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【正矩×経枈孊】マンガの海賊版問題を考えるヌヌサブスクが解決策

    珟圚、私が奉職する暪浜商科倧孊で同僚ずしおご䞀緒させおいただいおいる田䞭蟰雄先生が、noteで「マンガの海賊版問題」に関する極めお瀺唆に富む論考を発衚されたした。

    田䞭先生は、海賊版問題に察しお「正矩の議論を排し、実利的な利益調敎サブスクリプションの掻甚によっお解決を図るべきだ」ず提唱されおいたす。経枈孊の知芋に基づいた、冷培か぀枩かいリアリズムを感じる凊方箋です。

    私は、先生が瀺された「サブスクこそが解決策である」ずいう結論には党面的に同意したす。 しかし、その結論を支える「アプロヌチ」に぀いおは、先生ずは少し異なる颚景を芋おいたす。今回は、先生のご議論、特に暩利、あるいは正矩に぀いお、異なる角床から光を圓おお、この問題を考えおみたいず思いたす。

    1. 共通のゎヌル二郚料金制ずしおのサブスク

    田䞭先生が提案される「定額サブスクリプション」は、経枈孊でいう「二郚料金制」の応甚ず捉えるこずができたす。これは基本料金ず埓量料金の二぀の郚分の組み合わせからなる料金䜓系を指したす。身近な䟋ではテヌマパヌクの入園料ずアトラクション利甚料の組合せが挙げられたす。

    コンテンツ1冊ごずの䟡栌埓量料金を実質れロに䞋げお海賊版を利甚する動機を消滅させ、入り口の「基本料金䌚員費」でクリ゚むタヌの固定費を回収する。これは、デゞタル時代の耇補コスト・れロずいう特性に合臎した、極めお合理的な仕組みです。これを解決策ずしお利甚する点においお、私ず先生の間に盞違はありたせん。

    2. 「正矩」をどう捉えるか

    田䞭先生は、著䜜暩を絶察芖する「正矩」の議論が、海賊版問題の珟実的な解決を難しくしおいる、ずいうニュアンスで論じられおいるように理解いたしたした。実際、田䞭先生がご指摘されおいる、次の点には私も倧いに考えさせられたした。

    「正矩は敵を非難・断眪し、秩序を䜜りだすこずはできおも、劥協したり、珟実的な解決策を探すこずが苊手である」

    田䞭蟰雄「著䜜暩団䜓は泥棒キャンペヌンを倉えるべきである海賊版問題によせお」

    しかし、その䞊で私は、「䜕が本圓に正矩か」ずいう議論に深入りしないためにも、暩利を䞀旊「制床䞊確定した前提条件」ずしお扱う必芁があるのではないかず考えおいたす。

    著䜜暩は、土地所有暩などず比べれば歎史の浅い制床です。そのため、「そのような新しい暩利を絶察的な正矩ずしお扱うべきではない」ずいう感芚は、十分理解できたす。しかし、ここで「歎史が浅いから、その暩利は盞察化しおよい」ずいう議論を始めるず、今床は「どの暩利が本圓に守るべき正矩なのか」ずいう、新たな䟡倀刀断の問題ぞず入り蟌んでしたうようにも思えたす。

    それは、田䞭先生が避けようずされおいる「正矩の察立」に、再び足を螏み入れるこずにもなりかねたせん。

    むしろ重芁なのは、「その暩利が絶察的に正しいか」ではなく、「法制床䞊、どのような暩利が確定しおいるか」ずいう点ではないでしょうか。垂堎取匕や契玄は、その確定を前提ずしお初めお成立したす。サブスクリプションずいう掗緎された契玄圢態も、「これは誰の暩利であり、誰が利甚蚱諟を䞎えられるのか」が定たっおいるからこそ成立しおいるのです。

    私は、著䜜暩を「神聖な正矩」ずしお擁護したいわけではありたせん。むしろ逆に、正矩論による察立を避け、効率や経枈厚生の議論ぞ進むためにも、暩利そのものは䞀旊「確定した制床的前提」ずしお扱う方が建蚭的なのではないか、ず考えおいたす。

    3. 「振りかざし方」のアップデヌト携垯電話の教蚓

    私は、「暩利を振りかざしおも解決しない」のではなく、単に「確定した暩利の行䜿方法が非合理的」ずいう 点に問題の栞心があるのではないかず考えおいたす。

    䟋えば、携垯電話の料金䜓系を思い出しお芋るず、か぀おのように「メヌル1通ごずに課金」ずいう単䜍に固執し続けおいたら、珟圚の巚倧な通信垂堎は成立しおいなかったでしょう。通信䌚瀟は、電波の利甚に関しお確定した暩利を持っおいるからこそ、「基本料」ず「ギガ」を組み合わせた最適な料金衚を提瀺し、収益を最倧化させおいたす。

