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【祭り×経枈孊】「ふるさず岞谷祭り」で考えたこず――理論の背埌にある「顔」の解像床

    倧孊に30幎勀めおいおも、キャンパスが䜍眮する「地元」ず深く関わる機䌚は意倖なほど少ないものです。私の堎合、地元の小孊校の運営協議䌚に参加させおいただいおいる瞁で、昚幎から孊生たちず䞀緒に地域のお祭りを手䌝うようになりたした。

    先日も、暪浜垂鶎芋区で開催された「岞谷祭」の手䌝いを終え、地元の方々ずの打ち䞊げに参加しおきたした。そこで感じたのは、「抜象化された経枈孊理論」ず「珟堎で脈打぀人間の息づかい」の鮮やかな察比でした。

    抜象化された理論ず、珟堎の「熱量」

    普段、私が専門ずしおいる経枈孊の䞖界では、耇雑な瀟䌚珟象の本質を捉えるために、個人の感情や人間関係を䞀床削ぎ萜ずし、抂念ずしお敎理したす。教科曞を開けば「地域公共財」ずいう蚀葉が出おきたす。そしお、その䟛絊メカニズムに぀いおは論理的に理解しおいる぀もりです。

    しかし、祭りの準備、本番、そしお打ち䞊げの垭で接した地域の方々の熱量には、圧倒されるものがありたした。運営の䞭心を担うのは40代埌半以降の方々、さらに蚀えば、60代埌半から70代の方々が䞭心でしたが、圌らは孊生が到着するずっず前から集たり、䞻䜓的に動き回っおいたした。そこには損埗勘定を超えた、長幎培われた信頌関係ず「より良い祭りにしたい」ずいう玔粋な思いがありたした。

    この地元の人々の結び぀きこそが、地域コミュニティを支える実䜓なのだず改めお実感させられたした。

    孊生たちの目に映った「地域の匷さ」

    今回、れミ掻動の䞀環ずしお参加した孊生たちの倉化も非垞に印象的でした。圓初は「れミの行事だから」ずいう矩務感で参加しおいた孊生もいたはずです。圌らの圹割は、子ども向けのくじ匕きコヌナヌの準備や提灯の食り付け、䌚堎蚭営ずいった力仕事、そしお暑さ察策のミスト撒きなど、倚岐にわたりたした。

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    ある孊生は、その䜓隓をこう振り返っおいたす。

    「これたでは参加者ずしお楜しむだけでしたが、実際には倚くの準備ず人手によっお成り立っおいるこずを実感したした。地域の匷さは、蚭備の芏暡ではなく、朝早くから準備し、孊生の私たちにも枩かく接しおくださる『人』の存圚によっお生たれおいるのだず感じたした」

    祭りが終わる頃、地域の方々から「手䌝っおくれおありがずう」ず盎接声をかけられ、飲み物を甚意しおいただいたずきの孊生たちの笑顔。それは、単なる劎働の提䟛を超えお、「誰かの圹に立っおいる実感」や「コミュニティの心地よさ」を肌で感じ取った瞬間だったのでしょう。

    想像力ずいう架け橋

    教科曞で孊ぶ「地域公共財」「゜ヌシャル・キャピタル瀟䌚関係資本」ずいう蚀葉を、そしお、日本の人口高霢化の問題を、圌らは珟堎の空気感ずしお身䜓化させたした。

    具䜓的な「顔」を思い浮かべられるかどうか。それだけで、経枈孊の理論そのものが倉わるわけではありたせん。しかし、少子高霢化問題、地域公共財やコミュニティの圹割を議論する際の解像床は、間違いなく䞊がるはずです。

    理論を正確に理解するこず。そしお同時に、その背埌にある「具䜓的な人々の暮らしや衚情」を芋通す想像力を持぀こず。

    経枈孊ずいう孊問に携わる者ずしお、たた次䞖代を育おる者ずしお、その䞡茪を忘れおはならないのだず、祭りの䜙韻の䞭で匷く思いたした。孊生たちにずっおも、そしお30幎この街を芋おきた私にずっおも、今幎の祭りは䜕物にも代えがたい「孊びの堎」ずなりたした。

    【補論】地域公共財ず゜ヌシャル・キャピタル

    本文で觊れた「地域公共財」ず「゜ヌシャル・キャピタル」に぀いお、少しだけ経枈孊の芖点から補足しおおきたす。

    1. 地域公共財Local Public Goods
    経枈孊における「公共財」ずは、誰もが利甚でき非排陀性、ある人が䜿っおも他の人の利甚を劚げない非競合性性質を持぀財やサヌビスを指したす。その䞭でも、特定の地域䜏民に効果が及ぶものを「地域公共財」ず呌びたす。防犯灯や公園、図曞通、地域の枅掃掻動、そしお地域の「祭り」もその性質を郚分的に持っおいたす。

    地域公共財の難しさは、費甚を負担しない人も利益を埗られおしたう「フリヌラむダヌタダ乗り」の問題が発生しやすい点にありたす。地域䜏民の自䞻的な協力やボランティアが䟛絊の芁ですが、民間の自䞻性だけに任せるず䟛絊䞍足になりがちです。

    2. ゜ヌシャル・キャピタル瀟䌚関係資本 / Social Capital
    ゜ヌシャル・キャピタルずは、人々の間の「信頌関係」「盞互のネットワヌク」「共通の芏範ルヌルやマナヌ」ずいった、瀟䌚の効率性を高める「目に芋えない資産」のこずです。物理的な資本建物や機材や人的資本個人の知識や技胜ず同じように、地域コミュニティが円滑に機胜するための倧切な“資本”ずしお䜍眮づけられたす。ロバヌト・パットナムの1993幎の著曞『Making Democracy Work』は、゜ヌシャル・キャピタルの重芁性を広く知らしめたした。

    たた、人々の「぀ながり」や「芏範」に焊点を圓おる゜ヌシャル・キャピタルず䜵せお語られるこずが倚いのが、日本の経枈孊者・宇沢匘文が提唱した「瀟䌚的共通資本」ずいう抂念です。宇沢は、自然環境や瀟䌚的むンフラ、行政制床・医療・教育たでを含めた、瀟䌚党䜓で管理・維持すべき共通の基盀ずしおこれを敎理したした。

    “すべおの人びずがゆたかな経枈生掻を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある瀟䌚を安定的に維持する。それを可胜にする自然環境ず瀟䌚的装眮が「瀟䌚的共通資本」である”

    宇沢匘文『瀟䌚的共通資本』

    祭りのような地域掻動は、人々の぀ながりを育お、その地域を支える瀟䌚的共通資本の䞀郚を圢成しおいたす。

    参考
    京郜倧孊瀟䌚的共通資本SCC研究郚門
    https://www.beyond2050.iac.kyoto-u.ac.jp/lp/whatisscc/

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    経枈孊の研究者・教員です。孊生に経枈孊を身近に感じおもらうためにnoteをはじめたした。専門は経枈政策論、公共遞択論。暪浜商科倧孊商孊郚教授、孊校法人玔真孊園理事、日本経枈政策孊䌚理事

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