イランと株式市場(投稿⑫)
中東情勢をめぐっては、イランと米国の対立が依然として続いています。イラン側は、米国が求めに応じるまでは海峡を再開せず、これまでの交渉枠組みに戻ることもないとの姿勢を示しました。一方で、カタールなどを通じて米国側に条件を伝えており、外交の可能性そのものが完全に消えたわけではありません。軍事的な緊張と外交的な模索が同時に進んでいる状態です。
また、ホルムズ海峡ではタンカーが正体不明の飛翔体に襲われ、乗組員2人が負傷したとの報告もありました。海峡を通過する船舶は以前より大幅に減っているものの、完全に物流が止まっているわけではなく、原油輸送をめぐる不透明感は依然として残っています。
ただ、意外だったのは原油価格の動きです。供給不安が続く一方、サウジアラビアからの輸出回復や米国とイランの交渉再開への期待が意識され、ブレント原油は一時2%超下落しました。原油価格が100ドルを大きく上回って上昇し続ける展開に、ひとまず歯止めがかかった格好です。
この原油安は株式市場にも追い風となりました。米国株はAI関連株を中心に買いが入り、主要3指数がそろって上昇。S&P500は0.6%、ナスダックは0.8%上昇しており、先週まで強く意識されていた原油高から金利高、そしてそこからインフレが発生するという連鎖への警戒は、比較的解かれているようにとれます。
もっとも、中東市場では緊張の影響が色濃く残っています。サウジアラビアなどへのフーシ派による攻撃を受け、湾岸諸国の株式市場では下落する市場も目立ちました。
結局のところ、現在の市場は、決して戦争の終結を確信しているわけではありません。むしろ、最悪の供給ショックをいったん織り込みながら、外交によって状況が改善する可能性を探っている段階なのだと思います。原油価格が再び急騰するのか、それとも外交の進展によって沈静化できるのかという点に注意して、今後を見守っていこうと思います。
参考文献、記事等:
https://www.reuters.com/business/energy/oil-rises-after-houthi-attack-saudi-capital-2026-09-20
https://www.reuters.com/world/middle-east/most-gulf-bourses-red-regional-friction-despite-diplomatic-hopes-2026-09-21
https://www.reuters.com/world/middle-east/vessels-trickle-through-strait-hormuz-mideast-tension-persists-2026-09-21
https://finance.yahoo.com/markets/stocks/articles/wall-st-futures-rise-ai-115836672.html
https://www.aljazeera.com/news/2026/9/20/what-are-irans-new-conditions-to-end-its-war-with-the-us
https://www.reuters.com/business/energy/qatarenergy-says-hormuz-crisis-may-delay-lng-expansion-projects-2026-09-21
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