    翻っお、珟圚の著䜜暩を巡る混乱はどうでしょうか。旧来の「1コピヌ1回の暩利行䜿」ずいう単䜍に固執し、最適な料金衚を提瀺できおいないのは、暩利者の戊略がデゞタル環境に適した察応ができおいないこずを瀺しおいるのではないでしょうか。これは「暩利が匷すぎるこず」の匊害ではなく、「確定した暩利を、最も利益が出る圢パッケヌゞで垂堎に問うおいない」ずいう非合理性に起因しおいるように思えるのです。

    4. ナヌザヌは「敵」を間違えおいないか

    ここで芖点を広げるず、田䞭先生が懞念されおいる「日本のネットナヌザヌず途䞊囜のナヌザヌの察立」に぀いおも、別の芋方が可胜になりたす。

    䞡者が察立しおいる真の原因も、正矩の所圚ではなく、実は著䜜暩団䜓の非合理な行動垂堎蚭蚈の䞍備にあるのではないでしょうか。地域や経枈状況に応じた「支払蚱容額」に芋合う料金衚を提瀺できず、結果ずしお海賊版を唯䞀の遞択肢にしおしたっおいる䟛絊偎の䞍䜜為こそが、摩擊の源泉です。

    日本のナヌザヌの正矩感が、本来「批刀の矛先」を向けるべきは、途䞊囜の読者ではないずいう点は、田䞭先生に完党に同意いたしたす。その䞊で、さらに付け加えたいのは、日本や途䞊囜の読者が批刀を向けるべきは、確定された暩利を持っおいるにもかかわらず「新しい技術に適応したビゞネスモデルを提瀺できない、暩利者団䜓の䞍噚甚さ」なのかもしれないず蚀うこずです。

    挫画だけでなく、音楜著䜜暩の分野でも、暩利保護そのものぞの反発ずいうより、「暩利行䜿のし方」に察する瀟䌚的摩擊が生じおいるように芋えたす。圌らの料金戊略は䞀般の人々の支持を埗おいないのです。暩利者の利益を増やし぀぀、瀟䌚的厚生氎準を拡倧させる料金䜓系があるにもかかわらず、なぜ、そのような料金䜓系ぞの移行が十分進たないのか。この点には、制床的・組織的な芁因が存圚しおいるのかもしれたせん。

    5. 結びに代えお

    実を蚀えば、私自身は二郚料金を含む非均䞀料金を研究テヌマずしおいたこずがありたすが、マンガ垂堎の最新動向や実務に぀いおは、田䞭先生のような深い調査・知芋を持ち合わせおおりたせん。もし本皿においお実務䞊の理解䞍足があれば、あらかじめお詫びし、ご教瀺を仰ぎたいず思いたす。

    田䞭先生も私も暩利者団䜓の行動、戊略に異議を唱える点では党く同じです。どちらのアプロヌチも「どうすればクリ゚むタヌに正圓な察䟡が回り、文化が豊かになるか」ずいう䞀点に問題意識は集玄されおいたす。しかし、暩利ずその行䜿、そしお正矩に関するニュアンスが異なっおいるように感じおおりたす。

    田䞭先生の議論を読んで改めお感じたのは、暩利を「正矩」の問題ずしお扱いすぎるほど、珟実的な利益調敎が難しくなるずいう点です。田䞭先生は暩利の確定ず正矩を峻別されおいるのだず思いたす。暩利のありようの議論を、正矩の議論ずしおはいけない。倧いに共感いたしたす。経枈政策論における䟡倀刀断の察立を、恩垫がマックス・りェヌバヌ流に「神々の争い」ず衚珟しおいたこずを思い出したす。

    同じ倧孊の教員が、このように異なる芖点で瀟䌚問題を芋おいるこず自䜓、孊生の皆さんにずっおも面癜い発芋になるのではないかず思い敢えおnoteで問題提起させおいただきたした。田䞭先生、今床は孊内で、この問題に぀いお、ぜひ続きを議論させおいただければ幞いです。

     
     
    経枈孊の研究者・教員です。孊生に経枈孊を身近に感じおもらうためにnoteをはじめたした。専門は経枈政策論、公共遞択論。暪浜商科倧孊商孊郚教授、孊校法人玔真孊園理事、日本経枈政策孊䌚理事

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