KJourney | 密入島@フィリピン モアルボアル〜マニラ〜セブ〜バンタヤン島 🇵🇭
マニラ突撃出張。
土曜日にセブに前乗り。空港からそのままタクシーでセブシティの反対側のモアルボアルへ。もう最高だった。ダハブ、(90’s)コ・パンガンと並ぶベストビーチリゾートだった。ここでの話もいつか書こう。

月曜日にマニラへ移動。火曜から金曜まで毎日1件の営業は、全てLinkedInのダイレクトメッセージで取り付けた役員クラス中心のアポイント。みなさんよくぞ会ってくれた。
マニラ最終日。翌朝のセブ行きのフライトは10時、起床は7時、おとなしくしておかないとと思いつつ、やはり連日通ったマカティのライブバーStrumm'sで締めたくなりまた行ってしまった。


この日も最高に盛り上がっていた。こんなんで飲まずにはいられない。バンドと一緒に歌い、踊り、飲む。楽しいー!踊り、飲む。最高だぜー!踊り、飲む、飲む。。。
目が覚めると、10時だった。
わー!寝坊したー!でもフィリピンのことだから飛行機も遅れてるかも!急げば間に合うかも!タクシーを飛ばし、空港に駆け込む!
飛行機は定刻通りに出発していた。
・・・
セブ空港に着いたのは14時半。この日はセブ島北端からフェリーで1時間の離島、バンタヤンに行く。もうバスだと危ういが、タクシーで行けば19時の最終便には余裕で間に合うはず。
ところが、まさかの大渋滞。。。
空港のあるマクタン島からセブ島への橋を渡り切ったらもう16時、Google mapによると、フェリー乗り場への到着予定時刻はちょうど19時だった。
透き通る美しい海、手付かずの自然、ローカルの文化が色濃く残る魅惑の島、フィリピンのハイライトとして最後に持ってきたバンタヤンに行けないなんて悲しすぎる。しかもその原因が飲み過ぎの寝坊だなんて、タッチの差でフェリーに乗れないなんて、悔やんでも悔やみ切れない。
事情を話したタクシー運ちゃんジェフは飛ばしまくる。隙あらば対向車線に出て加速して抜かしまくる。だがGoogle mapの予定時刻はほんの少しずつしか縮まらない。ちょっとでも道が混んだり遅い車の後ろに付くとすぐにまた戻る。19時ちょい前、ジャスト、ちょい前、ジャストを行ったり来たり。俺はただジェフを激励することしかできない。
You can do it!
そしてようやく5分ほど貯金できた時、突然ジェフは車を停めた。どうした?!橋を渡れない。。え?どういうこと?Googleも前方の橋を差しているが、封鎖中という看板が出ている。前方の車が折り返してきた。
UターンしてしばらくするとGoogleは迂回路を探し、到着予定時刻は19時10分。今度はマイナスからの挽回だ。
You can DOOO it!!!
1時間ほど飛ばすと予定時刻も19時を切り、また少しずつ貯金を作れるようになった。それでもジェフは気を抜かず、攻めまくる。抜かしまくる。何度も対抗車をすれすれで躱すチキンレース状態を経て、フェリー乗り場に滑り込んだのは18時55分。
YOU MADE IT!!!
言うなり俺はタクシーを飛び降りてチケット売り場に走る。
だが、チケット売り場は既にシャッターが降りていた。誰もいない。どゆこと?貼ってある時刻表を見ると、最終便は18時となっていた。
そ、そんな。。。 目の前が真っ暗になった。
がっくり肩を落としているところに、怪しいおっさんが近づいて来て、バンタヤンに行きたいのか?ボートがあるぞ?と言ってきた。
マジか!そんな手があるのか!
喜び勇んでいくら?と聞くと、2500ペソ(約5,000円)だと言う。アホか、月収3万の国だぞ。ただ、行けることは分かったから後は交渉次第だ。あーそんな高いならいいや今夜はこの街に泊まるからと言った。もちろんはったりだ。明日にはもうセブシティへ戻らなければならない。当然値段を下げてくるだろうと思ったおっさんは、じゃあいい宿を紹介してやると言う。んー、完全に不利だ。
一度態勢を整えようと思い、駐車場に戻り、成り行きを見守っていたジェフに話した。 すると俺が交渉してくると言ってジェフは別の兄ちゃんのところに行き、500ペソでまとめて来た。
なんてイカした奴なんだ。
ジェフと別れ、何人かボートの乗客を彼らが集めるのを待ち、ボート乗り場へ向かった。
そこはフェリー乗り場から10分ほど歩いた真っ暗な漁港だった。公式には認められていない闇ボートなので、こっそり出航するのだ。
乗客はローカルだらけ、恐らく地元の足なのだろう。1人だけバックパックを担いだ女の子がいたが、タガログ語を話している。珍しくフィリピン人の旅行者だ。
乗れと言われたボートは、ボロボロの小さな舟に安定のためのポールを両脇につけただけの、本当にこれで外海に出て大丈夫なのか?と思わず震える代物だった。

ボートに乗り込んで若い男に500ペソを払うと、足りないからもっと払えと言う。は?500のはずだけど?いいから払え。ボソボソと小さな声で言うあたり、1人でせしめようとしているのだろう。相手にしないでいると、それでもしつこく払え払えと言ってくる。すると近くに座っていたバックパックの女の子が静かながらも厳しい口調のタガログ語で何かを言うと、男は舌打ちして去って行った。ありがとうと言うと、その子は何も言わずニコッと笑った。
港を出てしばらくすると外海に出た。ボートのライトが照らす波しぶきと星以外、何も見えない。剥き出しのエンジン音は狂ったようにデカく、他には何も聞こえない。ボートのへりに足を掛け海面すれすれに座っているので、波は容赦なく降りかかってくる。そして小さなボートは揺れまくる。もし大きな波が来たら転覆しそうだ。そのうち雨が降ってきた。もう全身びしょ濡れだ。
真っ暗な夜、激しくなる雨と波しぶき、時間と空間の感覚がなくなった頃、遠くに灯りが見えてきた。あれがバンタヤンか。少しずつその灯りが近付き、大きくなり、はっきりと島の影が見えるようになってきた。
ボートは浜辺へと着いた。やはり闇ボートのため港は使えず、セブと違って漁港もないので浜辺で降りるのだ。
真っ暗な浜辺で一艘のボートからびしょ濡れの黒い人影が次々に降りる様はまるで密入国か特殊部隊のようだ。
だが、ついに、ついに来た。 バンタヤンに辿り着いた!
トライシクルに乗ろうとすると、バックパックの女の子がどこに泊まるの?と聞いてきた。ビーチ沿いの宿を言うと、そこ空いてる部屋あるかなと言う。大きな宿だからあるんじゃないかな。私も一緒に行ってもいい?もちろん。2人でトライシクルに乗り宿へ向かった。
途中から雨が強くなってきて、宿に着く頃には土砂降りになっていた。宿はガラ空きで、彼女はプール沿いにある俺の隣のバンガローを借りた。プールの水面を雨が激しく叩くのを眺めながら、そのうち止むよね、明日は晴れて美しい海を満喫できるよね、と話した。なんとなく、彼女がそう言うんだからそうなるだろうという気がした。
翌朝目が覚めると、外は暴力的な豪雨だった。
帰りのフェリーの時間までずっとバンガローで窓から激しく振り続ける雨を眺めていた。

2017年夏
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