
白くてコロコロした子犬の光り
超限界集落となった実家の古民家は、
築200年の間に、大勢の家族の日々を育んできたはずです。
その中には家畜の馬や牛、山羊、羊、鶏、うさぎ 、、、
猫もネズミ対策の家畜として飼われ続けていました。
今は両親共に老いが進み、自分達の生活だけでやっとになりました。
軒下にやって来る つばめのお守りだけが、動物好きの父の日課です。
去年のお盆頃だったでしょうか、
実家の居間にいると、
視界の端を、隣の部屋に俊敏に駆けていく、白い子犬の後ろ足が見えたようでした。
白く光り、コロコロとした毛玉の塊。
翌日には、仏間の掃除中、
飾りテーブルの下に、同じ白い光の塊が、コロコロと転がるように駆け込む様子を見ることになります。
"白い光"については、それまでに別の古民家で見たことがあり、驚きはありませんでした。
この実家で見ることは初めてで、
なんだろう?と思いつつも、そこに意味を探すことの無意味さが勝ち、
とくに不思議がる気持ちもありませんでした。
その後、
以前、スピリチュアル鑑定を受けた時、「白い子犬が来ていますよ」と言われたのを思い出しました。
私は、「飼っていた黒い犬なら知っているけれど、白い犬はわからない」と聞き流していたのだけど、
その記憶が、目の前に形となって現れたようでした。
同時に思い出したのが、父が若い頃に撮りためていた、古い白黒写真の束のことです。
これまでに何度も見ていたその写真の中に、確か、白い子犬が…。
引き出しにあるはずの写真の束を探り出して、次々とめくると、
若い父に、それはそれは大事そうに抱かれた、白いスピッツの子犬。
この子犬は、野犬として保健所に連れて行かれたんだと父が言いました。
戦後間も無く、世の中のいろいろがまだ定かでない頃の出来事だったのでしょう。
「あー、たぶん、この子だったんだねー」
きっとあの子犬は、何十年という時を経た今も、あの写真の中と同じように、大好きな父の後ろをコロコロとついて歩いているのかな。
と、なんだか愛しくて、撫でまわしてやりたいような、暖かな気持ちになりました。