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【時事×経枈孊】札幌のホテル高隰に泣いた受隓生─「垂堎䟡栌」をれミで問い盎す

    「先生、これっおどうなんですか。さすがに非情すぎたせんか」
    先日のれミの冒頭、3幎生の厎田くんがニュヌス蚘事を教宀のモニタヌに映しながら切り出した。

    ニュヌスの舞台は、入詊シヌズンの札幌。人気アむドルグルヌプのラストコンサヌトず北海道倧孊の詊隓日が重なり、宿泊代が数倍に跳ね䞊がった隒動だ。
    普段なら1䞇円の宿が、䞀晩で5䞇円、8䞇円。
    「掚し」に䌚うチャンスを逃したくないファンず、努力を積み重ね、倢に芋た進路に挑む受隓生。その䞡者が限られた「空宀」を巡っお、激しく競り合った結果が、この数字だった。

    1. 䟛絊が動かない「垂盎」な䞖界

    「たず、基本を確認しよう。ホテルの客宀数は今日明日で増やせないよね。぀たり、䟛絊曲線は『垂盎』だね」ず私はホワむトボヌドに図を描いた。

    そこに「アむドルのファン」ず「受隓生」ずいう二぀の倧きな需芁が重なり、需芁曲線が倧きく右偎ぞシフトしたろかんがえられる。䟛絊が固定されおいる以䞊、垂堎で郚屋を割り圓おるには、䟡栌を䞊げお「支払意思額」が高い人から割り圓おるこずになる。この倧きな䟡栌倉動は、需絊の倉化をリアルタむムに反映しおいた。

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    需芁曲線が倧きく右にシフトし、䟡栌は高隰した。

    2. 「所埗の移転」か、「瀟䌚の損倱」か

    ここで4幎生の湯柀くんからいい指摘が入った。

    「でも先生、ホテルが䟡栌を䞋げお受隓生を優先しおも、
    瀟䌚党䜓の『利益総䜙剰』の倧きさは倉わらないんじゃないですか」

    「いいずころに気づいたね。ただし、それは今のように『䟛絊される郚屋数が倉わらない』ずいう前提に限っおの話だけどね」私は解説を加えた。

    䟛絊量が䞀定である堎合、䟡栌の䞊䞋は単なる財垃から財垃ぞの「所埗の移転」を意味する。

    * ホテルが䟡栌を䞊げれば、その分は「生産者ホテル」の取り分になる。
    * ホテルが䟡栌を䞋げれば、安く泊たれた「消費者宿泊者」の取り分になる。

    「ホテル偎には自らの利益を削っおたで安く売る経枈的むンセンティブ動機はないし、民間䌁業にその矩務もない。結果ずしお、垂堎は『最も高い金額を提瀺できる人』に郚屋を割り圓おるこずになるね」

    3. 「金額効甚」ずいう䟿利な虚構

    浮かぬ顔で厎田君は蚀った。
    「先生、やっぱりモダモダしたす。ファンが払う1䞇円ず、受隓生の1䞇円は、重みが違いたすよ」
    倚くの孊生も玍埗がいかないようだった。ここで議論は、経枈孊が最も苊手ずする「効甚の他人間比范」ぞず突入しおいった。

    私はあえお次のように尋ねおみた。
    「そうかもしれない。垂堎経枈は『より高い金額を払う人の方が、より高い満足効甚を埗おいるはずだ』ずいう、ある皮の『䟿利な虚構』の䞊に成り立っおいる。でも、あえお意地悪な問いを立おおみようか。本圓に『受隓生の効甚』は『アむドルファンの効甚』より高いず蚀い切れるかな」

    れミ宀に䞀瞬、沈黙が流れたした。

    「  『受隓生は可哀想で、ファンは嚯楜なんだから埌回しでいい』ず思い蟌んでたした。でも、そのファンにずっおは、蟛い病気療逊䞭の埅ちに埅った楜しみかもしれないし、䜕幎も貯金しおようやく掎んだ䞀生に䞀床の機䌚かもしれない。客芳的に『どちらの人生にずっおより重芁か』なんお、本人以倖に誰がゞャッゞできるんだろう  」湯柀君が自問するように蚀った。

    「受隓生が可哀想」ずいう芖点もたた、䞀぀の䞻芳。金額を尺床にするのは䞍完党だが、それ以倖の「誰かの䞻芳」で優先順䜍を぀けるこずの危うさも、私たちは同時に議論した。

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    孊生の正矩感ず経枈孊の理論が衝突

    4. それでも「䟡栌」が遞ばれる理由

    「じゃあ先生、いっそうのこず䟡栌で決めるのをやめたらどうでしょう」厎田君が蚀った。

    「もし䟡栌ずいう物差しを捚おたら、ホテルの限られた空宀をどう分配すべきだろう」

    * 「早い者勝ちにする」→「培倜できる䜓力や、
    ネットに匵り付く時間がある人が勝぀だけですよね」
    * 「くじ匕きにする」→「運任せで、本圓に今日泊たらなきゃいけない
    受隓生に届かないリスクがありたす」
    * 「殎り合いで決める」→「それは野蛮すぎたす  」

    「そうだね。垂堎メカニズムを通じた分配は、䞀芋するず冷たい。けれど、他のどんな分配方法よりも、『資源の奪い合い』に䌎うコストや混乱を抑え、最䜎限のルヌルで瀟䌚を回すための『マシな遞択肢』なんじゃないかな」私は皆の顔を芋回した。

    むすび経枈孊を孊ぶ理由

    「経枈孊っお、もっずスマヌトに解決策を出すものだず思っおたした」
    「今のシステムが、なんだか苊肉の策に芋えおきたした  」

    れミの終わり際、孊生たちが挏らした蚀葉だ。

    圌らはただ、自分たちの正矩感ず理論の間で「モダモダ」しおいるようだったが、垂堎メカニズムのポゞティブな面だけでなく、その限界やネガティブな偎面にも気づいおくれたようだ。そんな孊生たちの顔を芋ながら、私は䞀人、ニンマリずしおいた。


     
     
    経枈孊の研究者・教員です。孊生に経枈孊を身近に感じおもらうためにnoteをはじめたした。専門は経枈政策論、公共遞択論。暪浜商科倧孊商孊郚教授、孊校法人玔真孊園理事、日本経枈政策孊䌚理事

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