
バックアップ担当者のための戦略的作業手順 その2
皆様、こんにちは。
株式会社カチカのオフサイト&コールドバックアップ業務担当の村島です!
今日はいきなりだいぶ涼しくなりました。と言っても、近所の歩道橋に取り付けられた温度計は30℃を指していました。これを涼しいと感じてしまう自分に少し戦慄します。
では、いつものやつ行っておきましょうか。
ある日、家族4人が夕食を終えて居間でくつろいでいました。そのとき、娘がこう言いました。「ねえ、明日からの連休、久しぶりに家族で温泉旅行に行かない?」
息子はこう思いました。「突然何を言い出すんだ。連休は友達とサッカーの約束をしているし、今更断るのも面倒だよ」。しかし母はこう言いました。「でも、いいアイデアだね。行きましょうよ。ねえ、お父さん」父もこう言います。「そうだね。たまにはみんなで旅行もいいかもな」。息子はこう思いました。「みんなが行きたいならまあいいか。行こう」。翌日、家族4人は車で温泉旅行に出かけました。
さて、この旅行の提案はどこか問題があるでしょうか?
実はあるんです。それは次回に明かすことに致します。
では、本題に入ってまいりましょう。
各バックアップ手法の徹底解説
これ以降のパートでは、クラウドバックアップ、オンプレミスバックアップ、物理的エアギャップ&オフサイトバックアップのそれぞれの定義、仕組み、そして詳細なメリットとデメリットを掘り下げて解説します。
クラウドバックアップ
いま一番「流行り」のクラウドバックアップについてまず見てまいりましょう。
定義と仕組み、主要なタイプ(SaaS、IaaSベース)
クラウドバックアップとは、パソコンやサーバーに専用のソフトウェアをインストールするだけで、データやアプリケーションのコピーを、インターネット経由でアクセス可能なリモートネットワーク上のクラウド基盤(仮想サーバーなど)に複製・保管するサービスを指します。このアプローチの最大の利点は、企業が自社で物理的なインフラストラクチャを保有・管理する必要がなくなる点にあります。
クラウドバックアップの提供形態には、主に二つのタイプがあります。一つは、バックアップソフトウェアとストレージが一体となってサービスとして提供されるSaaS(Software as a Service)型です。例えば、Druva inSyncやDruva Phoenixといったサービスがこれに該当し、エンドポイントデバイスから物理・仮想インフラストラクチャまで、幅広いバックアップ対象に対応します。もう一つは、IaaS(Infrastructure as a Service)として提供されるクラウドストレージ(例: AWS S3, Azure Blob Storage )を利用し、企業が自社でバックアップ環境を構築・管理するIaaSベース型です。この場合、企業はクラウドストレージの柔軟な容量とスケーラビリティを享受しつつ、バックアップソフトウェアの選択や設定の自由度を保つことができます。Druva inSync、Druva Phoenixはともにデジタルテクノロジー株式会社の提供するサービスです。
主要なメリット
クラウドバックアップは、現代のデータ保護戦略において多くの魅力的な利点を提供します。
データ消失リスクの軽減とBCP/DR強化:クラウドバックアップは、予期せぬ災害やトラブルが発生した場合でも、バックアップデータが失われる心配がほとんどありません。インターネット接続があれば、どこからでもデータにアクセスし、迅速に復旧作業に着手できるため、事業継続計画(BCP)および災害復旧(DR)を大幅に強化できます。さらに、クラウド上の仮想サーバーで業務を継続できるソリューションも存在し、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
最小限の初期投資とコスト効率:オンプレミス環境の構築に必要な物理サーバーやソフトウェアの購入、ライセンス取得といった巨額の初期投資が不要です。クラウドバックアップサービスは、利用したストレージ容量やデータ転送量に応じて料金が発生する従量課金制が一般的であり 、これにより中小企業でも比較的容易に導入できます。必要なリソースを必要な時に利用するモデルは、コストの最適化に貢献します。
運用負荷の軽減と専門的なセキュリティ対策の享受:サーバーの保守・メンテナンスやインフラの管理はクラウドサービスプロバイダに委ねられるため、社内IT担当者の運用負荷が大幅に軽減されます。また、信頼できるプロバイダは、転送時および保管先でのデータ暗号化、厳格なアクセス制御、多要素認証(MFA)などの専門的なセキュリティ対策を標準で提供しており、企業は最小限の投資で高度なセキュリティレベルを享受できます。
