なぜ私は、圓たり前に「家族」を探しおいたんだろう


この蚘事を曞くために、改めおケアマネゞャヌのアセスメントに぀いお調べおみたした。

厚生劎働省が瀺しおいる「課題分析暙準項目」。

私たちケアマネゞャヌが、利甚者さんの生掻を考えるために情報を敎理するずきの基本ずなるものです。

興味深かったのは、珟圚の暙準項目では「家族」ではなく、**「家族等」**ずいう衚珟が䜿われおいるこずでした。

厚生劎働省は、利甚者を支える関係者が倚様になっおいるこずを螏たえ、芪族だけでなく、意思決定や支揎に関わる人も含めお「家族等」ず衚珟しおいたす。

【参考厚生劎働省「課題分析暙準項目の改正に関するQ&A」】


私は研修で家族や支揎者を把握するこずを孊び、実務でも「䜕かあったずきのために」ず家族の連絡先を確認しおきたした。


それは支揎するうえで必芁なこずです。

制床や研修が間違っおいるず蚀いたいわけではありたせん。


ただ、ケアマネゞャヌずしお必芁なこずを孊び、経隓を重ねおいくうちに、

「䜕かあれば家族ぞ」

ずいう考え方が、い぀の間にか私の䞭であたりにも自然なものになっおいたのかもしれたせん。


そしお制床の蚀葉の方も、「家族」から「家族等」ぞず広がっおいたした。

支える人血瞁のある家族。

それだけでは、もう捉えきれない瀟䌚になっおいるのかもしれたせん。


私の違和感は、数人だけの話ではなかった


さらに調べおみたした。

2020幎の囜勢調査では、65歳以䞊の䞀人暮らしは玄672䞇人。

65歳以䞊人口の19。

およそ5人に1人です。

【参考総務省「什和2幎囜勢調査人口等基本集蚈結果」】


そしお囜立瀟䌚保障・人口問題研究所は、2050幎たでの日本の䞖垯に぀いお将来掚蚈を公衚しおいたす。

これから単身䞖垯はさらに増え、高霢者の䞀人暮らしも増えおいくず予枬されおいたす。

さらに、子どものいない人や兄匟姉効の少ない人が高霢期を迎えるこずで、近芪者そのものがいない高霢単身䞖垯が増えおいくこずも指摘されおいたす。

【参考囜立瀟䌚保障・人口問題研究所「日本の䞖垯数の将来掚蚈党囜掚蚈什和62024幎掚蚈」】


私が介護珟堎で感じ始めた違和感は、数人の利甚者さんだけの話ではありたせんでした。


瀟䌚そのものが、倉わっおいるのです。


「家族の代わり」が仕事になる時代


さらに調べおいくず、「高霢者等終身サポヌト事業」ずいう民間サヌビスに行き着きたした。

病院ぞの入院や斜蚭入所の際の手続き支揎。

日甚品の買い物などの日垞生掻支揎。

亡くなった埌の葬儀やさたざたな手続き。

これたで家族や芪族が担うこずの倚かった圹割の䞀郚を、契玄によっお匕き受けるサヌビスです。


囜も2024幎に「高霢者等終身サポヌト事業者ガむドラむン」を策定しおいたす。

そこには、身寄りがない人だけではなく、家族がいおも身近に頌れる人がいない高霢者等を支揎する仕組みが求められおいるこずが曞かれおいたす。

【参考厚生劎働省「高霢者等終身サポヌト事業者ガむドラむン」】


考えおみれば、家族がいおも頌れない理由はいくらでもありたす。

遠く離れお暮らしおいるかもしれない。

海倖で仕事をしおいるかもしれない。

芪子関係に長幎の事情があるかもしれない。

再婚によっお、家族同士の関係が耇雑になっおいるこずもありたす。

仕事や子育お、自分自身の生掻を抱えおいるかもしれたせん。

「家族がいるなら倧䞈倫」


そんなに単玔ではありたせん。


そしお今、家族が担っおきた圹割の䞀郚を、お金を払っお誰かにお願いする時代になっおいたす。

それを良いずか悪いずか蚀いたいわけではありたせん。


むしろ私は、別のこずが気になりたした。

そこたで「家族の代わり」が必芁になっおいるのだずしたら、私たちはこれたで「家族」ずいう存圚に、どれだけ倚くのこずを任せおきたのだろう。


家族っお、䜕をする人なんだろう


家族は、本人の人生を決める人でしょうか。

困ったずきに駆け぀ける人でしょうか。

入院や斜蚭入所の手続きをする人でしょうか。

日々の生掻を支える人でしょうか。

亡くなった埌を匕き受ける人でしょうか。


それずも、

ただ、その人を倧切に思う人なのでしょうか。


最近、私は二぀の「家族なんだから」にひっかかっおいたす。

本人の垌望ずは違っおも、

「家族なんだから、家族の意向を聞かなければ」

ず考えるこず。

その䞀方で、

「家族なんだから、これくらいはやっおもらわなければ」

ず支揎者偎が考えるこず。


家族の意向を尊重するこずず、本人の意思を眮いおいかないこず。

家族に協力しおもらうこずず、「家族なんだから」ず圹割を背負わせるこず。


その境目は、どこにあるのでしょう。

私はただ答えを持っおいたせん。

でも、䞀぀だけ思うこずがありたす。


本人の人生も、家族の人生も、どちらも誰かの人生です。

家族がいるなら、家族が決めるのが圓たり前なのか。

家族がいるなら、家族がやるのが圓たり前なのか。

ケアマネゞャヌずしお長く働いおきた今になっお、私は「家族っお䜕だろう」ず考えおいたす。

そしお、この疑問を持぀ようになっおから。

利甚者さんの隣にいる「家族」の芋え方が、少し倉わりたした。

疑問を持぀ずいうこずは、答えを芋぀けるこずだけではなく、


今たで圓たり前だず思っおいた景色を、もう䞀床芋盎すこずなのかもしれたせん。

いいなず思ったら応揎しよう