導入後の柔軟な拡張性:企業データの増加に合わせて、ストレージ容量を容易にスケールアップできる柔軟性があります。新たなハードウェアを購入したり、物理的なインフラを拡張したりする手間が不要なため、ビジネスの成長やデータ量の変動に迅速に対応できます。
アクセシビリティ:インターネット接続があれば、場所やデバイスを問わず、どこからでもバックアップデータにアクセスし、復元することが可能です。これは、複数の拠点を持つ企業や、リモートワーク環境で働く従業員にとって特に大きな利便性をもたらします。
自動バックアップとデータ整合性:クラウドバックアップサービスは、定期的なバックアップを自動化する機能を備えています。これにより、人的エラーや怠慢によるデータ損失のリスクを最小限に抑え、常に最新のファイルバージョンが確実にバックアップされることを保証し、データ整合性を維持します。
ランサムウェア対策(不変性との関連):クラウドバックアップは、ランサムウェア対策としても有効な手段です。特に、共有機能を持たないバックアップ専用のクラウドサービスでは、ユーザー側にクラウド上のファイルへの書き込み権限がないため、ランサムウェアがクラウドへのアクセス権を奪取できず、バックアップデータを保護できる可能性が高まります。さらに、不変性ストレージ(Immutable Storage)機能を提供するクラウドサービスを利用することで、一度書き込まれたデータは一定期間、書き換えや削除が不可能となり、ランサムウェアによる暗号化や改ざんからデータを効果的に保護できます。
主要なデメリットと課題
クラウドバックアップは多くの利点を持つ一方で、いくつかの重要なデメリットと課題も存在します。
ランニングコストとコスト管理の複雑さ:初期費用は低いものの、毎月定額の費用が発生し、長期的に見るとオンプレミスバックアップよりもランニングコストが高くなるケースがあります。特に、データ量が増加するにつれて従量課金が予想外に高額になるリスクがあり、コスト管理が複雑になる可能性があります。データ転送量、特にリストア時のアウトバウンドデータ転送にかかる費用も考慮する必要があります。
インターネット環境への依存と帯域圧迫の懸念:クラウドバックアップは、データのコピーをインターネット経由でリモートネットワークに保存するため、インターネット環境が必須となります。大量のバックアップデータを遠隔地に転送する際、回線を占有し、帯域圧迫による転送速度の低下や、最悪の場合、業務ネットワーク全体に障害が発生する懸念があります。これにより、バックアップや復元作業に時間がかかる可能性も指摘されています。
運用やセキュリティの事業者依存:クラウドサービスは高いセキュリティレベルを謳っていますが、企業の重要なバックアップデータを事業者に預ける以上、情報漏洩などの不安要素を完全に排除することはできません。クラウド環境の安全性は、プロバイダの専門知識と脅威インテリジェンスに大きく依存します。また、プロバイダのサービス中断や障害が、企業のビジネスオペレーションに直接影響を与える可能性もあります。利用者側は、総務省が挙げる「クラウドサービス事業者が行うべき主要な情報セキュリティ対策」などを参考に、自社でできる具体的なセキュリティ対策を確認し、実施する必要があります。
カスタマイズ性の限定:オンプレミス環境と比較して、クラウド環境ではインフラのカスタマイズが制限される場合があります。既存の物理環境のデータフォーマットを、Amazonマシンイメージ(AMI)やAzureマシンイメージ(VHD)などの各ベンダーの特定のマシンイメージに変換する必要がある場合もあり、この変換作業がRTO(目標復旧時間)を長くする可能性があります。
最低限の知識が必要:クラウドバックアップは導入が容易であるとされますが、新たな仕組みを取り入れるため、担当者はクラウドの基本的な知識を習得する必要があります。この学習にはコストがかかる場合もあります。
無自覚な法令違反の可能性:クラウド環境では、自分のデータが物理的にどこにあるかをユーザーが把握できないため、特定のエリア内に留めておかなければいけないデータが物理的に範囲外に保存されているという状態になる可能性があります。
クラウドバックアップは、初期投資を抑えつつ、高い可用性と拡張性、そして専門的なセキュリティ対策を享受できる点で非常に魅力的です。しかし、その利便性の裏には、長期的なコスト管理の複雑さ、インターネット接続への依存、そしてセキュリティの「責任共有モデル」という課題が潜んでいます。特に、データ量が増加するにつれて、従量課金が予想外に高額になるリスクは、総保有コスト(TCO)分析において重要な考慮事項となります。セキュリティ面では、クラウドプロバイダが提供する「強化されたセキュリティ」は大きな利点である一方で、企業はバックアップデータの管理を事業者に「任せる」側面を理解し、利用者側で実施すべき具体的なセキュリティ対策(例:データ暗号化、アクセス制御、適切なクラウドサービスの選定)を講じることが不可欠です。
今日はここまでと致します
今日も少し短いですが、クラウドバックアップに関する説明がちょうどよくここで切れますので今日はここまでと致します。次回はオンプレミスバックアップの話を差し上げたく思っています。
ITの世界では今日日なんでもクラウド化というのがトレンドですが、上に書きました「インターネット環境への依存と帯域圧迫の懸念」にも示されていますように、クラウドというのは通信回線、電力供給などの基本的なインフラが正常に動作しているという前提がないと正常に利用できないものです。一方で、クラウドサービスがもたらす利便性は基本的なインフラが動いている限り他の方法よりも高いと言えます。
ですので、いろいろなシチュエーションを想定して、こういうことが起こったらこの方法でバックアップしているデータからリストア(ないしはリカバリ)を行おうという計画を立て、クラウド・オンプレミス・物理的エアギャップ&オフサイトバックアップを組み合わせて日頃から運用するのが最適と言えるでしょう。
このうち、物理的エアギャップ&オフサイトバックアップを行っているのが弊社です。この原始的な方法は、原始的であるが故に日常的に使うということにはならないかも知れません。しかし、PCの機能がいくら向上してもBIOSを作れる人の需要がなくならないように、最も基本的な部分を支えるサービスというものはいつの時代にも必ず存在し、そしてそういったサービスは「最後の手段」としていつの時代も準備万端にしておく必要があるのです。
あまり先走りすぎてもよくないと思われますので今日はここまでとさせていただきます。次回からもよろしくお願いいたします。
そして今日もやることに致します
Geminiさんのお手並み拝見シリーズです。AIがいまどれぐらい正確なものなのかを確かめるためにこんなことをやっております。

これは、Geminiさんに「初代 市川團十郎の絵を描いて?」とリクエストした結果の出力です。まあ時代が時代ですから写真なんか残ってるはずもないのですが、Wikipediaには初代團十郎の絵としてこんなのが掲載されていました。

(画像はWikipediaより)
Geminiさんの絵は大百日かつら、略して「大百(だいびゃく)」とも呼ばれますが、それを意識したのかなあと思いましたが調べた結果どっちかというとつぶし島田に似てますね。やっぱり何事に関しても今の段階でAIに業務を丸投げというのは危険だと私は思います。
私こと村島の母は今年の12月で84歳になりますが、そんな母が子供のころ、近所に歌舞伎の女形の養成所があったそうなんですよ。朝から晩まで高い声を出す練習をしていて、母の実家に買い物に来るときにもいわゆる「女の子走り」で来ていたそうです。日常生活から女になりきる、それが訓練なんですね。
歌舞伎では女形と男役が手を取り合うシーンがあるときには女形は舞台に出るまで手を水で冷やすんだそうですね。若い女性と手を取り合った経験がおありの方は多いでしょう。若い女性の手は一般的な男性の手より少し体温が低く、男性が女性の手を取るとちょっと冷やっとした感じがします。それを再現しているわけですね。そこまでこだわるのが日本の美学なのでしょうか。
では、今日も1枚描いてもらいましょう。

ヒント行きましょうか。
大道芸人から出発して名をなした人です
江戸中期ごろに初代が活躍して、その後4~5人程度が確認されていますが、よくわかっていない部分も多いです
上方落語の名跡として「米團治」が残っているのはもしかしたらこの人の影響かも知れませんね
というようなところです。
今日はこれぐらいで終わらせていただきます。目次へのリンクを張っておきます。
上のリンクから目次だけの記事に行きますのでそちらをご覧ください。
また次回もよろしくお願いいたします。
なお、弊社の業務をご紹介するちゃんとしたWebサイトは現在鋭意作成作業中です。今しばらくお待ちください。
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